【AOE2:DE】初心者ガイド:戦闘の手引き 基礎知識編【攻略】
この記事では新たにAOE2を買った方に向けて、AOE2の戦闘における基礎知識や考え方を書いていきます。
前回の記事では"集めた資源は軍隊や技術に変換して敵にぶつけなければならない"と書いてきましたが、ただ軍隊を作るのではなく、できるだけ状況に適したものを採用し運用することで、より大きな効果を得られます。
同じ資源量を消費して作った軍隊でも、編成内容や能力によって、仕事量が全く違ってきてしまうのです。
時間をかけて集めた資源は、効率的に使わなければいけません。
時間と言えば、実はAOE2ではどのゲームモードにも時間制限があります。
敵の軍隊や経済が完成するまでに、攻撃したり防御する態勢を整えなければいけません。
軍隊を作るための資源は、自分が確保している陣地の資源から賄います。陣地の資源が尽きるまでに攻撃を決め、相手を滅ぼすか、もしくは新たな経済領域を確保しなければ、負けてしまいます。
もう少し難しい話をすると、文明毎に強い時間(ボーナスが良く活きる時間)があるので、それもまた時間制限と言えます。
このような時間制限がある中で、自分の文明の勝ち筋を追うのがAOE2です。
前回は時間経過を軸に、効率的な資源の集め方や時代進化の話を書きましたが、今回は集めた資源をより効率的に変換するための話となります。
同じ時間でどれだけ盤面を整えるかというのがRTSというゲームであり、時間のみが全プレイヤーに唯一平等に与えられるリソースです。
時間を使って集められた資源は軍隊になり、その内容、または働きこそが、時間の行きつく先なのです。
効率を考えるために、まずは知識を得る必要があります。
■消費資源によるユニットの種類と性質
効率という意味では、アンチユニットのことを書きたかったのですが、その前に資源とユニットの関係を見ていきます。
・金ユニットと安物
AOE2では食糧、木材、金のうち1種類、または2種類を消費してユニットを作りますが、その中でも金は希少資源として価値が高めに設定されています。
マップに配置されている量が限られていて、さらに収集速度が遅いためです。
金を使うユニットは日本では金ユニットと呼ばれており、性能が高めです。
逆に槍兵、散兵、騎兵の金を使わない3種類のユニットは、日本語で安物、英語でトラッシュユニットと呼ばれています。金を使わない分、性能は低めです。
安物は金を使わないために継戦能力に優れています。
安物で金ユニットを倒せれば、相手の経済にダメージを与えることになりますが、ピンポイントの敵にしか有利に動けないのが安物なので、もしその敵が来なければこちらの経済に負荷がかかります。
・ユニットのパワー
安物は特定の属性に対して、アタックボーナスという特効性能を持っています。
これは攻撃から防御を引いた後に加算される、言ってしまえば固定ダメージ扱いなため、高耐久のユニット相手でも適切なアンチユニットをぶつけることで倒しやすくなっています。
有効な相手には強く出れますが、それ以外のユニットには全く勝てません。
金ユニットは、相性の有利不利はあっても、基本性能が高いため仕事をしやすくなっています。
高いパワーを持つユニットは数をそろえることでどんなユニット相手にも勝てるので、単一運用での突破力に優れています。
莫大な資源と引き換えに相手の軍隊をなぎ倒すことができます。
・人口枠という資源
これはちょっと難しい話になりますが、AOE2ではどのユニットも人口枠を1消費しています。人口枠は家などを建てれば増やせますが、ゲームに設定された上限以上には増やせません。
前回、人口上限の6割を町の人に当てると上手く経済が回ると書きましたが、残りの4割で戦わなければならないということでもあります。
同じユニット数でも、安物だけで編成されている軍隊と、金ユニットが沢山いる軍隊では、どちらが強いか考えるまでもありません。
ゲームが終盤になり前線が膠着状態になると、軍人口当たりの金消費量が軍の強さになってきます。
そういう意味で、騎士やバトルエレファント、火薬系ユニットは終盤に運用できると戦いを有利に進めることができます。
安物の弱点はここにも見ることができます。
■ユニットのアンチ関係について
AOE2の軍事はユニットのアンチ関係を前提に成り立っています。
あるユニットがどのユニットに強くて、どのユニットに弱いのかというのを把握することが、まずは大事です。
いくら強いユニットでも、アンチユニットの前にはあっけなく倒れてしまいます。これを利用して低コストユニットで高コストユニットを倒すことができれば、相対的に有利になります。
