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【開かれたカタールの扉】カタールW杯アジア最終予選代9節 オーストラリア×日本


カタールW杯最終予選の幕開けは波乱だった。そこから多くの批判も受けながら、森保Japanは紆余曲折を経て、確かな力と結果積み上げていった。

そして4節から、今回のオーストラリア戦を含めて怒涛の6連勝で、7大会連続7回目のW杯出場権を獲得してみせた。

それではW杯出場権を獲得した今節、宿敵オーストラリアとの熱戦を簡単ではありますが振り返っていきましょう!

前回対戦の振り返り!思い出せばここから森保Japanの新たな形4-3-3が爆誕したんでしたね!


日本保持vsオーストラリア非保持

日本は置かれたオーストラリアの勝ち点差や大雨が降るピッチコンディションも踏まえながら、リスクに最大限の配慮を持ちながら、ボールを前進していった。

GK権田からシンプルに前線への長いボールが蹴り込まれるシーンも。

ボールを前進して攻撃に繋げる!という事と、自分たちのゴールからできるだけ遠ざける!という緊張感とリスクの管理をしっかり踏まえながら、日本代表はボールを保持した際の振る舞いを決めたいった。

オーストラリアのボール非保持

オーストラリアは日本にボールを保持されると、4-4-2のブロックをやや中盤下り目に形成して、ボールを奪ってショートカウンターを狙っていた。

2トップは中央をしっかりしめながらボールを外へ誘導。

そして1番特徴的だったのが、中盤4人の並び。やや日本の右サイド。オーストラリアの左サイドに中盤4人の選手が“寄り気味”になっていた事だ。

これは日本のストロングポイントの伊東の突破力を消す為。そしてもう一つが日本代表の左サイド。オーストラリアが右サイドからカウンターを狙う為だった。

しかし一方のサイドに寄ってしまえば当然逆サイドにはスペースが生まれるが、オーストラリアはそこも想定済み。

日本の左サイドが開いてるよ!という状況を作り出し、ボールを左へ誘導。2トップも左へ誘導する様にプレス。

CFデュークは日本の右CB板倉にボールが入らないように捕まえて、左CB吉田にボールが入るように誘導。左CB吉田にボールが入ると、どんどん日本の左サイドへボールを誘導する様にオーストラリアがスライドしていく。

右CB板倉を捕まえていたCFデュークは日本の左にボールが誘導されると、今度はやや下がって中盤のパスコースを限定。日本の左サイドに蓋をしていったオーストラリア。

左サイドにボールを誘導して、そこからショートカウンター。もしくは攻め上がった左SB長友の背後を使ったロングカウンターを狙ったオーストラリア。

しかし、この戦術は大いに日本代表を苦しめた!とまでは行かなかった。

日本がしっかりオーストラリアの出方を観察して解剖していった。

このW杯出場が決まる大一番で、日本の選手たちは非常に落ち着きを持ちながら、自分たちのやるべき事を実行していった。

波乱続きの今回のW杯最終予選。そんな逆境の中、チームは確実に成長していることを証明していった。

日本代表の各々の特徴を活かしたプレス回避

日本はオーストラリアの”左サイド寄り気味4-4-2“ブロックに対して、サイドを起点に前進していった。

この時左右で、各々、オーストラリアの攻略法が違って面白かった。

左右で関わる選手たちの特徴は当然違う。そんな事をしっかり踏まえながら、一人一人のストロングを活かしながら、立ち位置を微調整し、オーストラリアのプレスを回避していった。

-左サイド-
ボールを誘導された日本の左サイド。左CB吉田がボールを持つとIHの選手が斜めに落ちてボールを引き出すが、これにオーストラリアの右SHボイルが前に出て対応。

