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「権利」の根拠とは何か(D・ヒュームの場合)

今日われわれの社会においては、さまざまな「権利」の主張がなされる。
しかし権利というものは、他人に対して作為・不作為を要求するものであるから、その性質上、むやみやたらと認めることもできないはずである。
――では認められるべき「権利」の正当な基準とは、いったいどこにあるのだろうか?

D・ヒューム(1711-76)は「権利」の根拠を―これから述べるように―<人間の論理>(人間本性)から生じる社会的で自明的な慣習(convention)に基礎づけようとした。
すなわちヒュームは、<人間の論理>が人間共通であるがゆえに、一定の自明性(慣習)がそれぞれの社会に実践的に生じるのであり、その自明性の遵守を相手に要求するということこそ、権利というものの実体的本質(根拠)だと言うのである。

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ヒュームとルソーのconvention概念について―反・社会契約論(1)