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薬草で地域課題に挑む?

どうも、FARMY の平田です。

ところで今、長野県の原村では薬草栽培を流行らせようと原村薬草の会を立ち上げて、薬草の栽培と商品化に取り組んでいますが、
薬草栽培の事業化に取り組みながら薬草を通して地域の課題を解決できないかという活動をしております。

そこで今、原村ではどんな地域課題があるかというと、

①地元の農産物が育ちにくくなっている
具体的な要因としては、慣行農(農薬・化学肥料を使った農業)による栽培・地球の温暖化・農家の高齢化など様々な要因がある

②観光客のピークアウト
原村にはペンションビレッジがあり観光資源も豊富で、盛り上がっていた時代には約 38 万人の観光客が訪れていましたが、ここ最近では19 万人前後まで減少しています。

まあ、このように地方で農産物や観光をメインとしている地域であればどこも同じような課題がありますよね。

原村は八ヶ岳の麓で、標高1000mを超える場所に位置していることから、薬草の産地としても適していて、
今私たちは、地元で困っている農地を薬草栽培に転換しながら薬草の産地化を目指し、かつ、薬草を切り口に”健康”をテーマに、地域ぐるみで持続可能な事業をつくれないかという事業の実証を行なっております。

本日の記事は、

・薬草をテーマに新たな事業を作るって面白そう
・薬草を栽培して新たな事業を作りたい
・健康をテーマに、地域の課題を解決しながら新規事業を作りたい

という方に向けてお送りします。

そもそも薬草栽培でどんな商売になるの?

って話ですが、
主に薬草を栽培して収益化をするには以下の方法があります。
因みに薬草は専門的には薬用作物と呼んでいます。
①薬用作物として栽培し、製薬会社に卸す
②薬用作物の原料以外の部分で商品開発をし販売する
③②の商品の原料として商品の会社に卸す

①の「薬用作物として栽培し、製薬会社に卸す」

ですが、これにはまず栽培する薬草の種の起源が証明できるいわゆる種の血統書のようなものがないと製薬会社は買い取ってくれません。
そのために、薬草を栽培して製薬会社に卸そうとすると、きちんとしたところから種を仕入れることからやらないといけません。

生薬の原料になる部分はいわゆる「薬機法」にかかってくるので、勝手に加工して販売したりすると法律違反になってしまいます。
ということから、生薬の原料になる部分は製薬会社に卸すしか収益化の方法がありません。

まずは、製薬会社に生薬の原料として卸すこと。

しかしながら、製薬会社に卸せるまで栽培に2年とか3年、中には6年かかるものもあります。

しかも2年かけて栽培できたとしても製薬会社に下ろすには厳しい品質チェックがあり、品質を確保していくための技術指導をしてもらわないと難しいし、
しかも薬機法に当たる部分なので、製薬会社に卸す以外、商売に使うことができません。

つまり1番の課題は、収益化まで時間がかかるし、さらには失敗したら収益0のリスクがあるということなんです。

こんな難しい現状があるので、当然のことながら日本国内での生産はなかなか広まっていなくて、なんと国内自給率は約12%となっていて、ほとんどが中国から輸入している現状があります。

しかしながら、今後はPIC/S GMPという薬の製造に関する品質管理、リスク管理の国際標準(ISOのようなもの)に加盟することが決まっていて、これにより中国から生薬の原料の輸入が制限されてくるとのことなんです。
日本にとっては外国から輸入するのではなく国内自給率を上げていくことが急務となっている大人の事情もあったりするそうです。

なので、日本の国策としても薬草栽培の国内自給を上げるため、農水省の補助金もかなりの予算枠を計上している状況があります。

私たちの原村薬草栽培の会では、この農水省の補助金にもチャレンジしながら事業化を目指して動いているところですが、
この補助金申請はかなり難しい基準・要件があり、なかなか一筋縄ではいきません。
ちなみに今年の補助金にチャレンジをしましたが、栽培管理の要件を満たせるほどの人材が不足していて断念。
また来年までに生産体制を整えて再チャレンジすることになります。

このように薬草栽培は参入障壁がめちゃめちゃ高く、参入したとしても成功するまで時間がかかる分野です。

が、逆の見方をすると時間はかかるけど、長期的に見れば大きなビジネスチャンスになるということですよね。

②薬用作物の原料以外の部分で商品開発をし販売する

で、①による収益化までに時間を要するところを解決できれば産地化への取り組みも前に進んでいくのでは?
ということで、私たちは薬草を使った商品開発に取り組み始めたわけです。

生薬の専門の先生によくよくお聞きすると、1つの薬草でも、根っこの部分は生薬の原料になるので使うと薬機法に引っかかるけど、
地上の葉っぱとか花の部分は薬機法に当たらない部分なので、何に使ってもいいということなんです。

商品開発に使えそうな葉っぱ

根っこの部分が生薬の原料になる程 薬効があるのであれば、葉っぱの部分にも何かしらいい成分って入ってそうですよね。

これは面白いってことで、生薬の原料として使われない部分を使って何か商品開発ができないか?!!

