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お寺で飲み会

10年間の厨房ひきこもりから飛び出して最初に行ったトークイベント(詳細は記事「商店街の生き残る道」)で出逢った岸井大輔さんと、霜村 真康さん(いわき市菩提院 副住職) とFacebookのMessengerであーだこーだやってるうちに、私が当初考えていたのとは全く違う試み「廿三夜講復活プロジェクト」がスタートしました。

「えっ?講って何?」って方に、プロジェクトのページでご紹介している文章はこんな感じです。

■廿三夜講復活プロジェクトとは
廿三夜講は、勢至菩薩を本尊とする陰暦23日の月待講です。23日の月の出は24時の少し前。24日の昼頃にようやく没し、次の月の出は25日の24時過ぎになることから、昔から特に神秘的なものとされたようです。廿三夜講では、数珠繰りをし、皆で持ち寄ったものを食し、語り合いながら夜半過ぎまで月の出を待ちました。いわき市平には廿三夜講に特化した2つの堂宇があり、大正期の勧請から昭和の中頃まで大変な賑わいであったといいます。私たちは劇作家・岸井大輔さんと一緒に「まちと人が対話する場」という意味での廿三夜講を復活させてみたいと考えました。肩の力を抜き、土地の履歴に想いを馳せつつ、これからと我々が構成していく「まち」についてあれこれと対話し、共に月を拝んでみたいと思います。

簡単に言っちゃうと、昔は定期的に近所の人たちとお寺に集まって(そのためのお寺がちゃんとあって)持ち寄ったお酒やお料理で夜中までとりとめのない話をしていたのですが、長い時間をかけて(月が出るまで)話すことで通常見えにくい問題点が見えてきたりして、それが必然的にコミュニケーションになってたり、セーフティネットになってたり。効率化で取りこぼされていく何かを取り戻そうと言う試みです。(あってるかしら?)

(因みにこのお寺さん、平三町目商店会のすぐ裏手にありまして、子供の頃は同じ敷地内に映画館があり、映画見た後夜帰るとき何だか怖かったのを覚えています。まさかその中に入って宴会することになるとは!)

商店街って言うのは、会社勤めせずに自分の店を構えている一国一城の主の集まりです。ルールもポリシーも違うし、利害関係も相反する場合もあるし、とにかくまとめるのは至難の業なのです。だからお寺と言う宗教施設で飲み会をすることで、個人的な利害関係を一度置いて話してみないですか?と言う思いで始まったのですが(結論として商店街の人は殆ど来てくれませんでした)私自身も最初懐疑的でした。

2014年10月14日(本当は23日なのですが、岸井さんがいわきに来れる日開催ということで)から始まった「廿三夜講復活プロジェクト」と言う飲み会。2019年2月ごろまで5年間続き、現在はお休みしております。途中アートイベントやいわき潮目文化事業や、様々な動きと重なって行きました。(ゲストハウス関連の出来事は別の機会にゆっくり書きたいと思います)


私の当初の目的である「商店街の店主たちの固定概念を壊させたい!」と言う目的は果たせませんでしたが、私自身がこの場で様々な人に会い、様々な価値観に触れ、商売人としての「そろばん勘定」思考から「利他主義」思考に変化していきました。「利他主義」みんなで良くなる道を探ることが、最終的には自分たちも幸せになるんだなーと。

震災前は「何かうまく行ってないなー」と思うことがあっても、行政や自治体、自分以外の誰かが何とかしてくれると思っていました。でも震災後はどうやらそうではないらしい、本気で何かを変えたかったら自分が動かないとダメなんだと思うようになりました。自分たちの街の未来は自分たちでしか作れない。


何度目かの廿三夜講でポロっと「ゲストハウスつくろうかな…」とつぶやいたのです。

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