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雑記『エンネアデス』Ⅴ-1 「三つの原理的なものについて(ΠΕΡΙ ΤΩΝ ΤΡΙΩΝ ΑΡΧΙΚΩΝ ΥΠΟΣΤΑΣΕΩΝ)」についての所感
今期ゼミで扱った『エンネアデス』Ⅴ1「三つの原理的なものについて」は、①キリスト教の三一論との近似性、②豊富な比喩的表現、③魂の知的能力に沿った、プラトニズム特有の認識論という三つの大きなテーマがあり、哲学上深い意義を持った著作というだけではなく、読み物としての文体上の魅力的も備えている。 一者、知性、魂という三原理が、それぞれ独立した原理として立てられているのではなく、知性、魂はそれぞれ一者から生じ来ったものとしてあり、三つは全てその根元を同じくしている。この構造は、若