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【こういう時こそ”飛び道具“】プレミアリーグ第14節 レスター・シティ×マンチェスター・シティ|マッチレビュー

▪️ゴール前に大きなバスを置いたレスター

サッカーでは自分たちの守るゴール前に多くの人立たせ、守備を固めることをバスを置くと表現されることがある。

この日のレスターはまさに、自分たちのゴールにバスを置きシティの攻撃を停滞させ、カウンターアタックを伺う戦いを採用した。

レスターがバスを置いたことで、シティはビルドアップでストレスを感じることはなかった。問題はバスを置かれたゴール前をどう攻略するのか?という事と、カウンターをどう抑えていくか?と言う2点がこの日のシティに与えられた大きな問題となった。

試合序盤シティは左SBのカンセロも加えながら、2-3(2CBとアンカーと両SB)の形でビルドアップを試みた。しかしこの日のレスター相手にこの陣形は重すぎる。1トップのヴァーディーしかボールに出てこないのに、5人の選手を欠いてビルドアップする必要が無いのは容易に想像がつくはずだ。

そこでビルドアップに関与していたカンセロは最前線のワイドに入り、左WGのグリーリッシュが中に入り、実質6トップを形成したシティ。これによりレスターの5バックに対して数的優位の状況も作り出すことに。

ビルドアップは2CBでヴァーディーのファーストプレスをいなしながら、アンカーのロドリに加えて右SBのストーンズが中に入って後方を2-2の陣形でボールを動かし、レスターの5-4-1ブロックを攻略する陣形を徐々に整えていったシティ。

しかしいくら攻撃の陣形を整えても、相手ゴール前に強靭な男たちがGKを含めて10人が並べば、たとえペップシティでもそれを攻略するのは容易ではない。

ペナルティエリア内にスペースがないのであればと、デ・ブライネがやや下がってボールを引き受けて、持ち前の高速クロスで好機を見出そうとトライする。右のハーフスペース、または右の幅をとるベルナルドの後方に流れてはボールを受けて、バスの置かれたレスターのゴール前へクロスを上げ続ける。しかしそのクロスは何度も跳ね返され続ける。

この日トップに入ったのは地上戦を得意とするアルバレス。ハーランドは怪我の影響で出場を外れた。地上戦のスペースを奪われたアルバレスは終始窮屈そうなプレーを見せた。チームとしてもデ・ブライネのクロスに対して高さを補おうとアンカーのロドリが駆け上がりヘディングをする工夫も見せたが決定打とはならなかった。

試合と共に工夫は見せたシティだが、やっぱりゴール間に置かれたバスを攻略するのは難しい。そういう状況を打破する為のハーランド!ではあるが、その飛び道具もこの試合は不在。いや、ペップシティにはもう一つの飛び道具があるのを忘れてないだろうか?あの男の右足が火を吹き、大きなバスをぶち破りシティが先制ゴールを奪った。

▪️僅かな隙を見逃さなかったシティ

前半スコアは動かずにロッカールームへ帰った両チーム。後半に入るとレスターが中盤のデューズバリー=ホールに代えてナンパリス・メンディを投入。次節もデューズバリー=ホールは試合に出ていたので怪我の影響というより戦術的な変更だっとのか?と色々憶測は飛ぶが、投入されたメンディが上手くゲームに入れなかった。

そしてそのメンディが47分グリーリッシュのドリブルを引っ掛けてゴール前のFKを献上。この与えられたチャンスにシティのもう一つの飛び道具、デ・ブライネが右足を振り抜き、スーパーFKで先制ゴールを奪った。

シティが先制点を奪った事で、レスターの置かれたバスはより前に出てくると思いきや、自分のゴール前に留まり続けた。

そうなればシティはリードを奪ったので無理にゴールへ迫る必要もなくなりゆったりとボールを動かして時計の針を進めていった。しかしレスターはリードを許してもバスを留め続ける理由が試合終盤わかることになった。

▪︎勝負は残り20分

70分レスターが勝負に出る。DFのソユンジュに代えてFWのダカを。ヴァーディーに代えてイヘアナチョを投入し、システムも5-4-1から後ろの枚数を一枚減らし4-2-3-1になりより攻撃的な陣形となった。

この変更によりレスターがボールを持つ時間を増やしていき、シュートまで持っていく回数も増やしていった。投入されたダカとイヘアナチョの速さとキープ力でタメを作り厚みのある攻撃から好機を演出していった。

ロジャース監督の思惑はこの時間帯までスコアレスでいき、このシステム変更から勝点3を奪うプランだったのかもしれない。しかし結果はデ・ブライネが奪った虎の子一点を守り抜きシティが勝点3を持ち帰った。


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