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考える力ドリル1:レストランの問題を発見しよう

社会人として「考える力」は重要です。

考える力とはFCFでは論理的、意図を汲む、意図を伝える、説明がわかりやすい、理解能力など、お互いに背景の違う他人と取引・協力するために必要な能力の総称を指します。

これら全てに繋がる「モノの見方・考え方」のことで、解説には《知的複眼思考法》をベースにしています。

とても大切な力なのに義務教育や高校大学などで学べる機会は平等に提供されていません。故に社会に出た時にこの能力の強さが、その人のパフォーマンスに大きく関与します。


考える力はリーダーシップの経験値

リーダーシップというのは「問題発見→問題を明晰に伝えてアイデアを吟味して合理的に決断し→対応する役割でいる」ことです。

自分が考えたことを「決断してケツをもつところまで」やってきた経験をリーダーシップ経験とFCFでは言います。

自分が考えて行動して結果までを引き受けるので、論理・段取り・方針・戦略・説明・物事を明確にするなどを自身がやるため、考える力が育つのです。


考える力は訓練で育つ

私自身も元から考える力があったわけではなく、考える力は生き方を変えれば訓練で育てる事ができます。

そこでコツコツとnoteに考える力を育てるドリルを書き残していくことにします。

仮想で問題を想定し、何が起きているか何が問題か明確にして、解決のアイデアを考え、合理的な決断することをドリルで学習します。

身近な事例を見つけ、自分が当事者ならどんな手を打つかを考えましょう!


ドリル①:レストラン

あなたはレストランのお客様です。

GOTO Eatキャンペーンで異性のパートナーとあるレストランを予約しました。

内装は高級感があってパキッとした非日常的な色使いです。

コースは全てお任せ、全8品あります。


1皿が終わり2皿目を待つ時点で少し時間がかかっている気がしました。

3皿目、4皿目、5皿目…と待ち時間はさらに開いていき、最初の違和感は確信に変わります。料理が遅い。

見渡すとお客様は4テーブルに8名、キッチンに2名、ホールに2名です。

ホールはスーツ姿の口調がはっきりしたサービスマンが1名、ぎこちなく話すキッチンとホールを両方サポートするスタッフが2名、サポートスタッフは料理にはあまり関与しないのか手が空いてそうです。

シェフは常に料理に手を動かしています。


レストランはイタリアン、内装の雰囲気も洋式で色遣いも寒色系を基調にしたシックなトーンの配色です。

内装に対してサービスマンと会話していたら、内装はオーナーがこだわりだそうです。

オーナーはシェフですか?と聞くとシェフとは別の人でした。

オーナーさんは飲食ではない方なんですか?と聞くと、そうだと言われました。

コンセプトはイタリアン×和の創作料理だそうです。

今回料理が8000円のコースでしたが、予約サイトには他にも2000円、5000円、10,000円を超えるコースがありました。


1皿目は3種のハムを3種の食べ方で提案する前菜です。

3種のうちの一つ、ロシア風ポテトサラダをハムで巻いた品を食べた時、急に日常に引き戻されるような感覚がありました。

マヨネーズ、キュウリ、じゃがいも、ハム、皆がよく知るサンドイッチの組み合わせです。


2皿目は和牛のモツ煮込を香草を練りこんだパンに乗せたブルスケッタです。

美味しいですが、どこかモツ煮込みに既視感があります。

ポテトサラダ、モツ煮…大衆居酒屋の定番料理です。


3.4皿目はパン

5皿目のパスタは子羊の肉団子のアラビアータです。

トマトと玉ねぎとピーマンの甘み+肉団子にも既視感が…ナポリタン


料理はほどほどに美味しく、演出に工夫を凝らしていて、器も内装も素敵でサービスマンもとてもいい感じです。

それでも期待を裏切られたような感覚が残りました。

滞在時間を振り返ると、最短のテーブルチェックで2時間15分でした。


ここまであなたがお客様として体験したことです。

ここからが質問です。

あなたが店長ならどんな問題を発見しましたか?

何が起きていたかを明確にして、解決のアイデアを出し、合理的な判断を考えましょう。


まずは考えてみてください

正解などありません。

ポイントはあなたが何を問題にしたか、何が起きているか明晰に伝えたか、ここが重要です。


回答:

以下が問題です。

①待ち時間の長さ

②期待した対価が得られていないこと


①も②もお客様によって感じ方は異なり、気の持ちようでも変わりますがサービスを改善させる意図であえて問題として扱いメスを入れます。


①待ち時間の長さ

フルコースとはいえ2時間を越えると長く感じます。

お客様もたった8名なのでカウンターキッチンなら2名でも十分に回して余力があるレベル…人数は十分にいるので、仕込み不足に問題がありそうです。

コース料理がかなり種類があるので、予算に応じて2000-10,000円以上のコース、というのは求められている対価が変わります。

「コースが多すぎるため、仕込みができない」という問題に着目します。

A、B、C、Dとコースがあり、値段も大きく違うので品数が変わります。

それをメインシェフ1名、キッチンよりスタッフ1名と回すのは厳しいです。

なので客数が少ない今はコースメニューとプライスラインを絞り、今より仕込みをすることでお客様の待ち時間を減らすことができます。


②期待した価値が得られていないこと

お客様がイタリアンのレストランに期待する価値はなんでしょう。

お客様、と言ってもお客様がレストランをどう利用したいかによって求める価値は変わります。


予約サイトでは8000円のコース、レストラン、非日常的な内装写真、美しい料理の写真を使って集客しています。

予約サイトが農水省から受注しているGO TO Eatのキャンペーンだったので、合理性から新規顧客獲得を狙ってのプロモーションと考えるのが妥当です。

空間にこだわっており、安さを売りにした手軽軸のサービスではありません。

マーケティング的には商品軸、密着軸狙いが妥当なところ、新規客を定着させることが戦略上、最も合理的なセオリーです。

ところが料理の出典元は手軽軸の赤提灯系居酒屋メニューで、戦略の一貫性が取れていませんでした。

予約サイトの写真で集客したお客様が8000円コースに期待するイタリアンレストランに、赤提灯系居酒屋メニューを当てるのは問題でした。

よってお店の内装スペックを生かして、相応の価値がある料理に寄せるべきであるという合理的な考えができます。


考えることを放棄しないこと

初めてドリルをつくりましたが、解説を言語化するのは大変です。

私が事前に調べたり、違和感を感じた時に予約サイトを調べて得た情報や、サービスマンに質問をしたことで得ている情報が混ざっているので、受動的に得られる情報以上に手がかりとなる情報がドリルに入っていました。

なのでもっと少ない情報で違和感が起きるまでのプロセスを伝えるのが、実務に使えるドリルになると思いましたね。

そのあとに行動して得た情報を追加して、一緒に考えていくプロセスを解説する方が良さそうです。


言語化に結構時間がかかるので、毎週末を活用してコツコツ増やしていきます。

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