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農業現場お役(に立ちたい)人カイギ#3『農業者さんとのコミュニケーション、関係構築についてみんなで考えよう』 レポート

※ お役人カイギの紹介
農業現場お役(に立ちたい)人カイギ」は、全国の農業系公務員が、多様な農業現場の課題解決に向けて、越境して話し合い、励まし合い、行動し合う場所です。2か月に1回、平日の夜にオンラインで集まっています。

農家の右腕、経営改善のあの方こと、ファームサイド株式会社/阿部梨園の佐川氏が主催。佐川氏のミニレクチャー、ゲストスピーカーを迎えての座談会、その後は小グループに分かれての意見交換タイムを設けています。

この勉強会を通じて、個々、組織、農業界が抱える課題を一緒に考えることで、解決できるものが多くあると思っています。ガンガン課題を解決していって、持続的で明るい、未来ある農業を共につくっていきましょう!

農業現場お役(に立ちたい)人カイギについての詳細は以下のリンク先に詳しくまとめられていますのでご覧ください。
https://farmside.notion.site/76bf2e711bc24dbeb96b490aff742254

イベントの趣旨、概要

第3回カイギのテーマは「農業者さんとの関係構築、コミュニケーションについてみんなで考えよう」です。

農業者さんとの関係性やコミュニケーションが、政策や業務の成果に与える影響は大きいかと思います。しかし、農業者さんとひとことで言っても多様で、状況に応じて求められるアプローチやスキルも変わってきます。今回は、そんな農業者さんとの関係構築やコミュニケーションについての経験を持ち寄り、学びを深めていくことをねらいとしています。

まず、佐川氏からのミニレクチャーで、#1でまとめた「農業⇔行政の課題マップ」におけるテーマの位置付けを整理し、コミュニケーションや関係構築についてのポイントを確認しました。

そして、ゲストスピーカー2名と佐川氏によるトークセッション&ディスカッションを行い、具体的な事例を学んだ後、少人数グループに分かれて自身の経験や感想等を共有し、学びを深めました。

イベントの主な内容

(1)ミニレクチャー

ミニレクチャーではまず、目的に応じた関係構築に必要なコミュニケーションを「“平時”の関係構築」と「“有事”のコミュニケーション」の2パターンに分けて整理しました。

その後、一対一で良い関係を築くための5つのポイントについて学びました。

  1. 自己開示する:簡単な自己紹介を用意する。事前のイメトレが重要。

  2. メリットを示す:相手にとってプラスになることをお土産に。ニーズをリサーチ。

  3. 認めてもらう:自分の言葉で話す。目の前のことに一生懸命になる。相手への関心を示す。

  4. 影響力を使い分ける:パワーの源泉(byフレンチ&イレブン)誤った影響力の使い方は効果なし。

  5. 適度な自信を持つ:過度な謙遜は不要。求められた役割を果たす。時には役者になる。

参考(#1:自己開示する)
参考(#2:メリットを示す)
参考(#3:認めてもらう)

どのポイントにも共通しているのは事前準備が必要ということと場数を踏むのが大事ということ。その他、ここには書ききれないくらいですが、30分でぎゅっと凝縮されたミニレクチャーでした。

(2)トークセッション&ゲストセッション

お役人歴10年目職員の志村さんと、14年目の白鳥さん、そしてファシリテーター佐川さんの3人でトークセッションを行いました。

農業者からの課題の収集や、日々の情報発信をグループLINEを活用しながら行い、開かれた試験場を目指す志村さん。課長として農産物プロモーション業務に携わりながら、趣味であるタルト作りを話題の入り口に、農産物とタルトと人を結ぶ日々を過ごす白鳥さん。お二人とも日々の業務をしっかりこなしながら、多様な形で農業者の方とコミュニケーションを楽しまれておりました。

 ディスカッションでは、1対1のコミュニケーションをいかに業務や政策に生かしていくかが大きな論点になりました。それに対して、お二人からは

「会議や予算折衝の際、具体的な事例を知っていることで説得力が増す」

「聞き取った内容を職場内で共有して反応を見ることで、点から面に認知を広げる」

「要望を聞いた際は、自分の担当外の話だったら担当に繋げることで自分が情報のハブになる」

といった話があり、平時の個々のコミュニケーションを有事の組織のパフォーマンス向上につなげていることが伺えました。

グループディスカッション(ブレイクアウトルーム)

トークセッションの後は、6~7人程度に分かれてのグループディスカッションです。トークセッションでも話題となったSNSなどの新たなツールの活用方法についての議論以外にも、非言語的なコミュニケーションの方法(一緒に農作業をする、車が脱輪した時に助けてもらう)についての意見交換が行われたグループ、他業界とのコミュニケーションや関係構築に関して意見交換するグループなどがあり、多種多様なディスカッションが実施されました。

また、少人数でのディスカッションという特性を生かし、経験の浅い参加者に対して、先輩公務員がきめ細かなアドバイスを行うなど、お悩み相談コーナーも出来ていました。

イベントの回数を重ね、参加者の皆さんも取組に慣れたことで、それぞれの自己紹介で終わることなく、多様な視点や新たな論点を持ち寄ってのディスカッションへと進化しており、今後のお役人カイギの重要なコンテンツの一つとなりそうな予感です。

イベントのまとめ

「経営者」以外にも様々な役割を担っている農業者と、「個人」と「組織人」という2つの顔を持つ公務員とのコミュニケーションは、一見、複雑で難しい気がします。しか し、今回示したように、コミュニケーションを「平時」と「有事」に分け、「個人」と して出来ること、「組織人」としてやることを整理して考えると、見えるものがあるの ではないでしょうか。

また、今回、今回登壇されたゲストは、個人の時間を使い、農業者とも関係を構築していましたが、プライベートを「犠牲にしている」と思っておらず、「楽しんでいた」という点も、農業者とのコミュニケーションを考える上でヒントになると思います。

参加者のご感想

今回参加した方々の感想を紹介します。次回のイベント参加のきっかけになればと思います。

業務外にあたる話題については、情けないのですが「公務員だから」「業務時間内だから」という強い制限を自らかけてしまっていた気がします。本日のトークセッションの中で、「農家の方からワクワクする相談を受けたい」「『行政の職員さん』ではなく、『◯◯さん』として農業者の方に頼られる職員になりたい」と、楽しそうに語るお二人を見てて、ああ、私の理想もそこだったなあと改めて考えさせられました。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

コミュニケーション上手というと、臨機応変に人の話を引き出せる人というイメージでしたが、事前準備や日々の情報収集も重要だと感じました。
また、登壇者のお二人とも楽しみながら農業者さんに関わられているのが印象的でした。個人的に目的を達成するためのコミュニケーションが苦手なのですが、農家さんに嫌がられたら、と思うあまり、逆に農家さんのことを考えられていなかったかもしれません。準備をしつつ、臆せずトライしようと思います。

次回のご案内

 お役人カイギは2か月に1回、オンラインイベントを開催しています。次回のイベントは2月25日(土)、テーマは、「新規就農支援についてみんなで考えよう」です。聞くだけの参加、途中からの参加、途中での退出もOKです。皆さんのご参加をお待ちしています!

まだ次回のイベントページを作成していないのですが、PeatixかFacebookでファームサイド社をフォローしていただければ、準備ができ次第ご案内差し上げます。

https://farmside.peatix.com/

https://www.facebook.com/farmside.jp


主催者、本件に関する連絡先

https://farmside.co.jp/

主催者:ファームサイド株式会社
担当:佐川友彦
連絡先:mail at farmside.co.jp


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