見出し画像

日本の伝統工芸×万年筆の魅力を地方から世界へ【大分県豊後高田市のまち自慢】

数々の映画のロケ地として有名になった昭和の町がある、大分県豊後高田(ぶんごたかだ)市。
そんな豊後高田市に外国人社員比率約80%、海外市場からの売上約85%というグローバル企業があるのをご存知でしょうか?

今回は、株式会社ワンチャーの代表取締役、岡垣太造さんにお話を伺いました!


【なぜ万年筆を海外に販売するのか?】

株式会社ワンチャーは、伝統工芸を施した万年筆や時計をインターネットを通じて販売している会社です。実はその売上の約85%は海外からのお客様になります。

代表の岡垣社長は元々、農業分野の研究者として、砂漠地帯での緑地化や日本での実験農場の発展を目指した事業を行っていました。
しかし、事業は失敗してしまいます。

これを機にインターネットを通じてパソコンや日本の商品を販売したところ、海外では非常に高価な価格で売れることに気づいたそうです。

岡垣さん:
「当時はまだインターネットを使った販売はどこでも行われていなかったです。それでも需要のあるマーケットにほしいと思われるものを出せば、インターネットを通じた販路でも売れることがわかったんです。」

さらに調査を行っていくとアメリカやヨーロッパ、中国の市場で、日本の万年筆に需要があることがわかります。
早速販売を行うと、どんどんと売れていきます。
しかし長くは続かず、どの国でもすぐに競合が現れ、売上が落ち込んでしまいました。

岡垣さん:
「そこで、自分たちオリジナルのプロダクトを作ることにしたんです。」

顧客データや販売方法、マーケットリサーチの方法をもっていたことで、自分たちで製品を作ればいいという案が出てきました。

では、伝統工芸を掛け合わせた万年筆はどのように生まれたのでしょうか?

岡垣さん:
「実は母が伝統工芸の作家だったんです。後継者がいない中で、どうにか文化を伝承していくにはどうしたらいいかを考えた結果、万年筆や時計に伝統工芸の技術を活かすことでした。

こうした伝統工芸の技術を施した万年筆を価値ある価格で販売することで、その売上を作家さんに還元することができます

こうした背景から伝統工芸を施す万年筆を販売することになったそうです。


【外国人スタッフの活躍】

こうした万年筆販売の市場を支えているのは、多くの外国人スタッフです。

岡垣さん:
「立命館アジア太平洋大学や大分大学の留学生がインターンやアルバイト、社員として働いてくれることで、海外へのマーケットを展開できています。」

また販売だけでなく、万年筆に施すデザインや色合いもどんなものが海外へのニーズがあるのかを研究し考案しているそうです。

岡垣さん
「豊後高田市を拠点にしたのも、アクセスや立地という面もありますが、立命館アジア太平洋大学の学生さんが近くにいるということも大きな理由です。」

岡垣さん:
「価値をどうやって見つけ出すか、お客様がほしいと思っていう価値ってなんだろう、これを常に考えて製品を作っています。」
こうした質の高い商品作りが、ワンチャーの万年筆が人気の秘訣です。

【今後の展望】

これからは海外を拠点に、海外から海外へ製品を移動し、販売できるルートを作れないか考えています。
より多くの方に私たちの製品を使ってもらいたいです

=====
日本の伝統工芸の技術を守りつつ、海外市場のニーズを獲得し、外国人スタッフの雇用も実現する。
そんなグローバル企業ワンチャーの、さらなる活躍に期待しています!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?