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【いざ、2季ぶりの決勝へ。】マンチェスター・シティ×レアル・マドリード|22/23 CL 準決勝 2nd leg |マッチレビュー

“20秒サマリー”
22/23 CL 準決勝 1st leg を1-1で痛み分けたマンチェスター・シティとレアル・マドリード。2nd legはホームのシティが試合開始から攻守で欧州王者を圧倒。前半45分の試合運びはまさに圧巻。ペップ・シティらしさ全開で、勇敢にホームの大歓声を後押しに攻め続けたシティ。1st legよりもリスクをかけて、自分達の十八番を存分に披露して得点を重ね終わってみれば4-0の大勝でシティがインテルの待つ決勝の地、イスタンブールのチケットを手にした。

それでは簡単ではありますが試合を振り返っていきたいと思います!

▪️らしさ全面。圧巻の45分。

ホームチーム、マンチェスター・シティが欧州王者のレアル・マドリード相手に圧巻の前半45分を披露した。これぞペップ・シティというらしさ全開で攻守で主導権を握り続けた。

シティがボールを握り、マドリーがロングカウンターを狙う構図が試合開始から出来上がった。

▽シティのビルドアップ

マドリーはロングカウンターではなく、出来ればショートカウンター。もう少しラインの設定は高くしたかったはずだが、シティによって自陣に引き込まなければいけない状況を作られていった。

マドリーは[4-2-3-1]を形成してシティの攻撃を待ち受けた。これに対するシティのビルドアップはベースの[4-3-3]から右CBストーンズが一列中盤に上がってロドリと中盤並びに。ストーンズの偽CB化によりシティの後方は3バック+2CHの[3-2]に。この陣形がマドリーのプレッシングを何度も何度も空転させていった。

マドリーの[4-2-3-1]ブロックに対する、シティの[3-2]ビルドアップ。

シティのビルドアップ隊は[3-2]の5人。マドリーのファーストプレス隊は4人という事で、シティは1人の数的優位を持ちながらボールを動かせる構造に。ここの数的優位を活かしてシティは楽々とマドリーのプレスをいなし敵陣に前進していった。

後方の数的優位をいかしたシティの前進。

しかしあるエリアが数的優位ということはあるエリアが数的不利になるのがフットボール。シティがマドリーのファーストプレス隊を剥がした先は、マドリーが数的有利ということもあり、シティの攻撃が一気にマドリーのゴールへ向かうことはなかった。しかしシティのフィニッシュワークはマドリーを押し下げてからが始まりだった。

▽シティのフィニッシュ

シティはマドリー陣内にボールを前進すると、ワイドのWGグリーリッシュとベルナルドへボールを供給。マドリーが4バックということでその大外で待つWGは比較的フリーになりやすいこともありサイドを起点にマドリーのゴールへ迫っていったシティ。

そして相手が4バック。サイドからの攻撃となれば炸裂するのがペップ・シティの十八番『ニアゾーンアタック』『ポケット追撃』だ。1st legではリスクも考えて封印していたペップ・シティの十八番を存分にお披露目していった。

右WGのベルナルドにボールが入ると単騎で対面するカマヴィンガを剥がすのはもちろん、ゆっくりボールをキープしてマドリーの注目を集めると、開いたチャンネル(SBとCBの間のスペース)へデ・ブライネがランニングしポケットへ侵入。そしてシティの先制ゴールもポケット侵入がきっかけで生まれた。

大外からのポケット追撃!ペップ・シティの十八番だね!

右サイド深くで右WGベルナルドがボールを持つと、ポケットへ走り込んできたのが右CBのストーンズ。実にペップ・シティらしい光景。そのアクションにマドリーの中盤が引き付けられ、マドリーの左サイドに僅かな綻びが生まれた。そして最後はサイドからハーフスペースで待つデ・ブライネが横パスを受けると、開いたチャンネルで待ち受けるベルナルドが縦パスを受けて、身体を外に開いてニアポストへシュート。これがGKクルトワの逆を突き、シティが待望の先制ゴール奪って見せた。

▪️ポジションチェンジの代償

試合開始から攻め立てていたシティ。GKクルトワによってハーランドの決定機を2度も阻まれたが、23分シティが待望のゴールを奪った。シティは守備局面でもマドリーを圧倒。

1st legよりも勇敢に。前のめりの姿勢でプレッシングに出た。ハーランドとデ・ブライネが縦関係となり、アンカー.クロースとCBアラバへプレッシングに出た。もう一方のCBミリトンには左WGのグリーリッシュが外切りでプレス。そうなると右SBカルバハルがフリーとなってしまうがそこは左SBのアカンジが縦のスライドをして対応。他のエリアに立つマドリーの選手たちにも明確なマーカーを付けたシティ。ハーフコートマンツーマンでマドリーに守備局面でも圧力をかけ続けた。

