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南の島の星まつり2023「恋する小惑星」Kirakiraトークショー メモ

2023年8月20日、石垣島において開催された「南の島の星まつり」の企画として、恋する小惑星(恋アス)に関するトークショーが開催されました。本記事では、筆者が公演中に取っていたメモの内容をできる限りまとめます。

手書きで急いで取っていたメモであるため、内容の書き漏らしや誤認がありえます。正確に発言内容をなぞったものではない点ご留意ください。また、発言者を示す場合敬称略としています。


開演まで

  • 石垣市民会館 中ホールは13:30開場

  • ホールには、恋する小惑星と望遠鏡メーカーVixenのコラボ商品「ポルタII A80Mf 恋する小惑星」が置かれていた(石垣島天文台・花山先生の私物であることがトークショーで言及された)


トークショー開始

  • 冒頭からの登壇者は、プロデューサーの山下愼平氏、監督の平牧大輔氏、木ノ幡みら役の高柳知葉氏。進行役は山下氏。

  • 石垣島に来られて嬉しい

  • 放送中、途中からコロナ禍になった。なので念願のリアルイベント。

  • 今回のイベントのメインビジュアルがQuro先生の描き下ろしであるという話。みら・あおはミンサーを着ている。

  • この絵のグッズが欲しいですね。クリアファイルとか

  • (山下)22:30くらいかな? でも南十字があるから違うかも

  • 念願の石垣島。晴れていて嬉しい!

  • 監督は4年ぶりの石垣島。(アニメ恋アスの)ロケハンは4泊5日で行った。昼はロケハンで、夜は美ら研で小惑星を探していた

  • (挙手を求めてから)会場は多くが恋アスのファン。旅費とか大変でしたよね。他には地元の方、恋アスを知らない方もいらっしゃる。

恋する小惑星に関するイントロダクション

  • 恋アスを知らない方もいるということで、作品のイントロダクションを高柳さんからお願いしたい。

  • (高柳さん、みらの声で恋アスのイントロ文を読み上げ)

  • みらの声が久しぶり。アフレコ、きららファンタジア以来。

  • 作品はまんがタイムきららキャラットで連載。アニメにもなった。

  • 10話で「きら星チャレンジ」に参加する話になる。これは美ら星研究体験隊(美ら研)がモデル。

  • 石垣島が登場するということで、こうした会が実現した。

  • 昨日(8月19日)は夕涼みライブ&観望会があった。スタッフ一同も見た。

木ノ幡みらを演じての話・アフレコ現場の話

  • (高柳)みらは幼い頃の約束をブレずに追い求めているまっすぐな女の子。小惑星を見つけるという夢への想いも強い。そうしたピュアな点を出したいと思っていた

  • (平牧)(そうした演じ方についてどういうディレクションをしたかについて)ディレクションはあまりした覚えがない。聞いてみてみらだと思ったので、あんまり指示はしていない。そのためいい意味で記憶がない

  • (高柳)地学部の声優が集まると地学部だなという雰囲気になる。部活動という感じがあった。アフレコの部屋で、(桜井美景役の)東山奈央さんの誕生会をしたりしていた。

  • コロナ前最後の時期だったので、ブース内にみんな集まっていた。今はコロナの影響が残っていて、声優ごとに分かれてアフレコをする傾向がある

  • まさか石垣島でイベントができると思わなかった。いろいろ恋する小惑星関係のイベントを企画していたが、コロナの影響で横浜を始め泣く泣くキャンセルにした経緯があったので

天文描写に関するアニメ制作の話

  • (山下)星を扱う作品なので、その日その場所の星空を本当に出している。これを実現するシステムは大変だった?

  • (平牧)システムというより、力技でしたけどねw

  • ステラナビゲータなどの天文ソフトを手がけている、アストロアーツさんの協力を得ていて、星空の全カットの構図などを決めた。このカメラで撮ったらこのような画角というのも考慮している

  • (山下)(星空のシーンを作り込むために)動画工房に毎晩泊まって作業をしていた。

  • (高柳)星空合宿!?