弓と弓の応酬、騎士と騎士のぶつかりあいだけが戦いではありません。弓は散兵で倒し、騎士を槍兵で処理するのも一つの理想です。
トッププレイヤーのTheViperも、戦闘が終わった際は今の戦闘が良いトレードだったかどうかを気にしています。内政が同じくらいの実力なら、同程度の資源が集まっているはずなので、資源の働きである軍隊の勝負になるのです。
相性補完がとれている強い軍隊を編成するにも、数に頼って物量で押しつぶすにも、またそういった軍隊を切り崩すにも、アンチユニットの把握は大切です。
アンチ関係は大切な要素なので、私たち攻略サイトを書く側の人間も一度は書こうとし、図にまとめるのがよさそうだと考えます。ところがAOE2のアンチ関係は複雑なので、慣れている人でさえも混乱するような図になってしまいます。
というわけで、今回は別の切り口から、AOE2のアンチユニットについてまとめていきます。
AOE2のアンチ関係は、大体2つのタイプに分類されます。
それはボーナスによるアンチと特性によるアンチです。
これを把握することが、それぞれのアンチユニットを覚えるための近道になるかもしれません。
・ボーナスによるアンチ
これは単純です。
ユニットにはそれぞれ、アーマータイプとアタックボーナスというものが設定されています。
アーマータイプとはユニットの属性ともいえるもので、例えば民兵系や槍兵系は歩兵、射手や散兵は弓兵のアーマータイプを持っています。
大体イメージ通りのものが付いていますが、コンキスタドールのようなユニットには、"弓兵、弓騎兵、騎馬、火薬、ユニーク"と大量にタイプを持っています。
そしてそのアーマータイプにボーナスダメージを与えることができるのが、アタックボーナスという能力です。
例えば、槍兵は対騎馬+15というボーナスを持っているので、槍兵の素の攻撃力はたったの3ですが、騎士に対して16ダメージも与えることができるのです。
アーマーレジストとは、被ダメージボーナスを増減させる値で、一部のユニットはアーマークラス+○という形で設定されています。
アーマータイプとアタックボーナスは、それぞれ加算されます。精鋭散兵は対弓+4、対弓騎+2のボーナスを持っていて、弓騎兵は弓、弓騎、騎馬のアーマータイプを持っているので、+6のダメージを余分に受けます。
つまりアーマータイプを多く持っていればいるほど、弱点が増えていくことになります。コンキスタドールのような沢山の要素があるユニットや、象系のような強力なユニットは、よりアンチユニットに弱くなっています。
アーマータイプもアタックボーナスもマスクデータなので、ユニットの詳しい性能を知るには攻略サイトかMODに頼るしかありません。
とにかく"槍兵が騎馬に、散兵が射手にやたら強いのは、アタックボーナスを持っているから"というのが大切です。
攻城兵器が建物に強いのも、火砲学を入れた塔や城が船に強いのも、アタックボーナスに起因します。
これがアンチを用意しようと思ったときに、一番初めに思い浮かべるタイプです。おそらく一般的には、ボーナスで殴るユニットを狭くアンチユニットと呼びます。
・特性によるアンチ
次に考えたいのが、特性によるアンチ関係です。
ユニットはそれぞれ設定された能力によって、特性を持っています。
斥候系は足が速いのが売りですし、射手系はロングレンジから高レートで一方的に攻撃するのが売りです。
こういった分かりやすい特性もあれば、民兵系は弱点がすくなく耐久力が高め、散兵系は近づかれたら攻撃できない、といった特性もあります。
これらを利用してアンチ関係とするのが、特性によるアンチユニットです。
少しわかりづらいと思うので、例をいくつか挙げてみます。
散兵は近づかれたら攻撃できないので、素早く詰めてくる斥候には手も足も出ません。
騎士や騎馬系ユニークに対しては転向ができる聖職者が特性的アンチになっています。
騎士や騎馬系ユニークなどの重騎兵系のユニットは、移動速度が1.3~1.35と騎馬の中では遅く、また抵抗も持っていないために、聖職者の6マス程度の距離から転向を始められると接近して殴る前に転向されてしまいます。
騎馬は機動力が売りの一つなので、騎士は遅く脆い聖職者に対していかにもアンチユニットになっているように見えますが、実際特性的に有利なのは聖職者の方だったりします。
射手ユニットが砲撃兵器に弱いのも、特性によるアンチ関係と言えます。
