05年9月18日 田沢湖マラソン

 4回目のフルは初の田沢湖マラソン。42歳、またしてもSUB4成らず・・・SUB4生涯勝敗0勝4敗。前半調子に乗り過ぎたのかなぁ。歩いてでもきっつい「壁」だった。

 悔しいやら情けないやら・・・・10ヶ月ぶりのフルマラソンは31km過ぎから歩き始め、ゴールタイムは4:42’35。ざっと考えると、走った時間は2:50、歩いたのが1:50。自己ワーストという屈辱的な結果となった。今回も目標は「歩かずに走りきり、できれば4時間!」であったわけで、採点としては「帰ってきただけの30点」といったところだろう。

 3月より、それなりの走行量をこなしてきたが、夏場の練習の最長距離は10km。これではやはり42.195kmを征服できないのであろう。この大会を申し込む際に「9月中旬だとまだ暑いから長距離練習はできないな」と漠然と不安を感じていたのが、まさに的中してしまった。
 すぐにでもフルでリベンジしたい気持ちはあるが、スケジュールの合うフルが近辺にない。10月16日に北上であるのだが翌週からの研修と重なり断念した。とりあえず今シーズンはハーフ、30kmで脚を作り、また来シーズンにチャレンジすることにしよう。

 以下、前回レースからの振り返りとなる。

 9月4日の啄木の里ハーフで1:41’59の好タイムを出した。ご機嫌であったが、翌日以降気分が晴れない。久々に右臀部から鈍痛が消えないのだ。同ハーフは前半登り、後半下りというコースだったので脚に負担がきたのだろうか・・・・確かに後半も「行ったれ!」と下りに身を任せて走ったのは事実。臀部から股関節まで鈍い痛みが2週間続いた。結局、久々のフルマラソンに不安を感じつつ臨むことになる。
 前日は盛岡泊。当日は5:00前に起床。朝ご飯は吉野家で「牛焼肉丼」。レース当日朝は脂質分も摂取したほうがいいそうなので、朝からヘビーなものにした。
 そこから一路田沢湖に向う。空は曇天。INの予報だと27度まであがるらしい。25度を超えるとマトモには走れない。「雨でもいいから温度は上がらないでくれ」と天に祈る。
 6:40到着、どの駐車場が会場に近いのかわからないまま、適当に駐車する。降りて歩いてみると会場までは3分。恵まれたほうだろう。受付を済ませ、車に戻る。フラットシートにして寛ぎ、睡眠不足を補う。スタート1時間半前の8:30、オニギリ2個、大福2個を食す。
 今にも雨が落ちそうな曇天。幸い気温は20度程度。祈りが通じた。雨を想定して、ヘアバンドではなくキャップとする。ネッククーラーも不要。
 9:45にスタート列につく。「目標3.5h~4.0h」のグループにいると、友人とたわいもない話をしていると、すぐに10:00。突然の号砲が鳴る。まあ、10km、20km、ペア3kmとの一斉スタート(スタート地点はばらばら)なので、突然に聞こえるのもしょうがないのだろう。
 走り出して、「しまった!友人に聞いておくことがあった」と思えど、もう離れ離れ。「あ~ぁ」なんて思っていたら、2分ほど進むと右側にまさに友人がいる。するする寄っていって「おう!35kmの壁ってすごいのか?青梅の壁とどっちがすごい?」「比べ物にならない。こっちのほうがすごい」とのこと。「マジか!覚悟しておくよ」。結果的には覚悟するもしないも歩いて登るわけだが・・・その会話を済ますと、友人は前に。私はマイペースを通すことにする。
 5kmまでのラップが26’26、10kmまでが26’03。ちょっと早いような気もする。ただ、フルマラソンのタイムは「だいたいハーフのタイムの2.1倍までは出る」と雑誌で読んだ。「要はハーフのペースタイムの5%増しまでなら大丈夫」と思い込む。結果は失敗と出るわけだが。
 それでもちょっと抑えて15kmまでは27’07。登りのあった20kmまでは27’59。登りで脚を使ってしまった。またここまでに、かなりのup&downがあり、脚に疲労を感じていた。ここからいよいよ田沢湖1周約20kmに突入するわけである。
 「はぁ~、まだ20kmあるのかよ!」という感じであった。過去のフルでは「よし半分!」という喜びのほうが強かった気がするが、今日は正直この時点で参っていた。右臀部の痛みは全然気にならない。気になるのは両股関節から両大腿部。重く鈍痛も走り始めている。
 25kmまでは29’54。ペースを自重しようという思いはあったが、そうではなくて明らかにペースダウン。28km手前で派手なウェアの男が近づいてくる!「あれ?奴だ!」。声をかけると「マメをつぶしちゃって」とのこと。気の毒であるが、こっちも自分のペースを崩すわけにもいかない。そのまま前に進む。
 30kmまでは33’21。だいたいkm7分を超える感覚になっている。「あと12km。粘れるかな~」と思った瞬間、ドッツーンと大腿部に強烈な痛み。しかも両足同時!!大腿部の筋肉が急に縮小してボールになったような感じ。あわてて立ち止まり、膝の屈伸。大腿部を伸ばし、立ち上がり再度走り始めると即ドッツーンと電流!走れない。歩き始めた。歩き始めると天の罰かザーッと大雨が落ちてくる。あとはゴールまで降ったり止んだり。

 丸山弁護士(当時59)の100km走破をTVで見た。あれを見て「青梅30kmには60歳までは出るぞ!」と決意を新たにしたのだが、今この瞬間で、うらやましいのはバックアップスタッフ。「誰か適切なマッサージをしてくれ!」って感じ。絶対にしてくれるわけもないが・・・丸山弁護士をサポートしていた坂本コーチが「痛いなりにリズムを作って!」と言っていたのを思い出す。「そうだ、リズムだ」と思えど、走れないんだからリズムも何もない。

