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可能性なんてものは所詮可能性であって

何度となくこの場でも綴ってきましたが
私は、約2年前から3か月に1度
服用しているピルを頂きに産婦人科に通っている。

初回のみ、がん検査ついでに内診を受けてそれっきり。
半年に一度、血液検査をしてもらう他は
特別何かを話したり相談したり確認したりすることはなく、先生も大変口数少なく必要最低限のこと以外はしゃべらないタイプ。

とても混雑している病院なのもあってか、一人一人の対応時間を極力短くできればという努力が垣間見れるような診察のため
的確で簡潔で大変内診が上手(痛みがゼロでびっくりした)な先生で信頼は置いているものの、急を要しない精神的な相談を心置きなく持ち掛けられるような空気感ではないのが 少しだけ気にしている部分だった。


最初は生理日の調整のために入手するつもりだったピルも、初診の検査当時発覚した 子宮内膜症や、細かいけどたくさんあるという子宮筋腫と、それまでも診断はされていたが単なる様子見だった排卵障害があるために 治療として服用することになって
4か月に1回しか生理が来なくなった人生は、控えめに言って最高だった。

2~3か月生理が来ないことも何度もあったけど
長らく恋人もおらず、行為専用の相手がいるわけでもなく、妊娠の可能性は100%ないと言い切れる状態だったため、いつまでも あみんの如く待つのみ。

かと思えば1か月に2回来ることもザラにあったので
いつ生理がやってくるかわからないおかげで、常時用品は持ち歩いていたし、薄い色のズボンなんて履けなかった。
ピルの服用を始めて、人生初の白いズボンを履いた時はなんだか大人の女になったような気分で背筋が伸びた記憶があるな。

「ズボン」とか言ってる時点で若干の古臭さ出てますが
「白いパンツが大人の女」っていう偏見も我ながら可笑しい。コツコツ言わせたいんだ私は、コンクリートの床をコツコツ言わせて歩きたいんだ。

実際の私は運動靴か今はモッコモコのブーツだから、物音ひとつしねえけども。


大変なのは出張時、現地で毎回24時間地下に立て籠もる任務があるため、いざとなった時のために大量の用品をジップロックに圧縮して持ち運んでいた。


確実に生理が来ない という日が決まっているだけでこんなにもストレスフリー。そしてそれが3か月も続く。最&高。

4か月起きにやってくる生理も、当時と比べたら大変軽い。ピルの副作用も含めた生理の痛みは変わらずやってくるものの、とにかく量が少ない。そしてすぐ終わる。

もしかしてこれが普通なのか…!? と考えたら
初めて自分の生理が酷かったんだと実感した。

妹二人も子宮疾患を抱えていて生理は酷かったので、比べる対象が普通じゃなさ過ぎて、自分が普通じゃないことに気付けなかった。

当たり前ってコワイネ!



話は逸れましたが

いろいろと病気が発覚してピルの服用を始めた当時、私は恋人はもちろん想いを寄せる異性も存在しておらず、結婚や妊娠の願望などこれっぽちもなかった。

何なら結婚に対しては憧れよりも嫌悪感のほうが強かったかもしれないし、妊娠や出産についても、考えれば考えるほど不安で
それに加えて、親子関係に多大なる闇を抱えている自負があったために、私が子育てなどできるはずがない という、確固たる自信があった。


そして何より、相手がいないことにより、その全てが非現実的すぎて 想像するにも及ばなかった と言う方が正しいかもしれない。


だからこそ
病気が見つかったことも、単純にありがたい嬉しいことであり
治療により生活がとても楽になったことも、また同じだった。



今こうして 今後の人生を共に添い遂げられたらマンモスウレP恋人の存在ができたことにより、2年前には考えてもいなかった結婚や妊娠の可能性について、マンモス考えるようになってしまった。

とても幸せなことで、とても悲しいこと。

健康な女性でさえ、この年になれば劇的に諸々の成功率が下がるというのに、私という生き物はありとあらゆるリスクを抱えてしまっている。


ご懐妊も、生まれていい時期までお腹でちゃんと育つことも、母子ともに無事に生まれることも、すべて奇跡である。

妹たちの不妊治療~妊娠出産までを見ているだけでも十分理解しているそのことを、果たして自分に置き換えて考えることができようか。

体力気力だけで済む話でもない、莫大な金額も時間もかかるし、保険が適用してもらえる年齢制限の壁だってもうすぐ越えてしまう。



恋人タミオ君には、交際開始時に 子供ができない可能性が著しく高いことを説明した上で了承を頂き、時を経て気持ちが変わったって大丈夫だからその時には遠慮なく言ってくれ という口約束も交わした。

