香川県さぬき市でのニンジンづくり
栽培する品種
【黒田五寸】(2023年7月22日自家採種2回目)
同じく【黒田五寸】(2023年、香川県東かがわ市の野田さんが自家採種)
→ぼくが種とりしたのと混ぜ合わせて使う予定。
基本情報
ニンジンはアフガニスタンが原産地で、2つのルートで渡来した。1つはシルクロードを経た室町時代の東洋種、もう1つはヨーロッパから渡来した江戸時代の西洋種である。
土作りをあまり心配しなくてもよい、どこでも栽培できる野菜で、温暖な地域では同一圃場に、年間2~3回栽培する。しかし、枝根や病害虫の発生もあるので、栽培が簡単だとは言い切れない野菜である。特に発芽は大切で、播種時の土壌水分と、土と種子の密着程度で発芽するかしないかが決まり、その後の生育にも影響する。このため、発芽の良し悪しで収量や品質が決まるといっても過言ではない。
成功のコツ
鎮圧と籾殻で発芽を促す
春まきにはとう立ちしにくい春まき品種か四季まき品種を選ぶ。乾燥しやすい夏まきは梅雨明け直前の雨の後を狙って種まきする。ニンジンの肌は連作するほどきれいになる。畝を決めて毎年同じ場所で育てるとよい。
セリ科のニンジンは発芽までの保湿が大切だが、種まき後に水やりを繰り返して発芽させると、酸素不足気味になり、根が十分に育たずに地上の芽が先に伸びてしまう。これでは根性のある強い野菜に育たない。
光を感じて発芽しやすい種子なので覆土は薄く。板や足で踏みしっかり鎮圧すると、発芽率が上がる。さらに鎮圧後、籾殻をしいて再度鎮圧すると、乾燥を防ぎ草も抑えられる。そのうえで種まきから1週間以上雨がない場合には、ジョウロの蓮口を下向きにしてたっぷり水やりする。
発芽後は草負けしないよう草をとり、順次間引いて徒長させずに育てる。
収穫したら葉を切り落としてビニール袋に入れ、冷蔵庫で保存する。肥大による割れを気にしなければ掘り上げずに畑にそのまま置き、肩を土に埋めて越冬させると甘味を増したニンジンが春先までとれる。
同じ畝で混植する野菜は同じように根が深く張るゴボウ。ホウレンソウとも相性がよい。春まきではエダマメとの混植もできる。
畝の準備(初めて種をまく畝の場合)
決まった畝に無肥料で種まき
ニンジンは丘に上がり根を発達させたセリ。原産地では雨期に発芽して乾期に越冬する。密生して競い合うように発芽し、乾期には自然に淘汰されて残った株が太い根で水分や養分を集める。
養分が吸収する力が強いので直前に堆肥などは入れず、無肥料が原則。未熟な有機物はまた根を起こすうえ、発芽不良の原因にもなる。
畑になる以前のやせ地には1㎡当たりに完熟堆肥と燻炭をそれぞれ3ℓずつまいて耕すが、必ず種まきの1か月以上前に準備し、時間をかけて完全に土をなじませておく。
種まき(7月上旬~下旬ごろ)
溝床播種で発芽を確実に
「ニンジンは蓑を着てでもまけ」と言われる。発芽には十分な気温と湿り気、光が必要だが、湿り気を保とうと厚く覆土すると芽が出ない。梅雨明け前に種まきする。
発芽した後に乾燥して枯れてしまう失敗も多いです。発芽しなかったようにも見えるので、種まきから1週間から10日経っても芽が出ないようなら、まき直す。
確実に発芽させるには畝上にクワで浅く溝をつけて種まき。軽く覆土後、夏は籾殻、スズメの多い畑や地温を上げたい春は燻炭を、土が見えないほどの厚さにまく。発芽には種をまく床と、被せる土がいずれも湿っていなければならない。まき溝を掘ったら土が乾く前に手早く作業する。
①まき床をならす
木片やクワの背などでまき床をしっかり押さえてならす。
②種をまく
クワの幅に浅くつけてならしたまき床に5mmほどの間隔で種をばらまきする。
③覆土
鎌の背で周囲の土をたたくようにして薄く覆土する。
④鎮圧
木片やクワの背で十分に鎮圧。土と種をなじませる。
⑤籾殻か燻炭をまく
籾殻か、燻炭をまき、風で飛ばされないように、しっかりと鎮圧する。
間引き(7月下旬~8月下旬ごろ)
2回に分けて間引きする
土に水分があれば3~4日で発芽する。
本葉が出るまでは草に負けやすいので株周りの草は小さいうちに土を押さえながら引き抜くか、刈り取る。
草丈10cmの頃、指2本くらいあくように間引く。間引いた葉も食べられる。
ニンジンが鉛筆くらいの太さになった頃、2回目の間引き。最終的にこぶし1個分が開くくらいに間引く。
草を抑える+ニンジンの頭を覆うために籾殻を敷く
ニンジンを育てている畝は草マルチを重ねていくことができない。そのため、草とりに手間がかかってしまう。そこで、籾殻で覆って草を抑えるようにした。頭が出ているニンジンに、土寄せするのではなく、籾殻を被せることで対応できる。
病害虫対策
キアゲハの幼虫や、タマナギンウワバの幼虫などが葉を食害する。見つけしだいとり除く。
収穫(11月上旬~2月下旬ごろ)
ニンジンが十分に太くなったら、随時、収穫する。葉が枯れはじめた12月中旬ごろから甘さがのってくる。
種とり(7月上旬)
形がよいものを母本に選んで移植
根がしっかり土に潜り、病害虫が少なく、形や色がよいものを最低5~10本ほど母本に選び、種をとる場所に移植。根の部分が隠れるくらいに植える。
春にトウ立ちして開花。ニンジンは虫媒花なので、近くに他品種のニンジンがないか確認。花が雨に濡れると受粉率が下がるので雨よけするとよい。
ニンジンの花には大小あるので、小さい花は摘みとる。
種が枯れてきたら刈りとり、日陰で追熟させる。
指でもんで種をとり、ゴミは風や扇風機で飛ばして保存する。
2022年
自家採種を種まき(7月下旬)
種を冷蔵庫に2週間ほど入れて休眠を打破し、浸水させてからまく。
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