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『名探偵コナン』で一番好きなシーンを語る

バーローに恋して

小学生の頃、『名探偵コナン』が大好きでした。

アニメは毎週欠かさず観ていたし、漫画も1巻から最新巻まで揃ってました。もちろん当時の自分のお小遣いでは揃えられないので、父が車で書店へ行くのについていくたび買ってもらっていました。

推理やトリックの説明はほとんど理解できてなかったけど、主人公の工藤新一(=コナン)が当時はかっこよく見えて、新一が登場する回は何度も何度も読み返しました。私の小学生時代の脳内彼氏は新一でした。

私自身が読むのはもちろん、実は父も読んでいて、父が読んでいる姿を見てるのも好きでした。

42巻くらいまでは読んでいたのがある時ぱったり読まなくなって、気付けば自分が新一の倍近くの年齢になってしまいました。でも、それ以降も安室さんや世良などの人気キャラも登場してきて、まだまだ勢いは止まらないですね。

少し前にアニメで第一話のリメイクが放送されていたのを見たんですが、今冷静に見るとツッコミどころ満載で面白かったです。「ジェットコースターにでも乗っていない限り、涙は横には流れないんですよ!」ってさも決定打のように喋ってるのを当時は純粋に納得してたけど、いやいやそれドヤ顔で言うことじゃないだろwと思いました。

すみません、前置きが長くなりました。

本題に入ります。

大好きなシーンはこれです

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コミックス28巻。

「大切なのはその知識を誰に聞いたかじゃなく、どこでそれを活用するか…今のあなたは私にとって最高のレスキュー隊員よ!」

主要キャラの1人、灰原哀が光彦に向けて言ったセリフです。

『コナン』は長年人気なだけあって、それだけ名言や名シーンもこれ以外にもたくさんあるんですが、読まなくなって久しい今でもこのシーンははっきり覚えています。

説明します。

このエピソードでは、コナンや灰原、光彦達少年探偵団が阿笠博士と山へマツタケ狩りに行きます。

光彦は、可愛いけど知的で大人っぽくて、どこかミステリアスな雰囲気のある灰原のことが気になっているけれど、灰原はコナンと「怪しげでアダルトな」会話をよくしています。入り込めない二人の空気に疎外感を感じる光彦。自分と同じ小学1年生なのに、推理力もあって知識も豊富なコナン(中身は高校生なので当たり前なんだけど)にコンプレックスも感じていました。

マツタケ狩りを楽しむ一行ですが、少年探偵団の一人である元太がマツタケを求めて単独行動を取り、はぐれてしまいます。少年探偵団らは二手に分かれて元太を探します。光彦は灰原とペアを組むことに。

突如銃声が山に響き渡り、その後灰原は銃で撃たれた死体を目撃します。近くにいるであろう犯人から逃げる二人ですが、途中で灰原は足にケガをしてしまいます。

それを見た光彦は、持っていたハンカチを包帯代わりにして灰原に応急処置を行います。手当ては非常に正確でスムーズでした。灰原に褒められた光彦は喜びますが、その知識は以前コナンから教わったものでした。「コナン君が教えてくれたんです…彼、何でも知っててすごいですよね…」と伏し目がちに言った光彦に、灰原が言ったのがこのセリフだったんです。

灰原は見た目は小学1年生だけど、コナンと同じで中身は17歳。黒の組織を裏切って、現在も追われている身。普段はほとんど笑うことがありません(皮肉っぽく笑うことはよくある)。そんな灰原がこの場面で光彦に初めて笑顔を向けるんですよね。光彦のコナンへのコンプレックスを見抜いて、フォローしようとする気遣いもあったと思いますが、このセリフと笑顔は本心から出たものだと個人的には思っています。私は『コナン』の女性キャラの中では灰原さんが一番好きなので贔屓目な部分もあるんですが…

このシーンから学んだこと

この灰原のセリフ、私の信条のひとつになってます。っていう風に言うと何だか大げさなんですけど、いや本当にそうだよな、そうなんだよなあ…と思っていて。

私達は日々意識して、または無意識にも知識を蓄えています。学校で受けた教育もそうだし、本を読んだり、人から聞いたり。あるいはテレビを見たり、ネットで見たり。

だけど、果たしてそれらの知識を上手く活用できてるかどうか?って問われたら、私は多分100分の1も活用できてないんじゃないかと思います。得た知識をきちんと自分自身の中で消化できているのか、甚だ疑問。

英単語とかもそうだと思うんですけど、英単語帳1冊に載っている単語を頑張って全部覚えられたとしても、いざ実際に海外に行ったり、海外まで行かなくても日本で外国人に英語で話しかけられた時、とっさに覚えた単語や表現が出てくるか?と言われると、なかなか出てこないんですよね。で、後々になって「こう言えばよかった〜」っと思ったりして。

インプットした知識を、必要な時に、必要な場面で活かせるか。それは知恵とか考える力なんだと思います。もちろん知ってる事をみだりに人にひけらかしたら、周りに「こいつは何を言っているんだ」と思われるだけ。じゃあそういう能力はどうやって身に付けたらいいのか?っていうと、やっぱり日々意識して訓練していくしかないのかなぁ…と思っています。私はとことん要領が悪いのでこの手の作業は本当に苦手なんですが、自分以外の誰かが知識を上手く使って物事を進めているのを観察して、「自分も今度これ真似してみよう!」と、何とか吸収しようとしています。実際はそう上手くできない事の方が多いですが…

素直に、謙虚に

それから、やっぱり素直でいることって大事だな…と思います。このエピソードで言えば、光彦はコナンや灰原ほどではないにしろ頭は良いので、その気になれば、コナンから応急処置の仕方を教わったことをあえて黙っておくという選択肢もあったと思うんですよね。

でも彼は、コナンにコンプレックスを抱いていつつも、正直に灰原に話す。実は私ここも好きなんですよね。光彦の正直で素直な所が、きっと灰原にも好意的に映ったんじゃないかな…と私は思っています。

謙虚で、素直でいること。人からものを教わる時も、素直な方が知識がすっと自分の中に入ってくると思うし、そもそも普段から素直でいるなら、周りも「この子には積極的に教えてあげよう」という気になるから、吸収できるものが増える。

あとは例えばの話ですが、もしこの場にコナンもいて、灰原に手当てを行ったのが光彦でなくてコナンだった場合。光彦も以前コナンから教わったので方法は知っている。そこで、「僕もそれ知ってます!」とか言ったり、口にはしなくても「僕だって知ってるし…」と思うよりは、「そうか、こういう時に活用したらいいんだ!次は僕がやろう!」みたいな考え方ができた方が、今後の自分のためになるな…なんて考えたりしました。

書いてたら久し振りにまた読みたくなってきました。次に実家に帰る時に持ってこようかしら…