圧力を受けたマドリーは長いボールでシティのプレスを回避しようとするも、シティの高い最終ラインに跳ね返されて、セカンドボールも回収できない状況に。

そこで次の試みとしてマドリーはポジションチェンジをする事でシティのプレッシングのズレを作ろうとした。

ここで力を発揮するのが左SBに入ったカマヴィンガだ。中盤を主戦場にするカマヴィンガは内側に入ってプレーするのは当たり前のように上手い。1st leg後半、シティはこのカマヴィンガの内側に入るビルドアップに相当手を焼いた。

しかし今回、2nd legではしっかりそこへの対応もなされ、尚且つそこから2点目が演出された。

36分マドリーがゴールキッキからショートパスを繋いでボールを動かす。マドリーがボールを自陣深く右サイドへ持っていくと、左SBカマヴィンガが内側に入ってボールへ関与。しかしこのアクションに右WGベルナルドが執拗にマークについていきフリーにさせない。ポジションを動かしてシティのプレスのズレを作りたかったマドリーの狙いは失敗に終わり、結局ボールを捨てる形に終わったマドリー。そしてそのボールをハーフラインで跳ね返したシティのショートカウンターがここから発動。

カマヴィンガの移動につられて左サイドにきたベルナルドがセカンドボールを受け取り前向きに。左ワイドのグリーリッシュにボールを届けるとドリブルスタート。ゆっくりなドリブルに合わせて、デ・ブライネとギュンドアンがポケットへランニング。ギュンドアンにパスが通りペナルティエリアでシュート。シュートはブロックされるも跳ね返りをベルナルドがヘディングで押し込み2点目をゲットしたシティ。

ベルナルドはフリーでシュートを打った。なぜか?それは本来彼をマークすべきカマヴィンガが、自チームのビルドアップで自分の持ち場を離れていたからだ。

ポジションチェンジの代償をマドリーが食らう形となり、シティが強烈なプレッシングから点差を開けるゴールを奪った。

▪️スローダウンした後半

前半2点のリードを奪ったシティ。後半に入ると前半見せたアグレッシブさは隠してゲームをスローダウンさせていった。そうなると徐々にマドリーのボール保持局面が見られるようになった。

マドリーはボールを保持するとアンカーのクロースが最終ラインに落ちて両SBを高い位置に上げた。これによりシティのファーストプレス2枚に対して3枚(2CB +アンカークロース)でボールを動かせるように。またSBのカマヴィンガとカルバハルが高い位置に上がることで、シティの4バックの大外でボールを受けられるように。

徐々にボールを動かせるようになったマドリーだがなかなかシュートまで持ち込むことは出来なかった。

シティは前半とは違って後半は自陣にブロックを敷く選択も持つようになった。シティは4-4-2のブロックを形成し、中央ゴール前に強固な要塞を形成し何度もマドリーの攻撃を跳ね返していった。

そしてマドリーからボールを取り合えげるとゆっくりと(いやペップはもっとゆっくり攻めてほしいというジェスチャーをしているように見受けられた)ボールを保持。ここで輝きを放ったのがグリーリッシュだった。

縦パスを受けると相手を背負って自陣で何度もファールを受ける。敵陣深くでボールを受けるとこれまた懐深いドリブルでファールをもらう。彼1人で何分も時計の針をすすめていった。そしてトドメの3点目もグリーリッシュのファール誘発から生まれた。

▪️いざ2年前のリベンジへ。

その後後半ロスタイムに途中交代のフォーデンのアシストで、アルバレスが意図も簡単に4点目を流し込み、シティが4-0で勝利。2シーズンぶりのチャンピオンズリーグ決勝のチケットをゲットし、ホームのファン達と大きな喜びを分かち合った。

最高の雰囲気を作ったファン達も、この歴史的勝利の立役者ですね!!

チャンピオンズリーグのラスボスを倒し、いざ決勝の地イスタンブールへ。決勝の相手はインテル。2シーズン前に勝てなかった舞台。色んな経験を経てその舞台に戻りペップ・シティ。

どんな試合になるのかは分からない。きっとまた難しい試合になる。きっとペップ・シティに試練を与える試合になる。きっとそうだ。しかしどんな試練が来ても彼らが屈することは決してない。何度でも立ち上がり、その度に強くなる。

泣いても笑っても今シーズン残り5試合。全て勝てば文句なしの三冠達成。是非歴史に名を残して欲しい気持ちも強いが、それ以上に、悔いの残らない試合を本当にして欲しい。さぁシーズンはいよいよいよいよクライマックス!

I’ll follow you everywhere
どこまでもついて行きますよ!

頑張れ👍ペップ・シティ!


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