「The Enchantress」 シェーマス・オサリヴァン
きみがぼくの隣を歩いていたから、さらりと撫でつける
きみの明るい髪を風はなびかせて
時はつぎつぎと不滅の翼をひろげて飛びたち
散る花も永遠のものに見えたんだ
きみがぼくの隣を歩いていたから、そっと触れている
白く咲き誇る林檎の花よりもその指は白く
木の間の道は永遠の陽の光に満ちて
芝生を歩めばそこは妖精の国のようだったんだ
きみがぼくの隣を歩いていたから、くすくすと笑って
音の波紋を静寂の岸辺にひろげ
悲しみはぼくの胸から永遠に飛び去り
故郷の沈黙へと永久に飛んでいったんだ
The Enchantress by Seumas O'sullivan
館野浩美訳