父への手紙 3
私が長子として生まれた時
父はショックを受けたらしい。
男の子がどうしても欲しかった父
なんか、ごめん。
男の子につけるつもりで考えられた名前は、
その後弟のものとなる。
急ごしらえで考えられただろう私の名前は
意外にも気に入っている。
ショックを受けたその後
父は私を溺愛することとなる。
私の顔を初めて見た時どう思った?
なんて声をかけたの?
赤ちゃんの私に会いたくて仕事の昼休みに家に帰ってきて社長に怒られたり。
近所のセブンイレブンに
2日に1度私を連れて行ってお菓子やアイス買ってくれたり。
毎年、お正月になるとディズニーランドへ連れて行ってくれた。
赤ちゃんの頃の記憶にはないけど、私には大切にされていたという安心感がある。
そして今も
おそらく私が思うよりずっと大切に思ってくれているんだろう。
おばさんになった私だけど娘に変わりない。
私のためになら
命さえも差し出してくれるのだろう。
それなのに…
私は。
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