具体的に子供が欲しいとか要らないとか、要望を確認するのは早すぎて、一時期タミオ君も考えすぎて窮地に陥ってしまったので、一旦この話はナシにした。だってまだ結婚も決まってないのに。

私は女だから【女体としての限界が来る前に】って答えを焦る気持ちもあったけど、先に妊活の希望なんか聞かれたってねぇ、そりゃどんな男でも困っちまうよ。


でもおかげで
私の身体や気持ちを最重要視してくれていること
子供の有無に関わらず将来を考えてくれること
場合によっては養子縁組を考慮することまでもを、視野に入れてくれている優しい恋人であることが分かったので
ちゃんと話し合っておいたことは、よかったと思う。

今ある幸せをまずは大切にしよう、と心底思えたし
同じ気持ちでいられている安心感も、改めて噛みしめることができた。


これを幸せと言わずに、何と言う。



ということで

3か月に一度の通院は、今週の土曜日に予約済。


その時に私は、現時点での可能性について問うてみようか迷って居る。

単純にピルの服用をやめた場合
自然妊娠できる可能性はどれぐらいあるのか

大して願望が強いわけでもないのに、心のどこかで絶望するのも怖くて、今まで聞けなかったけど


その答えを恋人と共有するかどうかは一旦別として
知っておいたほうが良いことも ある気がしてる。

その答えを再び恋人に伝えるのかどうかは後から決めればいいし、今週の通院が終われば 特段自分の身体に異変がない限り 次の通院はまた3か月後。

それを3回繰り返したら、また私は年を取ってしまう。

3か月なんて、1年なんて、あっという間。


だからこそ、きっとあと4年だって あっという間。
もう4年もないもんね、43歳まで。なんてこったい。



私が43歳になる前に、国の規定が変わって43歳以降も不妊治療の保険が適用されるようになったら もしかすると話は変わるかもしれないけど。

でも年を重ねれば重ねるほど、出産も子育てもリスクが大きくなるだろうし、それを考慮して時間もお金もかけて、気力も体力も使って、子供を作るために私は尽力できるだろうか。

タミオ君側にも必要な協力要請を、遂行できるだろうか。


もし私が恋人タミオ君と結婚すれば、法律上 相手の子孫を残すことが許されるのは自分だけになるんだ と思うと、その責任は地味に大きく伸し掛かってくる。

タミオ君にとって、私が大切な存在だと思ってもらえるのは これ以上ない幸せだと思う反面、子孫を残せる可能性の高い相手と結ばれることが タミオ君にとってもタミオ君の家族にとっても幸せなんじゃないだろうか と考える機会も少なくない。


子供ができる・育てることに対する不安と
子供ができない・子孫を残してあげられないことに対する申し訳なさが常時同じぐらい脳裏にこびりついていて

欲しいと決めたら少しでも早く全力で頑張るし
いなくてもいいと決めたら、少しでも二人で幸せに暮らせるように努力するだけ。

後者に関しては 妊活の要否を決められなくてもできることなので、追々その答えが出る時に『それでもやっぱり、この子(私)に傍に居て欲しい』と思ってもらえるなら もしかするとそれは命を授かることよりも有り難いことなのかもしれない、と思う。




世間から向けられる 40歳目前の独身女に対する哀れみの目や、少しでも早く子供を産むために結婚を急かす無責任な他人の発言を聞くたびに

幸せの形は人それぞれなのに
なんで決めつけてかかるんだろうなぁ、と思う。

私が本当はどこかで妊活期限に焦っていることも
恋人の子孫を残せないかもしれないことに罪悪感を覚えていることも
そういう日本の根本的な風潮が全く関係ないとは言えないけど


ひとまず私は、2年前と状況が変わった今
相手のためにも自分のためにも 現在の状態を知っておく必要はあるかな、と思っていて


『地球のみんな!オラに力を!!』


って、気持ちです。

ドラゴンボールは見たことないし
可能性は結局のところ可能性でしかないので
聞けたところで、それをベースに決めるのは自分たちなんだけどもね。


まずは 

地球のみんな、オラに力を。

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