投石機、スコーピオン、大砲は高い射程で近接攻撃扱いの範囲砲撃をするので、固まって行動する射撃ユニットを効率的に倒せます。
また、破城槌は高い遠距離防御力を持っているため、射撃ユニットでは基本的に倒せません。
少しニッチですが、らくだ騎兵についても考えてみましょう。
一般的に、射程ユニットは機動力ユニットに弱くなっています。機動力ユニットは体力も遠距離防御力も高いユニットが多く、また素早く接近されるために射撃回数が限られるためです。
ところが、らくだ騎兵は石弓射手に強くありません。
らくだ騎兵は遠距離防御力がゼロなので、ある程度の数に一斉射撃をされると簡単に死んでしまう上、素の攻撃力が高くないために倒すのに時間がかかるためです。
少し毛色が違う話をあと2つします。
槍兵、散兵、騎兵、らくだ騎兵は剣士に強くありません。
剣士は機動力以外の能力が比較的高く設定されており、アタックボーナスで殴るようなユニットや低耐久のユニットは対抗することができません。
またより高い機動力を持つユニットは、低機動力のユニットから逃げることによってボーナスによるアンチ関係を無効化することができます。
例えば弓騎兵に対して、散兵は高いボーナスダメージを、投石機は高い攻撃力を持っているのでアンチ関係にあります。
しかし散兵や投石機がいてもそこから逃げて別の経済地点を狙うことができるので、アンチ関係を無視して仕事を果たすことができます。槍兵に至っては、アタックボーナスを持っているはずの槍兵が、弓騎兵による引き撃ちで一方的にやられてしまいます。
このように、ユニットの特性によるアンチ関係というのは、ユニット毎の攻撃力、耐久力、機動力によって二次的に決まっていくので、これと言って知る方法があまりありません。
ただ基本的にはほかの戦略系シミュレーションゲームと同じように、歩兵は弓兵に弱く、弓兵は騎馬兵に弱く、騎馬兵は歩兵に弱いというような三すくみになっている場合がほとんどです。AOE2も戦略シミュレーションなので当然と言えば当然ですが、案外忘れがちかもしれません。
■隠しパラメータ
アタックボーナスやアーマークラスはゲーム中に表示されないマスクデータですが、ほかにも隠しパラメータがあるのでそれぞれざっくり紹介します。
・生産時間
高い性能を持つユニットは生産時間が長く、逆に歩兵のようなユニットは短く設定されています。ユニークユニットは城からしか生産できない反面、生産時間が短く設定されています。
町の人25秒、騎士30秒、弓騎兵34秒で、ここら辺が中程度のラインです。槍散らくだのアンチユニット系はすべて22秒と早めです。
聖職者や大砲は50秒以上と長く、逆に歩兵系UU(ユニークユニット)は10秒程度、騎馬系UUは15秒前後とかなり早くなっています。
技術にも研究時間が設定されていて、時代進化や帝王の軍事技術など高度な技術は時間が長めです。
生産時間が短ければ短いほど、時間当たりの資源消費量は増えています。
・移動速度
移動速度はゲーム中に目に見えやすい要素ですが、騎馬の移動速度は知っておいてもいいかもしれません。
騎士が1.35、らくだが1.4、騎兵が1.5となっているので、騎兵はらくだから逃げられますが、騎士は逃げられません。
もっとも速いユニットはグルジャラのUU、シュリヴァムシャで1.6、象を除いた騎乗ユニットでもっと遅いのはボヤールやコンキスタドール、アランバイの1.3です。
設定的に重騎兵のユニットや速いとバランスが崩壊するユニットは遅く設定されています。
・レートオブファイア
日本語では攻撃レート、ほかのゲームでいうところのDPSです。
1回の攻撃に何秒かかるかという数値で、攻撃性能に関わってきます。
意識すべきなのは、弓懸やエチオピアのボーナスが乗った射手の射撃が速いことと、槍兵と散兵は比較的低レートに設定されているところです。
・射撃ユニット系のパラメータ
射撃ユニットは投射物に関するデータがいくつかあります。近接ユニットには関係ありません。
アタックディレイ
射撃ユニットは移動後に武器を構えるアタックディレイとよばれる時間が設定されています。この値は主に、移動と射撃を交互に繰り返す引き撃ちに影響してきます。
弓騎兵は0.9と長めに設定されていて、砲撃手は0.35、コンキスタドールは0.42で早めです。移動速度が速くディレイが短いコンキスタドールは引き撃ちに向いていることになります。
フレームディレイという新たなユニットに狙いをつける時間も設定されていますが、こちらはあまり気にしなくて大丈夫(なはず)です。
命中率
命中率は"ターゲットに命中する軌道で発射される確率"を示していると言われています。
