先日,ある先生の記念講演に参加致しました.その先生はロボット工学の大変著名な研究者です.ご講演の中で,とくに感銘を受けた箇所がありました.先生がまだ学部学生でいらっしゃった頃,その当時の(おそらく戦争体験のある)御年輩の教員に対し,次のような質問が出たとのことです.(一部記憶があいまいなところがあり,正確ではありません) 「先生,私たちの学科はかつて軍事の研究していましたが,私たちもまたいつかそのような研究をすることがるのでしょうか?」 そうすると,御年輩の先生は次のよう
先日,私の母校の寮において宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の読書会を行いました.ここでは非常に興味深かった学生さんとの議論のうちの,一部を記載しておこうと思います. 読書会のレジュメと私の感想は下記のリンクに公開されております. 私が印象深かったのは,ジョバンニの言った下記のセリフについての意見でした. 「天上へなんか行かなくたっていいじゃないか。ぼくたちここで天上よりももっといいとこをこさえなけぁいけないって僕の先生が云ったよ。」 (九.ジョバンニの切符) 物語のなかで銀
趣旨この原稿は,私が以前所属していた九州大学YMCA(基督教青年会)にて5月26日(日)開催される読書会において,『銀河鉄道の夜』を扱う際のレジュメです. 宮沢賢治が仏教に深く帰依していたことを考えると,この物語にも宗教的な読み解き方がたくさんあるものと思います.しかし仏教への理解が私にはほとんどないので,参考文献に多大に依拠しつつ,下記の視点で本書を読み解きました. 他人のつめたさ,自身のつめたさ 私たちはだれかのおかげで生きていることを知らずに生きている ほんと
末尾の注※もご覧ください 私の好きなOfficial髭男dismはなはだ私的な話で恐縮なのですが,私は歌の歌詞を味わうことが趣味のようなもので,この直近100年くらいの範囲で,主に日本語の歌を日々聴いています.最近のもので一番好きなのは,Official髭男dism(以下髭男と呼称させてください)の曲です.といってもこの2-3年程度のファンで,ライブにも行ったこともなければCDも買ったことのない俄か者です.何年も本気でファンをしている方に怒られはしないかと恐ろしいのですが