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「なぜスーツが売れないのか。」の話。

昨今のスーツ文化の退廃は著しい。
クールビズが始まったからだとかかたっ苦しくて着てられないとか理由はいろいろ飛び交うがそもそも日本人にスーツ自体が文化として定着していなかったのだと思う。

スーツといえばどんなイメージが湧くだろう。
真っ黒のスーツをきた大学生とかダボダボの着古したスーツを着たおじちゃんか。そもそもスーツのルーツを知らない人はあまりいいイメージがないかもしれない。

”スーツのルーツ“

スーツはもともとハイクラスの人しか着れない紳士の装いである。その歴史についてはここでは触れないがある時代は紳士道を表す装いでありある時代はステータスを表す甲冑だった。つまり現代でいう私服としても着られるものだったのである。それが日本ではどういうわけかビジネスマンの礼儀を表す為だけの鎧に成り果てた。日本ではなぜ”私服“として定着しなかったのか。

”日本人のスーツの捉え方“

日本にスーツが一般人にも定着し始めたのは戦後からだがもっぱら着られるシーンはビジネスの場面だったと思う。

ビジネスの場でスーツが定着したのはいかにも日本人なりの理由がある。

日本人はもっぱら利他的で社会的な民族だと思う。個人よりも社会の中の1人という役割が多くまさにone teamである。
それを洋服の世界に当てはめるならユニフォーム的にある程度決められたルールの元で身を装うことが1番快適なのだと思う。自分もそうであったが服装自由と言われた就職面接より黒のリクルートスーツを着ればいい面接の方が楽だと感じる。4月になるとリクルートスーツを着た就活生が街中を闊歩するが海外の人はよくクレイジーだと言う。彼らからすると人にわざわざ服装を決められさらに黒のスーツであることが不思議に感じる。

”クールビズとグローバリズムによるユニフォーム文化の崩壊“

最近になってスーツを着なくてもいい企業が増えスーツ産業は著しく崩壊し始めている。
よく言われる原因はクールビズによってネクタイをしなくても良くなったりポロシャツで出勤しても良くなりスーツが合わなくなったからだ。もう一つ付け加えるならグローバリゼーションによって海外志向的な企業が増えて服装にある程度自由度が増したからだともいえる。

でも1番の理由は文化が定着しなかったからだとおもう。
毎日毎日1着3万円程のサイズが合わないスーツばかり着ていたら確かにスーツが嫌になると思う。
しかも大概の場合黒や紺、グレーのスーツに白かサックスブルーのシャツだけを合わせ方も考えずに着ていたらさすがに嫌になる。

こうしてスーツは日常から姿を消していった。

”スーツは苦しい“

もうひとつスーツを着なくなる理由の1つとしてスーツが苦しかったり疲れるといったことが挙げられる。
これはもっと単純な理由だ。
大半の人は買ったスーツのサイズが合ってなかったり作りが雑なものばかり着ているのである。
本当にその人にあったスーツは均等に肩に重みがかかり軽く感じる。
それに最近の量販スーツは効率化のために立体的に作られていない場合が多い。
ちゃんと店頭で試着して最適なスーツをある程度予算をもって買えばこのような理由は挙がらないはずである。

”それでもスーツを推すワケ“

僕は毎日スーツでなくともネクタイは着けるし何らかのジャケットを着ている場合が多い。
僕が変態だからと言う意見はさておきそもそも着たくて着ている。
人は見た目でほとんどの印象を決めてしまう生き物だと聞いたことがある。
誠実そうな印象を与えたければ紺色が良いとされているしグレーは落ち着きを与える。ベージュだと少し垢抜けてお洒落なイメージを与えるだろう。
そんな風に意図的に自分の印象を操作することが可能なのである。

大前提として僕はスーツをはじめとするドレススタイルが好きなのであるが初めて商談する人は紺のスーツを着るようにしている。そうしてある程度自分の印象を操作するために服を決めている。

ファッション、洋服は考えて装うものだと思っている。
ファッションはセンスではなくそうした経験によって決められるものだ。(このことに関しては面白いと思うので別に深掘りしていきたい。)考えて自分の装いを決めることでスーツももっと楽しめるものになると思う。

つらつらと色々なことを書いたが結局何が言いたいかと言うと
かっこいいものを着ましょうよ。
スーツってかっこいいやん。ってこと。

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