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マイ・ベター・ハーフ

夏から同居がはじまった。

感想としては、リアル「きのう何食べた?」のケンジとシロさんである。私は高給取りな弁護士ではないし、相手も美容師でもない。けれどこれ以上のたとえがみつからない。

ハーゲンダッツはコンビニじゃなくて安売りスーパーで買うべきだし、ヨーカドーのマルシェで夕方にたたき売り新鮮野菜をみるとハンターの気持ちになるし、たまの日曜にはパンケーキつくって紅茶でいただくし、事故物件ではないけど2人暮らしには広めの家に住んでるし、細々とふたり貯金をはじめて毎月しかめっつらで家計簿をつけている(眉間にしわが寄ると注意された)

ありがたいことに共働きで、お互いの実家も健在なので悠々とふたりぐらしに突入できた。


が。


しばらく単身住まいをしていた身としては、自分のテリトリーに他人が入ってきたことで世界が「しなる」気がして、まだ慣れない。


アンケートサイトでポイント稼ぎをすることがたまにあるのだが(楽天インサイト、dポイントなど)夏以降、変化があった。

「あなた自身または同居人のかたのお仕事を教えてください」
 ①サービス業
 ②ソフトウェア
 ③製造業
 ④教育関連 … 

アンケートの冒頭でよくみる質問に携帯の画面をすべる手が止まる。

そうか、もうひとりじゃないんだな。

回答が変わるんだ。

…なんだこれ、違和感がすごい。


その日はそっと画面を閉じて、しばらく考えた。


ふつうは喜ぶんだろうか。ふたりきりだね今夜からはすこし照れるよねキャニュセレブレイトな感想をもつべきなんだろうか。いやいやいやいやいや。キャラじゃないし、無理です。実際同居してからの数日、生活費どうする家事分担どうするとか、ビジネスライクな打ち合わせばっかりしていたし。

多分頭のどこかで私はずっと変化のない生活を求めていたんだと、あらためて突きつけられた。


おりしも今年は国勢調査100年目、今更ながら同性パートナーの存在が統計から外されていることがわかった。公的調査に組み込まれていないということは、存在していないと同じだ。同性婚実現にあたり「実際希望者がいるかわからない」「本当に必要なのか」と国は言い続けてきたが、カウントしてなきゃそりゃみえない。彼らのニーズをふまえた適切な支援施策を打ち出すための仮説立てには、必要なデータを集計するべきである。

国勢調査の調査票の性別欄は男女の2択で、世帯主と配偶者が同性の場合、「他の親族と同居」として集計されたりするとしています。一方、異性の事実婚カップルは婚姻している男女と区別なく集計されています。
異性の事実婚カップルは婚姻している男女と区別なく集計されるが、同性カップルは集計も把握もされない。総務省統計局統計調査部の担当者は「現状の日本の婚姻制度は異性間が前提のため」と説明する。


結婚制度を利用したいわけではない。けれど同性カップルがカウントされないのも国勢調査としては正しくない。どう記入すべきか、悩みどころである。私たちはふたりとも「世帯主」なので書き方に困る気がするので、Marriage for All Japanのサイトをみて参考にしてみよう。

Q5:私たちは同居する同性カップルですが、結婚したいと考えた事はありません。参考図のように回答するべきでしょうか?
A5:義務とお考えになる必要はありません。男女の場合、未届けでいわゆる「事実婚」や「内縁」と呼ばれる関係のカップルは、結婚しているカップルとして回答することになっていますが、こういうカップルでも回答に悩み、場合によってはルームシェアのように答えるカップルもいるかもしれません。その場合は、二人目は「4.世帯主との続き柄」の欄にて「その他」と答えるなど、いろいろな選択肢があります。一方で、「配偶者」には「連れ合い」といった意味もありますので、結婚したいかどうか、あるいは結婚に賛成・反対は別にして、互いの関係性にもっとも近い回答をするのがよいと思われます。


あなたに同居人はいますか。

私はいます。

家族ではなく、恋人です。

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