  • 頑張ったのでブルーレイを是非みてみてください! 太陽や月の見え方もちゃんと作っている。

  • 星空を写真で撮ると、簡単に盛った空にできてしまうが、それは目で見た印象とは異なる。目で見た感じの星空になるよう工夫した。4等級までの星がみえるレイヤを作ったりとか。

  • 会場には、石垣島天文台の花山さんの私物のw望遠鏡がある。これをアニメで描く際にも、メーカーのVixenさんから3Dモデルをいただいて作画している。

石垣島でのロケハンについて

  • ロケハンにあたっては、石垣島青少年の家など、石垣島の各施設に協力いただいた。

  • 10人くらいで、正体を隠して美ら研に同行した。

  • 参加していた高校生たちには、「なんだこいつら」と思われていたかもw 当時、アニメ化の発表前で目的を言えなかった。

  • 島の風景の写真は撮影したが、背景にする際は一から描いている。

  • (高柳)石垣島に来て、アニメで見た風景だ!と思った

  • 声優さんがロケハンに来ること自体がなかなかないですからね。

  • (高柳)JAXAの筑波宇宙センター、地質標本館や国土地理院には訪問した。

  • 作中で出てくる、国土地理院のアンテナ(つくばVLBI観測局のこと)は、ロケハン時も作中(4話)の時期も廃止されてなくなった後だった。遠藤先生の回想シーンでは登場する

  • (平牧)実は、アニメの中のアンテナは石垣島に向けている。よく見ると南に向いているのが分かる

  • (一同驚いて)こういう話、トークショーをしないと出ないですよね。もっと講演会などをしてほしい

  • (平牧)皆さんで(アニメ中の小ネタを)探してみてくださいw

  • 最終話できららジャンプをした浜辺もある。4年前は名もなき浜だったが、今回見たら名前が付いていた。場所の説明は難しいので探してくださいw

  • (山下)実はプライベートで、石垣島に7年連続できていた。南十字星を撮影するなどの目的。なのでスタッフ皆を案内する感じになった。

  • (山下)このように個人的に石垣島が好きだったので、恋アスの原作漫画で出てきてびっくりした。決して趣味で出しているわけではない。でものんのんびより(石垣島のシーンが登場する「劇場版 のんのんびより ばけーしょん」)は趣味のせいかも

天文・恋アスの関わりについて

  • (石垣島天文台の花山秀和講師が追加で登壇される)

  • 花山氏そっくりの、花島さんというキャラクターが恋アスに登場する。国立天文台から3名そっくりさんがアニメに登場した。

  • (花山)(作品を観てどうだったかについて)どうなるんだろうとドキドキハラハラしていた。石垣島が出てきて、あおが「来ちゃった」シーンでは「どうなるんだ!?」となった。原作は事前に読んでいたのに。アニメの力はすごい。

  • (花山)自分達は普段真面目に天文学の研究をやっているけれども、そこに高校生がやってきて彼らなりの考え方とか楽しみ方をしている様子はすごくユニークに感じた。そういうことを考えながら観ていた

  • (山下)アニメ放送を機に、アニメ業界でも星を好きになってくれる方が増えた。

  • (花山)石垣島天文台には14年くらいいる。この前、古在由秀賞という賞をいただいた。

  • (花山)(会場に展示されている)恋アス・Vixenのコラボ望遠鏡は、もともとオンラインストアで売り切れていたが、ある日見たら売っていた。そこで購入した。

  • 今年も、明日8月21日から美ら研が開かれる。3日間、新しい星を見つけようということで開催。

  • (花山)20人くらい応募があったが、参加者に恋アスに関心がある人も多い。去年は、青少年の家の廊下で写真を撮っている人がいたw 恋アスの聖地巡礼をしているということだった。

  • めでたいですね。この会場の参加者にも美ら研の参加者がいる。

  • COIASという、小惑星を探せるアプリも作っていただいた。みらあおの発見チャンスが減っちゃう!?

天体写真の講評会

  • 高柳さんが最近カメラを買ったということで、花山さんに品評会をお願いしたいw

  • (平牧氏の写真)VERAと天の川が写っている。これはロケハンの時の写真。

  • (花山)プロの方かと思ったw 木星がいますね。

  • (平牧)これはNikon Z7で初めて撮ったもの。山下氏に教えてもらって

  • シャープですよね。設定は?

