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21世紀初頭の冬の過ごし方(大学生編)

なんかこんなことあったな、の殴り書き。オチ無し。

冬が嫌いだ。手はかじかむし寒いしすぐに暗くなるから。
貧乏学生だった僕は、いかに金を使わずに生活するのかを日々考えていた。

学内のサークル棟ではそれなりに広い部屋が与えられており、そこには電気ストーブがあったので、授業の合間も、授業が終わってからも用事がなくてもサークル棟に顔を出し、いつからあるのかわからないスーファミのマリオカートに興じたり、ボロボロになったろくでなしBLUESを何回目かわからないほど読んでいた。

そうこうしていると、同じように行く当てのない友人が1人、また1人と集まってくる。そいつらと雑談をして、ストーブで沸かしたお湯でコーヒーを淹れて、ゲームで対戦をしていたらバイトの時間になる。誰かと入れ違いになるようにしてバイトに行く。

居酒屋でのバイトは暑い店内を忙しなく動き回るせいで半袖のTシャツでも汗をかいた。ごみを捨てに行くときに外に出ると一気に火照ったからだが冷やされて、最初の数秒だけは心地よかった。

バイト先で賄いを食べ、家に帰る前にサークル棟に寄ると、夜も遅いのにまだ電気がついていて、下宿組が僕が先ほどまで過ごしていたように手持無沙汰に各々の時間を過ごしている。

水がほとんどなくなったやかんに水を足して、せんべい布団がおかれた2段ベッドに腰掛ける。僕も貧乏だったが、大学も貧乏だったのでだいたいどこのサークルも僕らと同じように、卒業生の不用品や学内の粗大ごみから作り上げた城を作っていた。古い校舎には時代に似つかわしくない家具や調度品が目についた。

バイトが終わった別のメンバーが、廃棄を持ってやってくる。ここに来れば腹をすかせた誰かしらがいるからだ。供給よりも圧倒的に需要過多なので、一瞬で食べつくされる。今にして思えば不思議だが、当時お酒を飲むことはほとんどなかった。毎日飲めばそれだけお金がかかるし、何より当時はお酒がなくても何時間でも過ごすことができた。

そうこうしているうちに日付が変わり、何度目かのぷよぷよに決着がついた頃、誰からともなく帰るべ、と声をかけて各々自宅に帰っていく。家に帰ると寒々としたワンルームで、こたつに潜りながら水曜どうでしょうを見て、気づけばそのまま眠ってしまう。

夜中に寒くなり目を覚ます。暗い部屋で煌々と光るモニタの電源を落とし、こたつ布団をひっかぶる。窓の隙間から入り込む寒気と眠気を混ぜ合わせながら、夜の帳が降りてゆく。

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