見出し画像

農業現場お役(に立ちたい)人カイギ#6『事業承継支援についてみんなで考えよう 「前編」〜 行政の立場からどう事業承継のお役に立てるか 〜』 レポート


イベントの趣旨、概要

第6回目のテーマは『事業承継支援についてみんなで考えよう 「前編」〜 行政の立場からどう事業承継のお役に立てるか 〜』です。

「事業承継」と聞いて皆さんどんなことを思い浮かべるでしょうか。経営体の状況や規模、後継者の有無など、経営体の数だけ取り組み方が異なりそうです。また、資産などプライベートなことも含むため、行政としての関わり方が難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。

内容も多岐にわたるため、「前編」、「後編」の2回に分けての開催です。「前編」の今回は、事業承継を幅広く扱い、家族間承継、第三者継承・M&Aなど、テーマ別のディスカッションの時間を長くとりました。持ち寄った事例や関わる上での疑問点、課題から、行政が事業承継をどのように支援できるかヒントを探ります。

イベントの主な内容

(1)導入トーク

最初は登壇者3名のトークです。
「家庭を持ってもずっと小遣い制」「行政からの新提案も父からNG」といった後継者あるあるや、父の急死で「取引先どこ?」から「近所付合いどうしたら?」まで承継に5年を要し「聞いておけば半分の時間でできたかも・・・」といった事例紹介に「あるある!」と納得。

「やっぱり計画的な事業承継は大切!フラットな立場に立てるお役人が特に人間関係などの無形資産承継を、プッシュ型(おせっかい)支援すべき!」という意見に共感しました。

一方で、支援経験がないと「そもそも必要?」とお役人の中でも温度差があるし…デリケートな問題で失敗は禁物、支援に数年以上かかることも…ということで組織的に取組む必要も実感しました。

(2) グループディスカッション(ブレイクアウトルーム)&感想共有

導入トーク終了後は、親子間の承継や第三者間の承継(M&Aを含む)などのテーマ別にグループを編成してのディスカッションです。
毎回、「もっと話したいけど、時間が足りない!」という悩みが聞かれるパートですが、今回は、グループメンバーを固定した上で、前半戦と後半戦の2回に分けるなど、十分な時間を確保した形での話し合いでした。

前半戦は、導入トークを受け、事業承継に関する課題や問題点の整理を行いました。「親子間の関係にお役人として、どう入っていけば良いのか?」、「農業経営と生活の場が密着している状況の中、どうやって第三者へ事業を承継していくのか?」等の現在進行形の悩みが数多く出されました。

後半戦では、課題解決の方法や取組事例についての話合いが行われました。解決策の提案だけでなく、果樹農家での第三者継承やのれん分けによる継承など、普段の業務では、なかなか聞くことの出来ない事例が共有されました。

当日の様子

このブレイクアウトルームは、全国の同じ悩みを抱えるお役人の皆さんが、悩みや情報を共有出来る貴重な機会であり、 実際に、参加者からも「答えは出なくても、雑談的に県外の方と話ができる場は貴重です」との声が寄せられました。

(3)延長戦・座談会

グループディスカッションで1時間以上お話したのに、興奮冷めやらぬ人々が残り語り合う「延長戦&座談会」(都合のつく方だけの参加なのでご安心を…)。

「事業承継の最初の(当事者の)意識づけが難しい」
「そこに行政の仕事としてどう関わるか」
「ライザップ的な短期間事業承継パッケージを示すのもありかも」
「どこで誰が、どういった点で悩んでいるのかをアンケートなどで評価(もしくは)あぶり出せないか」
「経営がしっかりしている農家ほど承継がスムーズ、経営の延長として事業承継をとらえては?」
「第三者承継より親子間承継のほうがトータルとして効率的」等、
次回の事業承継_後編につながりそうなワードが、続出しました。

参加者のご感想やアンケート結果

(1)参加者のご感想

アンケート結果から抜粋した参加者の感想です。
・商工では事業承継は、金融機関が危機感を持って必死にやっていますが、JAやJAバンク、政策金融公庫(農林水産担当)などはまだまだ関心が低いのかな、と疑問に思いました。
・専門家でなくても、出来ることは何かありそう。かかりつけ医的に何ができるか考えたい。

(2)アンケート結果

アンケート結果では、満足度や今後の期待感ともに高く、また「同僚に薦めたい」という回答についても10点満点中平均で8.4点と、非常に満足度の高いイベントとなりました。

また、「事業承継にお役人はどう役立てるか?」という質問に対しては以下のような回答がありました。
・「まずはきっかけ作り!」(最も多かった回答)
・コーディネート
・全体の進捗管理
・ノウハウ・事例のまとめ&紹介

さらに、次回のイベントのゲストである竹本さん&伊東さんへ対しては以下のような質問が出されました。
・承継“後”の問題や、譲り手としてのビジョンはありますか?
・お二方の考える今後必要になるものとは?
・子のモチベが低い事例、親の経営が優良とは言えず”子への札束見せ”ができない事例等も多々…子へのアプローチでご助言あれば…
・マッチングサイトは、希望がない、気持ちが変わる、公にしたくない等、難しいのでは…うまく運営するコツがあれば…

イベント全体を通じて、事業承継に、敷居の高さを感じつつも、まずは一歩前に足を進めたいという参加者の問題意識や熱量を感じたところで、次回のイベントも非常に楽しみです。 

次回のご案内

次回のイベントは9月24日(日)、テーマは『事業承継支援についてみんなで考えよう「後編」~行政の立場』として世代交代をどう位置づければよいか~」です。

ゲストに「今日からはじめる農家の事業承継 2万人の跡継ぎと考えた成功メソッド」の著者、伊東悠太郎さんと竹本彰吾さんをお招きします。家族間継承を中心に、世代交代を進めるための具体策ついて深めていきます。

聞くだけの参加、途中からの参加、途中での退出もOKです。皆さんのご参加をお待ちしています!

詳細はこちらから↓
https://fsgov-07.peatix.com/


主催者、本件に関する連絡先

主催者:ファームサイド株式会社
FARMSIDE Inc.|佐川友彦|農業界の課題解決ファームサイド株式会社は農家の経営改善と農業界の課題解決に貢献します
farmside.co.jp


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?