  • 24-70のレンズで10秒とか20秒とか

  • アニメのトークショーなのにこんな話ばかりして大丈夫なのかw

  • (高柳氏の写真)昨日石垣島の観望会イベントで撮った天の川

  • (山下)すごくないですかこれ

  • (高柳)撮ったあと急いで現像して、スライドを差し替えてもらった。カメラボディはNikon Z fcで、山下氏からSIGMAの14mm単焦点レンズを借りての撮影。普段使っているレンズとは違う

  • (花山)下の陸地のような部分が、南国の雰囲気を感じられていいと思う。さそり座も横たわって写っていてそれを引き立てている

  • (花山)天の川は星の大集団で、渦巻きの形をしている。ちょうどVLBIの観測で中心ブラックホールの写真を撮ったのが数年前話題になりました。この写真には、天の川銀河の中心方向が写っていることになる。

  • (花山)天の川については、近代以前はどういう正体なのか分からず論争があった。最近は、位置観測によって詳しい構造まで分かってきている。黒い部分は暗黒星雲で、後ろにある天体の光を遮っている。

  • (山下)可視光では見えないとのことだが、VERAでやっているような電波観測では、その向こう側も観測できる?

  • (花山)そう

  • (山下)という話が高柳さんの写真からできるw

  • (高柳)星や星の写真の勉強はいろいろしたが、レンズひとつでこんなに(撮れる画像が)変わるんですね。

  • (山下氏の写真)

  • (花山)大小のマゼラン雲が写っていますね。ということは南半球?

  • (山下)さすがですね。これはオーストラリアです。木の近くにはケンタウルス座が写っている。マゼラン雲はとても大きな星雲。石垣島でもさすがに見えない?

  • (花山)地平線近くに一部は見えるが、あんまり見えない

  • (山下)これはNikon D810AというHα線が移りやすいカメラで撮っている。

  • 恋アスの会なのにこういう話ばっかりで大丈夫?w

石垣島の星空、石垣島天文台の紹介

  • (花山)(石垣島でおすすめの星見場所はどこかについて)見たい対象によって違うが、南十字星が見たいなら南の視界が開けているところがいい。ライトダウン観望会イベントがあったサザンゲートブリッジのあたりなど。天の川であれば南東が見える白保海岸もいい。北の空を見るなら、北部の方は街明かりも少ないのでさらにいい。

  • (山下)ライトダウン会場で星を見た後、関係者で島の北部に行ったが全然星空が違った。

  • (高柳)全然違いましたね! 市街地でもすごい星空だと思ったが、北部はさらにすごかった。広さまで違うような気がした。寝転んで見たいぐらい

  • (花山・山下)安全には気をつけてほしいが、ぜひ石垣島北部の真っ暗さを体験してみてほしい。

  • (山下)一般の方が石垣島天文台を訪問するには?

  • (花山)水曜から日曜まで見学会をしています。宇宙の立体映像が見られる宇宙シアターも。予約制だが、そんなに埋まっていることはないので気軽にきてほしい。多くの方に来ていただければ! 特に、今回はイベントを記念してQuro先生の描き下ろしブロマイドを配布している。

締め

  • (花山)2006年に石垣島天文台ができてから、市民の方に支えられて続いてきた。漫画やアニメにも取り上げられていてありがたいと感じている。今後ともご支援をぜひ。

  • (平牧)またアニメができたらいいなと思っているが……。応援していただければ!

  • (高柳)放送から時間が経ってのリアルイベント実現で、しかも石垣島ということで楽しみにしてきた。石垣島に実際来てみて、色々と感じるものがあった。恋アスがこれからも皆さんに愛される作品であってほしい。プロデューサ・監督の両氏はまだ話し足りないこともあるとおもうので、またこうしたトークイベントがあればいいなと思う。

  • (山下)こうしたイベントをさせていただけて嬉しい。また石垣島、星まつりにも来たいと思う。皆さんも楽しんでいってください

  • (司会・石垣島天文台 早津氏)トークショーを聞いて、私もアニメを見返したいと思った。天文学者や、研究者を目指す高校生などにも人気が高い作品だと思う。3年経ってこうしたイベントができて喜ばしい。

  • (花山)参加者全員に、イベントビジュアルのブロマイドと星コロ(星をイメージした郷土の玩具)を配ります! 最後までぜひご参加を。

この後、国立天文台の野村英子教授の惑星形成に関する講演、質疑応答ののち散会となりました。参加者には、石垣島天文台でも配布されているブロマイドと「星コロ」が配布されました。

イベント後

出演者の皆さんは、トークショーの後に石垣島天文台とVERA石垣島観測局を訪問されていたようです。アニメに登場したアンテナの上にも高柳さんが実際に登られていました。

また、石垣市役所の観光文化課には翌日から出演者3名のサイン色紙が飾られました。石垣島の新たな巡礼ポイントですね。

トークショーの翌日、地元紙である八重山毎日新聞に記事が掲載されました。現地のコンビニで入手できたほか、Web版のページもできています。


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