「オーラの泉」を観て、占い師やカウンセラーに求められる資質を考える
おはよう。スピリチュアルネイティブのタケルです。
最近、占いの勉強を兼ねて、ネットでいろんな占い師の鑑定風景をチェックしている。
その中で、ちょっと思うところがあったので書いてみます。
相占いの典型イメージを広げた「オーラの泉」
平成の頃、「オーラの泉」っていう番組があった。昭和世代なら知ってるかもしれない。三輪さんと江原さんが、ゲストを占ったりアドバイスしたりする構成で、「スピリチュアル」をお茶の間に広めるきっかけとなった番組でもある。
誕生日などで占う命式占いだと、細木数子さんの番組が思い当たるが(星ひとみさんとかゲッターズ飯田さんとか)、オーラの泉は命式ではなく「オーラ」という相占いであり、またスピリチュアル霊視をもとに占うのが、当時では斬新な番組だったように思う。
この番組がたまたまyoutubeで流れてきたので、何気に見てみた。ゲストは俳優の山本耕史さんで、まだ29歳の若い美青年って感じ。今よりもっと真面目で実直で、今と変わらずお芝居が大好き。
その若い熱血ぶりをみて、三輪さんが「だけど才能を活かすだけの場も箱もどんどんなくなっていって、フラストレーションがあるのよね」と共感を示し、そこに大きく頷く姿から、彼が自分の才能を持て余している様子、それを現場で発揮して、かなりのストイックぶりを発露させている様子が、とても伝わってきた。
占う側が、クライエントに勝てていない
番組の流れで、江原さんが彼を霊視するシーンが出てくる。江原さんはオーラのカラーから、彼の人となりを分析し、さらに過去生にも言及。これについては、霊能系の占いそのままのフォーマットで、いわばテレビ用のエンタメって感じの風景だ。どちらかというと、当てもの占いに近い。
つまり、何かしら相手のことを霊視して、当てて見せて、こちらのペースに巻き込んで、どんどん話を続けていく感じのフォーマット。
そして、タレントも立場や役割をわかってて、ある程度そこに乗ってみせる。「そうなんです」「なんでわかるんですか」と驚いて見せて、番組を成立させていく。
ところが、山本さんはいわゆる「タレントらしい」リアクションはしなかった。というか彼は、自分なりに真剣に取り組んでいる「人生の問い」について、何かしらヒントになるものがあるのだろうか?と純粋に考えてその場にいる様子がとてもよく伝わった。
つまり、圧倒的に自分軸なのだ。自分の人生に役にたつ部分とそうではない部分をしっかり聞き分け、「自分が本当に知りたいのはこういうことだ」と、年配者然として佇む三輪・江原コンビに流されずに、切実に、真剣に問いかけていく姿に、静かに胸打たれるものがあった。
占う側も、それなりにアドバイスをしたり、過去生でこうだからこうだよ、と指摘して見せたりするのだが、山本さんの側が、そういった話を「エンタメ化」させないのだ。あくまで彼は自分と向き合い続ける上でのヒントが欲しいのであって、「エンタメ的占い」が欲しいわけでも、年上の先輩からの嗜めるような助言や説教が欲しいわけでもない。
番組を普通にみていれば、その様子はまるで、血気盛んな若者を厳しく、優しく導こうとする年配者たちと、そのありがたいアドバイスをなかなか素直に聞き入れない若者、みたいに映る。
けれど実際は、山本さんの自分と向き合う力や熱量に、占う側の「自分と向き合う力や熱量」が、まったく勝てていないのがすごくよく伝わってくる。
もちろん三輪さん・江原さんは番組に求められていることを仕事としてやっているわけで、彼らを悪く言いたいのではない。ただ、明らかに山本さんの真剣さ、純粋さを、占う側(三輪さん・江原さん)の熱量が超えられていなくて、結果年配者として、自分の立場を守るための説教に回ってしまっているのが、みていて、ちょっとこれは痛々しいなあ、と感じてしまったんだ。
ただ山本さんは最後まで自分らしさと、番組に求められている役割のスレスレの部分を絶妙に守りながら、ゲストとして振る舞っているのが、もうみていてヒリヒリした。自分の真剣度をエンタメ化されるのは、タレントの宿命なのかもしれないけど、実際は悔しかったんじゃないかなあ、と勝手に感情移入してしまったよ。しらんけども。
エンタメ的な占いと、カウンセリング的な占い
まあ色々書いたけど、占いをエンタメ化させすぎると、それはどこまでいっても見せ物なんだな、とつくづく思った。まあ、占いは実際、サービス業だものね。
それでいて、あの番組にしかるべきカウンセリング要素を加えてしまったら、ゲストのプライバシーがさらされすぎて、もはや番組として成立できなくなるんだろうしね。
ただ自分の勉強として感じたのは、占いもカウンセリングも、クライエントとの命懸けの真剣勝負なんだよね、と思った。だから占い師やカウンセラーの側に求められる資質として、誰よりも深く自分と向き合い続ける力、ってのはマストなんだろう。
占い師側・カウンセラー側の覚悟が見えないと、クライエントは無意識にもガッカリするんだろうな。映画「グッドウィルハンティング」にもそんなシーンがあったっけ。
余談だけど、司会の国分太一さんのクッション役としての立ち回りがあんまり鮮やかで、これはこれで胸打たれるものがあった笑。嫌味なく三輪さんと江原さんをいじって、お茶の間との橋渡しをしていて、かつゲストへのリアクションも適切で。タレントってすごいなーと思ったよ。
読んでくれて、ありがとう^^