というところから、

薬草栽培で収益化するまで2年はかかりますが、
1年目は商品を販売していきながら、2年目は生薬の原料として卸すという流れになれば、1年目から収益化を図りながら、事業化できるのではないかと目論んでおります。

生薬には薬機法に対象にならない部分がありますが、普通の素人ではまず知識がないし、知識があっても判断が難しいものです。

でも薬機法が絡んでくると、知らないところで法律違反してしまうとか、知識がないと難しいですよね?

そこはその分野に詳しい先生などに教えていただきながら判断していきたいところです。

③②の商品の原料として商品の会社に卸す

そして②の商品の原料の薬草を栽培して、その会社に卸すことで収益になります。

まだまだ私たちの栽培した薬草は製薬会社に卸せるまでに到っておりませんが、
今年は以下の薬草の栽培にチャレンジする予定です。

トウキ、センブリ、ミシマサイコ、ハトムギ、メハジキ、アマチャ、キキョウ、ベニバナ、エキナセア

薬草の詳細については、今後別のタイミングでご報告していきますね。

薬草栽培はぶっちゃけ大変!?

薬草の栽培って簡単なの?
その辺の山とか野原に生えてるから、ほっといても勝手に生えてくるんじゃない?
って思いますよね。。。

いやいや、ぶっちゃけ大変です。

やはり生産するということは、
栽培する畑を用意して、きちんと栽培管理をする必要があります。
やはり自然を相手に行うので雑草対策が必要だし、天候、害虫などへの対策も必要になってきます。

中でも特に大変なのが雑草対策。
薬草が雑草に負けないように、丁寧に雑草を避けながら雑草に抜いたりしますが、出てきたばかりの薬草の芽は草と見分けがつかなく、手作業でやってるとハッキリ言って果てしない作業なんです。
生えたての薬草を残しつつ、雑草の初期除草をしっかりやれてないとあっという間に雑草にまみれて育ってくれなくなります。

でも生産ができないと次に行けないので、みんなで力を合わせるとか、機械とかロボットに任せたり、できるだけ省力化できるやり方を考えていかないとすべて人力では生産にも限界があります。

薬草の商品開発って面白い

生薬の業界は薬事にかかる分野なので結構難しそう。
素人がそう簡単に参入できない。
など、いろいろ思ってしまいますが、、、

私たちの原村薬草の会では、いろいろなご縁から生薬の栽培指導の国内トップの方から教えていただいております。

その先生は、(公財)東京生薬協会で国内栽培の指導委員長をされていた小谷先生という業界の栽培指導ではトップの方がいて、
私たちはその先生から直接指導をしていただきながら取り組んでおります。

しかも生薬の原料にする部分と、しない部分もサクッと教えていただきながら、これなら商品化できるね とか、これはこんな効能があるからこんなのいんじゃない?とか、栽培指導をしていただきながら、商品化へのアイデアもその場で湧いてくるような感じで繰り広げております。

商品開発は去年からあれこれ試作を作っては試験販売したりとやっていて、
薬草栽培はぶっちゃけ大変ですが、
薬草を使った商品は結構みなさんに見ていただくと注目していただけて、特に健康を気にしたり、自然食が好きな方には面白がってもらえます。

これまでは仲間内で商品開発をして、キッチンカーで試験販売しておりましたが、今年からは原村の地元で腕のいいパティシエ&パン屋さんにも力を貸していただき
薬草入りの商品を作っていただき、試行錯誤しながら取り組んでおります。

で、これまたいろいろなご縁から、今年は東京の新宿御苑で週末 朝の時間帯に公園でイベントを行っている「79パーク」さんから、キッチンカー出店のオファーもいただき、今年は薬草メニューでちょいちょい東京進出も目論んでいるところです。

教えてもらうまで知らなかったのですが、新宿御苑って毎週末の土日は1万人を超える人たちが訪れるそうです。
これ、出店すれば間違いなく売れてしまうパターンですよね。

FARMY産の無農薬で作ったお米や野菜と、薬草を使って、さらに今年は、地域の人を巻き込みながら東京にも進出しながら、何やら面白い展開になっていきそうでワクワクしております。

まずは4月か5月にお試しキッチンカーで出店してみて、薬草メニューがどんな感じでウケるか試験販売をしながら、あーだこーだ試しながらチャレンジしてみたいと思います。

▼79パークさん・HP
https://www.79park.jp

もし薬草にもご興味ある方がいましたら、原村で薬草栽培を学べる会も開催しているので
ホームページをチェックしてみてくださいね。

https://haramurayakuso.hp.peraichi.com

結論

・薬草栽培は長期的にはビジネスチャンスになる可能性が大。
・薬草栽培はぶっちゃけ大変。
・薬草栽培の専門家と一緒にやった方がいい。
・薬草メニューの商品開発までできたら面白い。

もし薬草栽培に興味があり、かつ薬草メニューの開発に携わりたいなーって方、いましたらぜひ一度 原村に遊びに来てくださいねー。
一緒に取り組みたい人集まれ^ ^

ではでは〜


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