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香川県さぬき市でのエゴマづくり

栽培する品種

【田村黒種】(2023年10月23日自家採種1回目)

2023年12月18日

【田村黒種】(2022年に購入した余り)

2023年12月18日

基本情報

種に含まれる油にはα-リノレン酸が豊富

東アジアで古代から食用や薬用、油用として栽培されてきたエゴマ。日本では縄文時代の遺跡からも種が見つかっている。葉は焼肉と一緒に食べたり、キムチ漬けに使われたりと、韓国料理によく利用される。
姿は強健なシソ。吸肥力が高く冷涼地ややせ地でも育ち、イノシシやシカ、サルなどの獣害もなく栽培しやすい野菜。
食べると10年長生きできると、別名はジュウネン。種を搾って採るエゴマ油は、鎌倉・室町時代には防水のため傘などに塗るほか、灯火に用いられた。その後、ナタネ油の普及で生産が減ったが、最近はα-リノレン酸はがん細胞の増殖を抑え、血圧を下げ、血液の流れをよくし、炎症やアレルギーの症状を抑えるといわれる。
ただしエゴマ油は酸化しやすく酸化した油は害になるため、搾った油は早めに使い切る。エゴマの実をペーストにして食べるのもおすすめ。

栽培のポイント

・シソ科シソ属
・初心者でも育てやすいので、家庭菜園におすすめの野菜。
生長して草丈が大きくなったときは、支柱を立てて誘引するか、周囲に支柱を立ててヒモで囲い倒伏を予防する。

肥料について

肥料はなくてもよく育つ。無肥料だと害虫もほとんど出ない。

種まき(4月中旬頃)

育苗土を3号(9cm)ポットに詰める。
種は気温が十分に上がり遅霜の心配がなくなり、フジの花が満開になるころにまく。ポットの土をへこませ、1穴に3粒ずつ種を落とし、種の厚さの2倍ほどになるように覆土する。さらに指でしっかり鎮圧して発芽を促す。
種をまいたら、ポットの底まで十分に水が行き渡るよう、まんべんなくたっぷりと水やりする。最初はジョウロの口を上向きにして土を湿らせ、次に口を下向きにして水で土を叩いて締める。さらにポットを新聞紙を濡らし、乾燥を防ぐ。新聞紙は種まき2日後の朝に外す。その間は水やりしない。

本葉が出始めたら、生育のよい1本を残し、ほかを根元からハサミで切り取って間引く。

どちらも畝に直まきすれば大丈夫だけど、不耕起で草刈りも適当なうちの菜園の場合、草に負けてしまうこともある。
ちょっとお金と手間がかかるけど、育苗の方が確実。

2024年5月4日
2022/05/21播種
2022/06/19様子

植えつけ・管理作業(5月中旬頃)

本葉3~4枚に育ったら株間60cmで植えつける。前日の夕方にストチュウ水をたっぷりやり、当日はタライに3cmほどストチュウ水を張り、定植の3時間ほど前からポットの底を浸して底面吸水させる。植えつけは苗を寝かせて根を浅く、茎は双葉のところまで土に埋め、鎮圧する。翌日には立ち上がってくる。

2022/07/09様子

草丈が高くなってきたら、支柱を立てて誘引するか、周囲に支柱を立ててヒモなどで囲うと、強風や台風でも倒れにくくなる。

2023年6月20日

摘芯

エゴマは生長しながら1節2枚ずつ葉を出し、葉のつけ根から側枝を伸ばす。草丈50cmほどで5~6節まで葉がでたら3~5節目を手で折り取って1度目の摘芯を。側枝が伸びたら葉が4~6枚残るように2度目の摘芯をする。

2022/07/23主軸を摘芯

窒素過多はアブラムシを呼ぶ

エゴマは虫害を受けにくいが、窒素肥料を与えすぎるとアブラムシなどが発生するので注意。
真夏の高温期に乾草が続くと害虫が出やすい。葉を食害するのは多くがベニフキノメイガ。葉の上に黒いフンを残す。定植直後の食害は欠株の原因になるので見つけたら捕殺する。

土寄せ

7月上旬ごろ、草丈40cmほどに育ったら、広い株間の除草を兼ねて双葉の下まで土寄せする。搾油用に大きく育てる場合は7月下旬の梅雨明けのころ、草丈70cmほどで2回目の土寄せを。株間を除草しながら削った土を本葉の下までしっかりと盛る。

2023年7月12日自家採種1回目:土寄せ後

葉を収穫するのなら

搾油用の種を採らず、葉を収穫するだけなら数株あれば十分。この場合は1度目の土寄せをしたら、その後は土寄せではなく草マルチを重ねながら育ててもかまわない。ただし米ぬかの補いはしない。
種をつけると葉が硬くなるため、長く収穫するには葉を獲ると同時に摘芯を続けて側枝を増やしていく。

収穫・種とり(6月下旬~8月中旬頃)

柔らかそうな葉を選んで、使うときに収獲する。若いときに収獲すると株が弱るので、草丈60cmくらいから収穫をはじめるとよい。

8月になると開花する。シソと交雑するので、近くにシソがあるときは移植する。
種の色が変わってきたら、種が地面に落ちる前に穂ごと刈り、新聞紙の上などで追熟、乾燥させて、種とりして保存する。種はスズメなど鳥の好物なので、寒冷紗などをかけて鳥害を予防する。

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