そのためターゲットに十分近づけば誤差が少なくなって当たりやすくなりますし、外れる軌道であってもターゲットが移動して結果的に当たることもあります。
アランバイが20%と低く、弓騎兵は50%、砲撃手は75%、射手は80%、石弓は85%に設定されています。
弓懸を研究すると100%になるので、弓騎兵を使う際には弓懸が必須です。
弾速
射撃ユニットの投射物にはそれぞれ弾速が設定されています。
AOE2には矢一本一本に当たり判定があるため、速いユニットは矢をたやすく避けられます。
■高さ
丘や崖の効果もゲーム中に説明がありません。
高い位置にいるユニットは低い位置にいるユニットに+25%のダメージを与え、ダメージを25%軽減します。
これは建物にも適用され、1マスでも高くなっていればその高さになります。
非常に大きい効果なので、常に丘上を取ることを意識するのが基本です。
■テクノロジー
AOE2には250以上のテクノロジーがあり、他のAOEシリーズに比べて技術の恩恵が高く設定されています。
軍を運用する以上テクノロジーを研究すべきですが、全部研究していてはとても間に合いません。その時必要なもの、また必要になりそうなもののみを研究すべきです。
逆に言うと兵種が少なければ少ないほど研究する技術も少なくて済みます。
基本的にどのユニットでもアップグレートは真っ先するべきなので、省略します。
・歩兵
研究を選ぶ必要があるタイミングで歩兵を使うことはあまりありませんが、もしメインに使うなら鎧系を優先します。
補給は剣士にしか乗らないので、UUを使うなら必要ありません。
・射手
射手で優先すべきは矢羽根系と弾道学です。この二つは射手隊の攻撃力を大幅に増加させるので、真っ先に目指します。
弓懸は強力ですがコストも高いので、城主経済が安定したあたりで研究します。
帝王では化学でも攻撃力が+1されるので、忘れずに研究しておきましょう。
・騎馬
騎馬系ユニットはまず死なないようにするのが大切なので、鎧系と血統を優先し、その後繁殖が大事になります。
・弓騎兵
弓系と鉄工所以外の騎馬系テクノロジーが両方乗ります。
弓騎兵はテクノロジーが揃わないと弱いため、全部の研究が必要です。また、適正文明でも城主ではあまり使いません。
数を貯めないと非力なので、耐えたり逃げたりするための血統と繁殖も大切です。
・砲撃兵器
ユニットのアップグレードコストが高いので、まずはそれを優先します。
包囲攻撃技術(攻囲技術者)を研究すると建物を割る速度が段違いになるので忘れずに研究しましょう。
・聖職者
聖職者をメインに使うなら、神聖と篤信は早い段階で必要です。
贖いを研究すると、敵の投石機や大砲を奪うことができるので、軍隊の防衛力が格段に増します。
帝王の技術は基本的にどの技術も強いので、お財布と相談しながら研究しましょう。
転向に対する技術である信仰と異端は、聖職者を使われているときに威力を発揮します。
・建物系
迎撃用窓はコストの割に限定的なので、基本的には研究しなくて大丈夫です。火砲学や矢狭は船を相手にするときは使いましょう。
砲台にも矢羽根系と弾道学が乗ります。射手を使っていないときは忘れがちです。
自分が攻められているときには石工技術や城塞強化を研究すると長時間耐えられます。逆に攻められていないときは研究する必要はありません。
・おまけ 経済
機織りは遅らせたほうが効率はいいのですが、そのままでは敵の斥候や狼に殴られただけでやられてしまうので、暗黒のうちに入れます。
あとはとにかく木材系は最優先で、手押し車荷車は経済がほどほどに育ってきたら入れます。
■最後に
今回は軍事にまつわる基礎知識、考え方を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
AOE2はゲーム上で説明される要素があまりにも少なすぎるゲームですが、複雑なものでは少ないので、一度聞いてしまえば大丈夫だと思います。
途中で紹介したMODは私が作成したEnhanced Japanese TextというMODで、ユニットやテクノロジーの説明文を書き換えます。
もしMODを入れずアタックボーナス等をみるのであれば、海外Wikiがおすすめです。英語ですが見やすく整頓され、情報の更新速度が速いうえに量も充実しています。
次回は編成について書いていきます。よろしければまたお読みください。
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