アカデミー賞の予想と結果。パラサイト強すぎ

 FAQちゃんです。

だらだら前置きしても仕方ないのでサッサと本題に入っちゃいましょう。

各賞の受賞予想と実際の受賞作品を併記しました。ちなみに予想記事はコチラ。

FAQちゃんはどれだけ当てられたのか・・・・・・?


【作品賞】

予想→「1917 命をかけた伝令」
結果→「パラサイト 半地下の家族」

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【監督賞】

予想→「サム・メンデス(1917 命をかけた伝令)」
結果→「ポン・ジュノ(パラサイト 半地下の家族)」

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【主演男優賞】

予想→「ホアキン・フェニックス(ジョーカー)」
結果→「ホアキン・フェニックス(ジョーカー)」

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【主演女優賞】

予想→「レニー・ゼルウィガー(ジュディ 虹の彼方に)」
結果→「レニー・ゼルウィガー(ジュディ 虹の彼方に)」

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【助演男優賞】

予想→「ブラッド・ピット(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド)」
結果→「ブラッド・ピット(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド)」

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【助演女優賞】

予想→「ローラ・ダーン(マリッジ・ストーリー)」
結果→「ローラ・ダーン(マリッジ・ストーリー)」

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【長編アニメーション映画賞】

予想→「トイ・ストーリー4」
結果→「トイ・ストーリー4」

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【国際映画賞】

予想→「パラサイト 半地下の家族」
結果→「パラサイト 半地下の家族」

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【ドキュメンタリー映画賞】

予想→「娘は戦場で生まれた」
結果→「アメリカン・ファクトリー」

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【脚本賞】

予想→「クエンティン・タランティーノ(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド)」
結果→「ポン・ジュノ&ハン・ジヌォン(パラサイト 半地下の家族)」


【脚色賞】

予想→「グレタ・ガーウィグ(ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語)」
結果→「タイカ・ワイティティ(ジョジョ・ラビット)」


【編集賞】

予想→「セルマ・スクーンメイカー(アイリッシュマン)」
結果→「マイケル・マカスカー&アンドリュー・バックランド(フォードvsフェラーリ)」


【撮影賞】

予想→「ロジャー・ディーキンス(1917 命をかけた伝令)」
結果→「ロジャー・ディーキンス(1917 命をかけた伝令)」


【美術賞】

予想→「バーバラ・リン&ナンシー・ハイ(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド)」
結果→「バーバラ・リン&ナンシー・ハイ(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド)」


【視覚効果賞】

予想→「アベンジャーズ/エンドゲーム」
結果→「1917 命をかけた伝令」


【音響編集賞】

予想→「アラン・ロバート・マレー(ジョーカー)」
結果→「ドナルド・シルヴェスター(フォードvsフェラーリ)」


【録音賞】

予想→「トム・オザニク&ディーン・A・ズパンシク&トッド・メイトランド(ジョーカー)」
結果→「マーク・テイラー&スチュアート・ウィルソン(1917 命をかけた伝令)」


【衣装デザイン賞】

予想→「ジャクリーン・デュラン(ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語)」
結果→「ジャクリーン・デュラン(ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語)」


【メイクアップ&ヘアスタイリング賞】

予想→「辻一弘&アン・モーガン&ヴィヴィアン・ベイカー(スキャンダル)」
結果→「辻一弘&アン・モーガン&ヴィヴィアン・ベイカー(スキャンダル)」


【主題歌賞】

予想→「Into the Unknown(アナと雪の女王2)」
結果→「I’m Gonna Love Me Again(ロケットマン)」


【作曲賞】

予想→「ヒドゥル・グドナドッティル(ジョーカー)」
結果→「ヒドゥル・グドナドッティル(ジョーカー)」


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11/22

半分!!

