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【点滴、そして入院。最愛の女性の命日】

月曜日。
それは、週に一度の抗がん剤の点滴の日。
その日は弟の用事があって、前倒しで日曜に無理を言って変更してもらった。
無理が祟ってたのか、元からなのか
体調も極めて悪く、朝から嘔吐や目眩が止まらない日だった。スケジュールが詰まっているので強行で病院へ行ったのも悪かったのか、点滴中に寝てるはずが、そのまま意識を失っていたらしい。
経過観察ということで、そのままお泊まりとなった。

眠れないので病院のベッドの上で書いている。
目を覚ました時は、充電器もなく充電自体が持ちそうになかったのでスマフォは一切触ってなかったが何とか充電出来てので少し安心している。
どの道、心配の連絡は心優しい方1人からしか無かったが……。まぁ、そういうもんだろう。そんな方こそ大事にしたいと思う。

結局、家には帰れず。そのまま1日入院となった。一応今日、月曜日には帰れるとは言われてるが、果たしてどうなる事か、やはり入院してしっかり治療した方がいいと言われた。
何度も言われてる、当たり前だが。
けれど、そうはいかない。やるべき事がここに来て多すぎる。
最早自分の体だけでは無いのだ。

癌闘病と言っても山ほど種類はある、テレビで見るような最悪な展開にはまだなっていないが、単純に自宅療養を選んでいるから薬が弱いだけだろう。
それでも副作用は地獄なのだ。
嘔吐、目眩、倦怠感、発熱、全身の痛み。
美味しくないフルコースだ。

体感だけで言うなら、激鬱の頃の闘病よりもキツイ、個人差はあるだろうが、意識がしっかりしてる分、中々にハードだ。
だが、これが治療なのなら仕方ない、メンタルは弱いが変なところで意思は強い。
耐えなきゃならんのなら、耐えるだけだ。

寝れたらいいのだが……
朝目覚めなかったら、なんて恐怖は無いが、死後の手続きとか何もしていない。

まぁ、そんなもの死んだ人間が考えることでは無いが。
生きてる人がやればいい。
魂なんて気の利いた物は無い。

が、こういう不測の事態の為に、やはりしっかり確認しておこうと思う。
無論、無事目が覚めたらの話だが。

前日の7月10日は母の誕生日でもあった、そして最愛の女性の命日でもある。何の因果なのか……
まだ10代の頃だ。
遠い夏の日、クソ暑い夏の日。
彼女は死んだ。無惨にも。
そういうグループにいたのだ、だが揉めた相手が悪すぎた。俺自身八つ裂きにされて身体中に傷は残ってるが生き残ってはいる。鬱闘病の人間から見れば自傷なんだろうなと思われる事も多かったが、俺は自傷の類は一切ない。体を虐め抜く事はあったが、切るという行為は一切無かった。
だから、この傷はあの夏の罪の証なのだ。

中性的で、どこか冷めた目をした女性だった。
なのに、凛として意志が強く何に置いても先陣を切る女性だった。
その上感は鋭く、隙もない、捉えどころも無かった。クールといえばそれまでだが、彼女は言ってみれば氷のような炎を心に持っていた。
憧れていた、追いつきたかった。

しかし、もう遅い。
過去は過去なのだ。
思い出にふけるのも悪くは無いが……過去は変えられない。そもそも変えてはいけないのだ。

閑話休題

眠れて、無事に起きれる事を祈って
まぁ、普通に起きてしまうのだろうが

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