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”任せたら兆しが見えた”とかち村上牧場が人材育成に力を入れる理由

こんにちは。ファームノート編集部の秋山ウテです。

お客さまとお会いしていく中で、他の酪農家の方にもシェアしたい話を聞くことがあります。

今回は、北海道・上士幌で約600頭の乳牛を育てる、とかち村上牧場の村上副代表。
人材育成に力を入れる理由について聞きました。

*村上さんからお借りした、牧場の航空写真*

人材採用と育成に力を

「朝3時に(上士幌から)出発して、東京の採用イベントに出たりすることもあります。人材発掘のためですね。」と話す、村上さん。

*採用説明会の様子*

「あと、今は人材育成にも力を入れてます。もともと家族と2名くらいのスタッフで酪農をやっていました。牧場の規模が大きくなるにつれて、仕事の量がパンパンになっていたんですよね。自分の力だけでは回せないと気づきました。どんどんスタッフに任せていくしかない…」経営を始めた当初をそう振り返ってくれました。

スタッフを増やして任せていく中で、マネジメントの問題に直面することがあったそう。

「もっと経営者としてちゃんとしなきゃって思いました。全部きっちりできているとはまだまだ言えないですが、なんとかやってますね。」

そんな村上さんが、人材育成になぜ力を入れているのか、その想いを聞いてみました。

やりたい農業をやれるきっかけづくり

酪農家として生計を立てたいと思う人に対して、どんな仕掛けと仕組みが必要かを模索しているという、村上さん。

「酪農家として独立したいと思っても、ハードルを感じてなかなかなれない人っている気がするんです。その人たちにこそ、酪農の楽しさを体感してほしいって思います。」

「酪農は、自分でやった分だけ結果が出やすい仕事なんです。」

「そのあとは、農場を大きくしたりするのもいいし、そうでなくても良いと思ってます。やりたい農業をやれるきっかけづくりをしたいんです。まずは、うちが”酪農の入口”になってあげられたらと考えています。」

酪農家が増えることによって、結果的に地域経済も潤って社会貢献になるのではないかと経営を通して気づいたという村上さん。

応援するのが小さい頃から好きだった

そこまできっかけづくりにこだわるのはなぜなのか聞いてみました。

「そういえば、小さい頃、寂しそうな人がいたら近くにいって話しかけるような子でしたね。」

「なんというか、やりたいことを応援するのが好きというか、喜んでくれるのが好きというか…」そう恥ずかしそうに話してくれました。

任せてみてわかった、兆し

搾乳は副代表就任時から、すでにスタッフに任せていたという村上さん。

牛それぞれ個性があるので、育て方も違うはず。その違いに合わせて育てていったら、うまくいくはずだと思ったんです。」と仮説を持っていたんだそう。

「実験的につなぎ牛舎5棟用意したんです。で、1棟ずつスタッフ1名を配置。頭数は50頭。どうなるか任せてみました。」

*つなぎ牛舎5棟の一部*

「結果、頭数は50頭でも70頭くらいの乳量を出せることがわかりました。で、気づいたのは、5棟それぞれで乳量の差が出たんですよね。」

「牛への向き合い方によって乳量に差が出るということは、牛の育て方や人材育成に焦点を当てていけば、その棟の乳量は上がるってことがわかったんです。」

酪農のサイクルすべてをスタッフに任せることで、兆しが見えたと語る村上さん。

ITで勘と経験をカバー

「一方で、従業員それぞれが得意なところとそうでないところはあるので、いろんなツールを使って平準化をしていますね。」

「例えば、牧場内の予定管理だとTimeTreeを使ったりしています。あと宣伝するつもりじゃないですけど笑、Farmnoteを使ってそれぞれの個体の情報を管理しています。」

*Farmnote Colorを使い倒してくれている村上さん*

ITの力で勘と経験を補っている感じですね。」

だからこそ、もっと応援していきたい

「僕が人材の採用と育成に力を入れているのは、酪農をやりたいと思う人を応援したいからなんです。」と語る村上さん。

もちろん、新しく就農したいって思ってる人の支えにもなれたらと思うので、まずはTwitterでメッセージをくださいと話してくれました。

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人の育成に力を入れる村上さんのお話をお届けしました。

微力ながら、僕たちのFarmnoteがお役に立てていて嬉しかったです。

次回もお楽しみに!

取材日:2019年5月23日

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