日本の農業の問題点って何?

実家は農家ではなく、大学も法学部に通っていた私がなぜか21歳の時に学生農業法人起業。その後なやかんやで今年起業8年目を迎えている私ですがしばし「今の日本の農業の問題点はなんだと思う?」と質問されます。

よく聞く回答は農協が悪いとか、小売店での販売価格が安いとか、肥料や農薬などの資材が高いとか・・・。

個人的な見解としてはどれもそうな気もして、どれも本質的な答えではない気がしています。

今の所一番しっくりきている自分の中での回答は

”生産者が豊作を喜べないシクミ”

ではないかと。

毎年のように何かの野菜が豊作で市場が安くなりすぎているから出荷するより捨てた方がお得とか、
大根が大きくなりすぎて規格外で出荷できないとか、
豊作で小松菜が1束30円とか

私も一生産者としてこんな悲しい矛盾はないな〜と思います。
生産者はみーんな少しでもいいものを、少しでも美味しい野菜を作ろうと努力と
研究を重ねています。
本来なら、そんな努力が身を結び天候やいろんな条件がうまく重なっていい野菜ができれば、作った人が喜べる未来が待っているべきじゃないですか?
けど今の日本の仕組みは違います。

みんないいものができらた市場の値が下がり、収入が減り、貧乏になります。それがよく言われる豊作貧乏ってやつです。
今の仕組みの農業で儲かるパターンの一つは、みんな凶作だけど、自分だけ豊作ってやつです。市場の価格が高騰し年によってはキャベツ1個600円みたいなやつ。

これって大半の人が喜べない状態じゃないですか?
①大半の生産者 →  作物がとれず売上減少
②仲卸、小売  →  品薄で売上減少。場合によっては赤字を被りながら販売。
③消費者    →野菜めっちゃ高い。

これが今の日本農業の仕組みではないかな。
だから自分の技術を隠し、なかなかチームプレーができない。そんな体質なんじゃないかな。

そんなの市場原理だから当たり前だ、農業とはそういうものだ、差別化の努力が足りないとかいろんな反対意見もあると思います。
いつまでもこの繰り返しでいいのか。もう少しできることがあるんじゃなかかと思ってます。

もちろんある程度は市場原理で仕方ない部分はあると思います。全ての農家がそうだとは一切言ってません。素晴らしい考え、取り組みをしている農家さんいます。けど、全体の一部です。

結局何が言いたいかって、

みんな(生産者)豊作でみんな(生産者・仲卸・小売・消費者)ハッピー

そんな世の中に少しでも近づくようにみんなで知恵絞って行こう!ってことです。

おしまい。

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