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03年5月25日 洞爺湖マラソン

 2回目のフルは2度目の洞爺湖、そして初めてのDNF。後になって考えれば典型的な脱水症状。でも当時はなかなか理解できなかった。30代でのフルは2回ともSUB4ならずで生涯勝敗は0勝2敗。

 今日は5:00出発。24時間営業の定食屋「はんだや」で天麩羅うどん、納豆、ライス(「ミニ」とはいえ世間のお茶碗以上)。ちなみに前日は昼食にスパゲッティ、夜はご飯大盛り。カーボローディングは十分。
 雪の残る中山峠でトイレ休憩6:15。中山峠を下ると蝦夷富士「羊蹄山」も今年はよく見える。昨年は雨中のドライブであったが、今年は晴天。7:00、洞爺湖を真上から望むview point。やはりでかい。快適なドライブから緊張感を感じる風景。ドライブの最後には正面にウインザー洞爺ホテルがその偉容を誇っている。98年拓銀の破綻の一因といわれたバブリーな建物である。山頂のホテルまではっきりと見えるほど今年は天候がよい。
 7:15、ゴール横の駐車場に到着。昨年と同じ場所に駐車。直ちに受け付け。徒歩5分。8:05ストレッチを開始し、トイレにもう一度行き、再度車に戻り着替えてスタートラインへ向かう。そばにいたオジサンがウォーミングアップ中のランナーを見て「皆、これから42㎞も走るのに、始まる前から何で一生懸命走っているのかねぇ」と奥さんらしいオバサンに話しかけていた。尤もと言えば尤もだ。

 9:40スタート。気温17度、快晴微風。陽射しが強いのが気がかり。
 まずは温泉街を1周。最初の5㎞は28'18。まずまず。今日の目標は(昨年同様)「30㎞3時間。その後は這ってでも制限時間5時間でゴールする」。そのためには可もなく不可も無い序盤。
 実は目標はもう一個「昨年5㎞ほど併走したおばさまを発見する」というもの。今年はゼッケンが胸と背と両方になっている。昨年は胸だけだったのでゼッケンチェックが出来なかった。フルは大体同じペースで走る人と固まるので、おばさまも出場していれば今年もたぶん会えるだろう。
 10㎞までの5㎞28'07。ペースは順調だが異様な汗。脚も重い。昨年はおばさまと8㎞くらいから併走したはずだが、見当たらない。あまりいいことない。
 12.5㎞で初スポンジ。体を拭いて頭から絞る。最高である。(ちなみに給水は5㎞ごとの関門の前後にあり、スポンジはその間に設置されている。)
 15㎞までは28'33。このコースで唯一と言っていいup&downもまずは順調にクリアした。おばさまはいない。17.5㎞でまたスポンジ。ほんとにこれは気持ちいい。
 20㎞28'59。ペースが落ちてきた。中間点を2:01'14。
 「えっ!この1㎞ちょっとを7分弱?やばいぞ!」とは思うもののペースをあげるわけにも行かない。まだ半分だ。
 25㎞29'45。ぎりぎり@6'00ペースをkeep。26㎞表示で時計を見るとまだ@6'00は切っている。ちょっと安心したのがいけなかったのか、少し行くとガクッときた。まるで脚がまわらなくなってきた。27㎞でもう全然ダメ。こんなに急激に落ちたのは初めてか!28㎞付近かな。脚もしびれてきた。「2週間前の弔事のせいにしたら死んだ親父に悪いよな~」等とは思うものの、どうしようもない。恐らく@8'00くらいになっているはず。
 かつてない事態に自らも相当戸惑う。過去のレースでばてたことも何度もあるが、@6'00のペースを乱してからでも10㎞は粘れてきた。「あと1㎞位で30㎞かな。3時間で届くかな~」、もうフラフラ。劇的に朦朧としてきた。普段だったらもう歩いていると思うけど「30㎞までは・・・・」と必死に足を運ぶ。今日の目標は「30㎞3時間。あとは這ってでも制限時間5時間で戻る」というもの。もう限界かと思ったときに、「チッチチッチ」という音が聞こえてきた。前を行くランナーのチップが30㎞の関門で反応する音である。ほっとして約30mを一応ラストスパートのつもりでダッシュして関門へ。2:58'18(この5kmは34'01)。「3時間」は本当にやっとの思いでクリアした。