 それでもなるべく早足で歩く。「歩いているうちに大腿の痛みも取れるだろう。また走るぞ!」とリタイアは考えずに前に進む。友人が抜いていった。奴もkm8分以上のはずだ。それでも歩かずに走っている。たいしたもんである。悔しいが付いていけなかった。
 思い出したように走ってみる。やはりドッツーン!とくる。だましだまし歩く。
 35kmまでは44’49。給水所では水分補給とともにエアサロンパスを大腿にブッシュー。そこからしばらく行くと、例の「壁」。なるほどこれは厳しい。36kmの表示で時計を見ると、ついに1km10分を超えた。いくら登りとはいえ「これでは散歩だ!」と「思い出し走り」の頻度を増やす。また50歩くらいしか続かなかったのを、気合で延ばす。ところがツーンと痛みが走る。今までに感じたことのない痛みが、考えられないところから起こった。さすがに怖くなって止まった。深呼吸して、しっかりストレッチを行なう。どこが痛んだか・・・・心臓・・・・。胸の筋肉の内側、あるいは肋骨間神経なのかもしれないが、左胸の内側から痛みが来るのは初めて。「マラソンでたまに人が死ぬけど、こういうことか?」と思うほどの恐怖を感じた。98年ごろ、朝起きるときに動悸がして、また、健康診断でも不整脈がでて、内科に掛かったことがある。そのときは「不整脈は運動選手なら当たり前、ほかの数値は正常。ただ動悸は気になるから万が一のときのために薬を出してあげる」と言われた。安心して「万が一ってなんだよ!」と思ったが、処方された薬は「ニトログリセリン」。結構青くなった。幸い、薬の世話にはならず、動悸もいつの間に解消し、その他の臓器も含めて成人病検診でも一切引っかからないので安心していたが、今日は怖かった。
 そんなこともあり、早歩きに徹する。前半で追い抜いたはずのにランナーに続々と抜かれる。悔しい情けない。時折、雨も容赦なく身体を叩く。「あれ?今日の制限時間って何時間なんだろう?」こんなことを気にするようになってしまった。
 40kmまでは48’28。かろうじてkm10分を切るペース。最後の給水所では、おいしそうな「味噌焼きおにぎり」を食してしまった。初老のランナーが立ち止まって係員と「いやぁおいしいねぇ。いい思い出ができたよ」と談笑している。おめでたい奴め!
 でも係員が「制限時間まではあと30分以上あるから大丈夫」と言っているのを聞いて、安心した自分も相当情けない。

 ゴール近くなると、沿道の応援の数が増す。ただ歩くのは恥ずかしい。恐々、本当に恐々とゆっくり走る。ラスト2.195kmを18’06で片付け、たどり着いた!!瀕死のゴールは4:42’35。実にnet4:42’13という苦悶の時間を終えた。
 冒頭の通り、走った30kmが2:50、早歩き12kmが1:50・・・・疲れるわなぁ。
 ゴールでは友人が待っていてくれた。奴は4:31とのこと。疲れた身体を12分も待たせてしまった。申し訳ない。お互い「ゆっくり話もしたいけど、今日は無理だ」という結論で、早々に別れた。次に会う日は仙台の会議かな?

 その後、ゴール会場で味噌汁を2杯いただく。おいしかった。招待ランナーの山田敬蔵さん(当時77)のインタビューを聞きながら会場をあとに。雨の中、車に戻り、身体を拭くだけにして早々に出発。30分ほどで温泉があるはず。それに向う。
 田沢湖をあとにしたのが、ゴール後1時間、15:40くらいだったか。途中の雫石の道の駅で温泉につかり、盛岡でラーメンを食し、レースタイムとほぼ同じの実質4時間半のドライブで帰宅。なんか大変な1日であった。

 そうそう帰宅すると年間購読している月刊「ランナーズ」11月号が届いていた。その特集が「今年は絶対フルマラソンで大幅ペースダウンしない」というものであった。遅いわい!もう少し早く届けろや!ま、中身を読んでも今日完走できたわけではないと思うが。

 今日の敗因ははっきりしない。昨年、夢舞で走りきり、河口湖でも走りきれた42kmに30kmで跳ね返された。臀部痛はなんともなかった。洞爺で30kmリタイアしたときには朦朧となっていたので脱水症状だったのだろうが、今日は意識ははっきりしていた。となると、やはり準備不足、練習不足というのが第一の敗因だろう。第二が前半の飛ばしすぎかな?5km28分くらいで刻めばよかったかも。最近好調だったので調子に乗りすぎたかな。第三は前日の過ごし方なのかな。第四は体重か?一度74kgまで落とした体重が77kgに戻った。走りながら戻ったので、大腿の筋肉とも思っていたが、その大腿が爆発したんだから、役に立たん。もう一度74kgまで落とそう。
 あと、今までのフルの中では圧倒的にタフなコースであった。洞爺、河口湖と湖周回の平坦なコースしか経験がなかったが、同じ湖周回でも、田沢湖はきつかった。前半の20kmは周回ではなく、町内を走り回る。あそこを軽くクリアできないと、来年も同じ様であろう。
 翌日の脚の痛みもたいしたことはない。考えたら走ったのは30kmだからな。痛みがないことも、なぜか悔しい。臀部痛は全く変わらないが。

 フルのリベンジはいつになるかわからないが、この冬には30kmのレースに2回でる。11月6日岩手前沢、2月19日青梅。しっかり練習してリベンジしたい。もし、今シーズン再度走る気になれば、4月の日本最大のフルマラソン・荒川、もしくは5月の北海道洞爺湖を考えよう。
                                以上

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