しかし、日本は更なるアクションを起こしてオーストラリアを混乱させた。

IHの斜め落ちに合わせて、左WGの南野が中に入ってハーフスペースでボールを受けるアクションをとる。

このアクションによってオーストラリアの右SBが釣り出されて、オーストラリアの右サイド深くに大きなスペースが生まれる。

そこに吉田のロングフィード→長友の駆け上がりから日本は決定機を演出した。

またそのスペースにトップの浅野もサイドへ流れて、オーストラリアの右背後をとるシーンも。

南野が絞ってハーフスペースに立つ事で、日本の左サイドは活性化していった。

-右サイド-
警戒レベルが最大限まで引き上げられた伊東の右サイド。それでも日本の疾風は止まらなかった。

右サイドはトライアングルを旋回させながらボールを動かしていった。

右WGの伊東は、左WGの南野同様に絞ってボールを引き受ける。南野よりもより高い位置へ。相手のライン間(最終ラインと中盤の間)で立ち位置とる。

それに合わせてIHがサイドに流れて、SB山根を含めたトラインアングルを旋回させていく。

SB山根は序盤こそリスクを考えて攻め上がるシーンは少なかったが、試合経過共に立ち位置を上げてらしさを発揮。

そして待望の先制ゴールもSB山根の攻め上がりが起点に生まれた。


オーストラリア保持vs日本非保持

オーストラリアはボールを保持すると、前線のフルスティッチが列を降りてボールを引き受ける。

日本のアンカー遠藤の脇に降りてボールを受け取るプレーを意識的に行う。これにより、

落ちるフルスティッチに誰がマークにつくのか?CBがどこまでついてくのか?

という具合に日本の守備の基準点がズレて、フルスティッチがフリーになるシーンも。

試合序盤、列を降りてフリーとなった彼から、中盤への斜めのパスでオーストラリアが一気にスピードを上げるシーンはヒヤッとさせられた。

不安定なCHを狙い目

列を降りるフルスティッチに対しては、中盤のスライドと、CB吉田が前に出てケアしていき、少しづつ彼の存在を消していった。

そしてオーストラリアのボール保持局面で日本が1番狙っていたのが、不安定なCHコンビの所だった。

コンディション不良や怪我が重なり、代表キャップが少ない2人がCHコンビを組むこととなったオーストラリアに対して、そこへの圧力を強めていった日本。

その狙いが見事にマッチし、オーストラリア陣内で前向きでボールを奪いショーツカウンターを炸裂させるシーンも。


じっくりゆっくり

前半スコアレスで折り返した両チーム。日本はハーフタイムを境に、よりゆっくりじっくりボールを動かしていった。

前半はビルドアップ局面で、前向きになるシーズンが作れると一気にスピードアップ。そこからサイドをえぐって決定機を演出したが、それと同時にカウンターを受けるリスクも。

そこで後半は、オーストラリアとの勝ち点差も考えてから、よりじっくりゆっくりボールを動かしながら、全体のラインを押し上げていった。

全体のラインが押しあがった事で、オーストラリアの守備ブロックも分厚くなるデメリットもあるが、ボールを失った際のトランジションが決まりやすく、攻撃が単調に終わる回数が減っていった。

そして、じっくりゆっくり攻め込む事で、SBが上がる時間も生まれ、より分厚い、連動した攻撃が色とりどり炸裂していった。

1点目の崩しは前述した通り、まさしく複数の人が絡みながら、フロンターレ軍団がオーストラリアのブロックを破壊していった。


予定通りのゲームプラン!?


オーストラリアが予定通り試合終盤になるほど運動量が落ちていった。そこにジョーカーミトマが投入され、日本がトドメを刺した。

吉田キャプテンのコメントにあるように、オーストラリアの運動量が落ちることは想定済みで、しっかりそこに漬け込むプランも用意していたようだ。

森保監督の采配はバッチし決まり。ジョーカーミトマが出場から僅か数分で2点を奪いヒーローとなった。


ありがとう森保Japan

最後に本当にありがとうという気持ちをここに記したい。日本人をW杯の舞台に連れていってくれて本当にありがとうございます!

7大会連続7回目の出場は本当に誇らしい。

色んな批判を浴びながら、紆余曲折を経て辿り着いたカタールの切符。

その歩みは確かな力となり、W杯カップの本戦で大きな力になるはずで。


4年に1度のガチンコ勝負!この大会でしか見れない国の誇りをかけた本気の勝負!

W杯が本当に楽しみ!!

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