 関門到着と同時に躊躇無く、委細迷わず、係員に「リタイアします」と宣言。とても走り続けられる状態ではなかった。係員は引き留めることもせず、淡々と「そうですか。ではこちらのバスへ。」と案内される。観光バスが2台待機。ストレッチもしないまま乗り込む。先客が10名ほど居る。毛布を被っている人まで居る。このくそ暑いのに・・・・私が乗っていくと皆上目遣いで同志を迎えるような卑屈な目をしている。あ~あ、何でこんな目に迎えられるのだ・・・・。「いらっしゃい」とは言われたくないが。。。汗にまみれた身体で観光バスのシートに座るのも気が引けるが、立っているわけにも行かない。腰を下ろし、靴を脱いでゼッケンをはずす。チップが回収されると「あと12㎞、歩けなかったのかなぁ」という思いもするが「30㎞3時間」で今日は良しとしよう。私が乗って間もなくバスはスタート。残り12㎞を遠回りして20分ほどのバス旅行。リタイアしてから25分ほどでゴール地点まで搬送された。
 バスを降車の際、係員が「来年もお待ちしています」と声を掛けてくれたところ、他のおっさんが「おいおい、バスで待ってるってかい?バスには乗りたくないぞ」だと。一同爆笑。バスには感謝感謝。「ありがとうございました。お手数をおかけしました」と丁重に礼を言ってバスを後にした。

 バスを降りてやはり悔しいので、他人のゴールシーンを見ずに車に戻り、1.5Lペットボトルを一気!半分くらい無くなった。そのまま速攻で温泉に向かう。昨年は利用しなかった「無料入浴券」。一番近い北海ホテルに行く。露天風呂に入ろうと思ったら、目の前をゴール間近のランナーが最後のスパートをかけている。見ているのも辛いので露天には行かずにシャワーと大浴場に浸かるだけで20分ほどで出た。あまり長湯をしても、その後の2時間のドライブが不安だものな。
 そこから札幌に向かうわけだが、帰り道はマラソンコースなので、まだまだ走っているランナーが居る。ここですれ違うランナーのゴールタイムは4:20程度。昨年の私ならここらあたりを走っているはずだ。
 過去にハーフ以上のレースには30回以上出場しているがリタイアは初めてである。青梅で制限時間オーバーはあるもののバスに乗ったのも初めて。それでも、今の心身状態で30㎞を走り切れたのは収穫としたい。「30㎞3時間」はクリア。「這ってでも5時間」は✖。「おばさま」は今回は見つけられなかった。最大の目標はクリアしたと言うものの今日は40点、赤点すれすれといった感じですな。
 終わって冷静に考えれば脱水症状なのだろう。給水所ごとに水分補給はしたが、たぶん各回50ccずつくらいだったのではないか?急激にばてたのも体内水分が果てたせいであろう。これから暑いと思ったときのレースでは立ち止まってでもきちんと給水したい。

 次回のフルはいつになるのか。しっかり減量して、ちゃんと練習して臨みたい。

 帰り道は傷心状態ではあったが、洞爺湖を離れたところにレイクファームという牧場があり、洒落たドライブインのようになっている。そこに立ち寄り、カレーと牛乳を食した。なかなか美味しかった。振り返るとウインザー洞爺が晴天に良く映えていた。
 喜茂別村の農園直売所に寄り、グリーンアスパラ、ホワイトアスパラ、ジャガイモをお土産に求め、一路自宅に向かった。途中眠くなったので定山渓で20分ほど休憩をしたが、無事に16:30自宅着。

 来週の千歳ハーフでまずは雪辱戦だ!土曜は長女の小学校運動会。ストレッチをしながら応援をして、千歳ハーフで札幌の最後のレース(?)を全うしたい。
                                以上

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