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暦の上では春なのに

毎日が寒いし、何なら週末にかけては更に冷え込むらしい。

大阪に引っ越してきてから「1階(リビング)だけはいつ人が来てもいいようにきれいにする」「生活感よりもオシャレ感を優先する」と言ってはばからなかったが、結局冬の寒さには勝てず、リビングには大学時代から使っているこたつが鎮座している。

朝、何やらうにょうにょ言っている息子を抱えてリビングに下り、朝食を作る。作り終えて戻ってくると息子はいない。否、こたつの中で丸まっている。電源は入っていないが、恐らく彼には暖かい時とそうでない時の差が何であるかまだ理解できていないんだと思う。

朝食が終わると自転車で息子を保育園に送り届けるが、家を出た瞬間肌が切れるような寒さが身に染みる。急いで保育園まで行かなければならないのにスピードを出すと耳がちぎれそうになるのでちょうど良い塩梅を探っていく。

帰ってきたら洗濯機を回しつつコーヒーを淹れて、自分の朝食を作って食べつつリビングを片付けてお掃除ロボットのルートを作成する。お掃除ロボットはここ数年買ったものの中で最も満足度が高いもので、こいつのおかげでほこりや髪の毛が全然気にならなくなった。事実、ものすごい量がダストボックスに回収されている。

食事が終わるとコーヒーを持って2階の仕事部屋に向かう。エアコンが効き始めるまではかじかんだ手をさすりながらキーボードやマウスを操作する。キーボード・マウスを使う手だけ異様に冷たくなるのはなぜなのだろうか。

洗濯機のお知らせ音が聞こえると、洗濯物を回収してテラスへ。やはり寒い。夫婦ともにテレワークで、かつ僕はWebカメラも使わないので洗濯はほぼ息子の服と下着になる。そういえば自分も毎日泥だらけで、靴下は真っ黒で、何ならたまに幼稚園を脱走したりしていたな、ということを思い出す。

冷蔵庫にあるもので適当にお昼を作り、午後もせっせと仕事をしているとお迎えの時間になる。朝よりは夕方の方が寒くない気がするが、帰ってきてお風呂に入ると手足がジンジンするのでやはり冷え込みがきつい。

息子と夫婦の食事を作り、食事が終わったら息子の歯を磨いて妻にバトンタッチ。そこからまた、寒い仕事部屋で残った仕事をやる。早く終われば晩酌片手にテレビを見るし、遅くなったときはそのまま寝てしまう。

家の中で生活が完結してしまうと、外気に触れる機会もなければ運動量も落ちてしまう。ぎりぎり人として外に出て活動して、四季を感じられるのは息子のおかげだろう。彼となら、寒かろうと暑かろうと「あっちに行く!」と手を引かれればどこにでも行ってしまうだろう。

いつか、そう遠くないうちに彼は自分の足で1人で歩き出す。
そうなった時に、手をつないでいた今日を思い出したい。

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