『コロンブス』と乾いたココロの私の話。

Mrs. GREEN APPLEが最近発表した曲『コロンブス』。
まず、勘違いがないように言いたい。
私はこの『コロンブス』という「曲」が好きだ。
他意は一切無い、この曲と歌詞だけが純粋に好きだ。

分かっている人達からすれば想像のうちだったのかもしれないけど、恥ずかしながら分からない側の人間だった私は発表直後の大騒動に随分戸惑った。
だけど、話を知って少し分かっている人達の方に近づいたら「確かに…」という気持ちになった。
だけどそれは、全てMVでの表現の話である。


今日、私が話したいのはこの曲の歌詞の話。
考察なんて頭を使ったことは苦手なので、『コロンブス』の歌詞に自分を照らし合わせて思うことを書いてみたいと思う。
なので、妄想と考えすぎでトンチンカンなことを書くかもしれないがその辺りはお許しいただきたい。


私がこの曲で特に好きなのがサビの歌詞である。
1番ではこのような歌詞だ。

乾いたココロに注がれる様なちょっとした奇跡にクローズアップ

この歌詞を聞いた時に、私は自分の普段の生活に思いを馳せた。
心が乾いている時、それは満たされない気持ちを抱えている時だと解釈する。
不安とか寂しさとか物足りなさとか、そんなネガティブさで心が乾ききっている時。

そんな時、ふとした奇跡に「あっ」と思ったりするものである。
その奇跡は他の人から見たらめちゃくちゃしょうもないし、なんの意味もないようなことだったりする。
例えば、買い物したお会計が777円で揃うとか。
その程度でもなんだか、思いがけないようなポジティブさに出会った時に一瞬心が潤うような気がする。
そんなことを思い出した。



2番ではこのような歌詞。

乾いたココロをしゃんとさせる様なちょっとした美学にクローズアップ

私は「美学」を「その人の持つ信念」とかに変換する。
時々、とても魅力のある考えを持つ人というのがいる。
その人にとっては当たり前のことをしているだけかもしれないけれど、私にとっては想像出来ないようなことで。
そういう人を見て触れた時、私はハッとさせられる。

つい最近もそうだ。
TPさん曰く、最近ダイエットをしていたらしいランジャタイの国ちゃんに対してそう思った。
おふざけ1本で生きていると思った人が、ちゃんと自分が何をやるかを考えてそのためにそれに合わせて努力していた。
正直、このことを知った時に私の心が潤う感覚があった。
「私もやるべき事をやらねばならない」と思ったのは、心がしゃんとしたからなのでないか。
(実際ダイエットは直近のイベントのためだったかは明かしていないようなので、追記しておく。)


最後のサビではこのような歌詞になる。

乾いたココロに注がれる様なちょっとした遊びにクローズアップ

この「遊び」は「面白い仕掛け」や「粋な演出」のことだと解釈した。
私はこれを聞いて、具体例にディズニーランドの隠れミッキーが浮かんだ。
様々なところにあって、大人も子供も見つけると笑顔になってしまうような。
別にディズニーという特別な場所でなくとも、気づいたらニヤリとしてしまうような広告なども私は「遊び」だと思う。

そんな仕掛けや演出に気づいて、笑えた時に心に喜びが注がれるような感覚がする。


もう1ヶ所好きな部分が、最後のサビ前。
Cメロと言われるところの歌詞である。

あなたとの相違は
私であるための呪いで
卑屈は絶えないが
そんな自分を本当は嫌えない

ドキッとした。
こんなに綺麗に人の微妙な気持ちを捉える歌詞は世の中にどれだけあるだろうか。
あまりにも私が普段抱えるものをしっかり言葉にされたような気がして、初めて歌詞を見ながらこの曲を聴いた時に泣いてしまった。

キャリアを積んで上手くやれている周りの人達や世界で活躍する同年代や年下の人達と自分を比べて、苦しまなかった日はここ数年無い。
「輝いている周りと何もなすことなく日々が過ぎていく私」という相違は本当に苦しく辛く、自分を卑屈にさせて生きている意味さえ分からなくなりかけたことも多い。


しかし、そのような相違があるから私は私として。
他の誰でもない人間として今の世の中に存在しているのもまた事実なのである。
誇れない劣った部分ではあるが、それがあるから私であるということを「呪い」と表現する大森元貴さんの凄さは言葉にできない。
そのように考えると、私は自分のことが好きでは無いが本当に嫌うことは多分できないのだ。


こんなふうに『コロンブス』という楽曲は弾ける明るい曲調の中に、人の心の機敏をものすごく細かく書いている。
常に乾いている私の心に潤いをくれたこの曲が生まれたことを間違いだったと思いたくない。
このまま、光の当たるところで歌われることなく消えていって欲しくないというのが心からの本音である。(了)

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