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■大納言と粒餡🫘

・大納言小豆とは、
和菓子には欠かせない「あんこ」の原料である小豆、その中でも特に大きい品種が『大納言』で、兵庫県や京都府で採れる『丹波大納言』は品質も良く希少な豆の銘柄として知られています。
しかし、普通の小豆が1000円/kg前後に対し、産地にもよるが『大納言』だと2000円/kg以上と非常にお高い…

あずきの中で特に大粒な特定の品種群は、「大納言」と呼ばれ、普通のあずき品種とは区別されています。その名前の由来は、この品種群のあずきは、大粒なだけではなく、煮たときに皮が破れにくい特徴を持ち、いわゆる「腹切れ」が生じにくいことから、切腹の習慣がない公卿の官位である「大納言」と名付けられたと言われています。なお、円筒あるいは俵のような豆の形が大納言が被った烏帽子に似ているためという説もあります。
大納言の栽培面積が一番多いのは北海道ですが、兵庫県、京都府で栽培されている「丹波大納言」は種皮が赤く、大粒で俵型をしており、江戸時代から知られていました。大納言は大粒で、煮くずれしにくいことなどから、甘納豆、鹿の子(かのこ)など豆粒の形状を保った豆製品の原料として用いられます。

公益財団法人日本豆類協会 HPより


炊いた大納言小豆

・粒餡を美味しく炊くには
できるだけ皮を割らない様に均一にふっくらと炊かなければならない。大納言小豆は炊く前に一晩水に浸けてしっかりと膨潤させる。そうして一晩寝かせることで豆が均一に炊きあがる。しかし、普通の小豆だと浸けたり炊いてる時に皮が破けてしまう事もよくある。豆が割れないという事は、その分豆の香りが外に逃げないので、必要最少限の時間できちんと柔らかくなるまで豆を炊く事を心掛けている。

・和菓子は生き物です
 原料である小豆も収穫した年や、加工する季    節によって、豆の硬さや、色、艶、味も変わります。だからその都度、その豆の状態に合った炊き方をしなければなりません。レシピに基本的な事は書くけれど、実際はその時の豆の状態を見ながら火加減や時間を微調整する。
目や鼻や手触りなどで素材を感じながら仕事をするのですが、その辺りの事はまた別の機会に触れたいです。

大納言水羊羹

大納言小豆を使った粒餡の水羊羹。
特に粒餡は豆をダイレクトに味わうので、見た目の豆の大きさも大事です。また食感も大粒の方が食べごたえがあります、口にした時はゴロゴロと粒がしっかり感じられるが、噛んだときには柔らかく、硬さを感じずに、皮も残らない様に仕上げるのが難しいところです。


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