まあ良しとしましょう。

 「ドキュメンタリー映画賞」「脚色賞」「主題歌賞」あたりは狙いに行くのではなく穴を選んでいたのでこんなもんかなーという感じです。
主題歌ねー。「I’m Gonna Love Me Again」は挿入歌ではないから難しいんじゃないかと思ってましたがさすがです。

 特筆すべきはやはり「パラサイト 半地下の家族」の4冠でしょう。
作品賞で外国語映画がオスカーを手にするのは史上初。監督賞も下馬評を覆し(本命は「1917」のサム・メンデス)受賞、脚本賞と外国語映画賞も受賞。まさに映画史に刻まれる作品となりました。というか歴史が変わりました。
 「パラサイト」はカンヌ国際映画祭で最高栄誉のパルムドールに輝きました。これ自体も相当な快挙でしたが、しかしカンヌとアカデミーは水と油。近年では減少傾向にあるものの、カンヌで評価された作品はアカデミーで冷遇されるというのはあまりに有名な話です。この法則にのっとると「パラサイト」は比較的不利な立場にあり、ゴールデングローブ賞やPGAを制した「1917」に勝てないと思われていました。ですが蓋を開けてみればこの通り。長らく白人が大多数を占めていたアカデミー会員(正確に言えばその中の投票権を持つ会員)も今はグローバル化。多種多様な人間に認められ、名実ともに最高の映画の仲間入りを果たしたのでした。

 さて、もう一つ注目したいのは視覚効果賞。唯一「アベンジャーズ/エンドゲーム」がノミネートされていた賞で受賞を確実視されておりましたが「1917」に敗れました。「アベンジャーズ/エンドゲーム」は「アバター」を抜いて歴代興行成績ランキング1位を獲り、名実ともに「世界で一番売れた映画」です。個人的な感情は多々あれど、「アベンジャーズ」目的で映画館に足を運ぶ人の数は決して少なくなく、ストリーミングサービスの台頭や貧富の格差の拡大で揺れ動くシアター映画業界の大きな救世主となっています。それがアカデミー賞からわかりやすく外された、というのは面白い現象です。
 「アベンジャーズ/エンドゲーム」はMCUの集大成となる作品です。単体で観ても楽しめますが、過去の22作品、ドラマを含め30近い作品をすべて網羅してやっと最大限に楽しむことができます。そもそもアカデミー賞はシリーズ作品を冷遇しがちで、それが30作品の予習を余儀なくされる作品ならなおさらなわけではありますが、視覚効果賞となれば話は別。私はまだ「1917」を観ておりませんが、ハリウッドにおけるVFXやCG、特撮技術を底上げしたMCUを無視してまで受賞するだけの視覚効果が観られると思うと今から非常に楽しみです。

 アカデミー賞は以前より「白すぎるオスカー」と呼ばれ非難されてきました。投票権を持つアカデミー会員の多くが白人男性で、受賞する作品の多くが「白人男性が喜ぶ」作品でした。それに加え業界内で多発するセクハラ・パワハラが問題視され改革に乗り出したのが数年前。「マンチェスター・バイ・ザ・シー」で主演男優賞に輝いたケイシー・アフレックにプレゼンターのブリー・ラーソン(ルーム、キャプテン・マーベル等)が拍手をせず軽蔑した眼差しを送って物議をかもした3年前のアカデミー賞からここまで変わったのは感慨深いです。受賞作品やノミネート作品を見るとその効果が少しづつ現れてきていると感じます。(それでも「スキャンダル」が作品賞にノミネートされなかったりまだ足りなく思えるのが正直なところですが。)
 「パラサイト」が作品賞に輝いたことで今後世界中のクリエイターが作品賞を狙って映画を作り始めると思います。こういったことがキッカケとなり、映画業界が盛り上がったら素敵です。まさに世界中の映画関係者、映画ファンに勇気と希望を与える授賞式でした。


 さて、3月6日には日本アカデミー賞の授賞式があります。
ま、この賞、会員の30%が東宝&東映&系列会社の社員が占めておりみんな作品の良し悪しではなく自社作品に投票するので権威もへったくれもない賞なのですが、唯一スターサンズ配給の「新聞記者」が作品賞含め6部門にノミネートされてるのでここだけ注目しています。ここだけ。それ以外どうでもいい。


 そういえば第89回のアカデミー賞で「スーサイド・スクワッド」がメイク&ヘアスタイリング賞を受賞してるんですよね。今年の「ジョーカー」もそうなんですけど、アカデミー会員DC好きすぎるな。



書いた人:FAQちゃん
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