07年9月16日 田沢湖マラソン

 9回目のフルは3度目の田沢湖。44歳の年齢は関係なく、ここのコースはやっぱり厳しい。連続SUB4はならず。SUB4生涯勝敗は1勝8敗となる。

 前夜は盛岡泊。夕食は牛丼吉野家のフルコース、牛丼特盛、けんちん汁にお新香。特盛は初めて食べるのではないかな?カーボローディングとして白米を確りいただた次第。ちなみに朝食はスパゲッティを茹で、昼はうどん屋でぶっ掛け大盛である。
 左のふくらはぎに若干の痛みを感じる。普段は気にしない程度であるが、今回はフル。万全を期すためにサロンパスを購入し貼付した。
 ホテルでの起床は普通。前夜はアルコールを抜き、世界柔道での日本の不振に腹を立てながら寝たのだが、5:30に自然と目が覚めた。シャワーで体を覚醒させ、6:00にチェックアウト。朝食は豚丼に味噌汁。前夜と同じ吉野家である。44年の人生で、夕食と翌朝朝食の外食を同じ店で済ませたことがあったであろうか?ま、どうでもいい話である。

 天気は雨。雨中の45kmのドライブで7:00ちょっと過ぎに田沢湖に到着。昨年と同じ駐車場に車を停める。受付に行く際には雨は止んでいたが、8:00~9:00にかけては大雨であった。外に出たくなかったが「それでもそろそろウォームアップをしなければ」と9:00過ぎに車から出る。私の行動に合わせるように、若干小降りになってくれたのはラッキー。自らの日頃の行いの良さを改めて認識した次第。
 とはいえ、天気予報は終日雨。水を吸い重くなるリストバンドはあきらめる。準備運動の段階でシューズがグシュグシュになったのは幸先悪い。
 スタート場所に赴く。東北地方では参加者が多い大会である。見たことのある顔も多いが知り合いはいない。目標タイム3:30〜4:00のところに位置を取る。

 10:00にドン!ここに立てたことに感謝。ゆっくり入った。今日のテーマは「ストレスフリー」。負荷を感じないように進む所存。いきなりの下りもスピードに乗り過ぎないようにゆっくり下る。最初の1kmは5’16。下りだからこんなもんか?2kmは10’55、@5’39。よしよしこんなもんだ。3km付近でGさん(55歳女性)に抜かれる。ハーフでは私の方が5分以上早いがフルではいつも後半に抜かれる方。付いていくことも考えたが今日のテーマは「ストレスフリー」。無理して追わずに先に行ってもらった。そのうち追いつくだろうと考えていた。
 5km通過は28’26。想定の範囲内。ゆっくり走ると周りが良く見える。「そうか、こんなにアップダウンがあるのか・・・過去2回とも失速していたのは、ここで足を使いすぎていたのだな」と感じた。
 今日はリストバンドをはずしているが、マイクロファイバータオルをポケットに入れてきた。汗を拭ってみる。涼しいか?だめだ、すぐ雨で濡れて意味がない。何の役にも立たなかった。
 10km手前で雨は小休止。一本道の直線でなにやら重厚な音楽が後ろから聞こえる。「暴走族か?」と振り返ると、そこにはダースベイダー with Music!気ぐるみを着て走っていやがる。気仙沼大島ハーフでも見た方だが、フルでもやるか!!しかも、手のソードはピカピカ点滅している。お見事である。で、抜かれた。色物に抜かれるとちょっと腹が立つ。直後に10km通過。この5kmは28’37。想定どおり。
 そこから住宅街を走る。幼稚園だか保育園の前では園児が列を作ってハイタッチを待っている。汗まみれの手でいいのかな?と思いつつ「ありがとね~」と軽くタッチを繰り返す。
 お!今年は保母さんだか若いお母さんだかが列に加わっている。すかさず手を握った。なんてできるわけがない。ソフトなハイタッチで通過。
 ここで嫉妬!ちょっと前を走っているダースベイダーが人気沸騰!立ち止まって記念撮影までしていやがる。一緒に映りたいが、そんな仲でもない。結局、ここでダースベイダーを追い抜いて、最後まで抜かれなかったから許してやることにしよう。
 少し行くと中学校。女子中学生までハイタッチを待っている。ウチの娘ならこんな真似はしないだろうが、田舎の子は素朴でよい。軽くタッチして進む。15kmまでの5kmは28’58。引き続き安定したペース。
 15kmを過ぎてから、先の保母さんだか若いお母さんだか女子中学生に、アドレナリンが触発されれペースが上がってしまった。「ストレスフリー」を心がけていたのに周りのペースが落ちてきたこともあってなのだろう。途中で並走したSさんと「このペースでいけば丁度4時間ですね」等と話し、ちょっと4時間を意識してしまった。    
20kmまでの5kmは27’49。下りもあったとはいえ、1分(5kmで)もペースを上げるところではなかった。また、はやくも「パタパタ」走っているような気がしてきた。

 20km過ぎで予定通り秘密兵器を取り出す。「ザバスグリコーゲンリキッド」。半年前の春の荒川でSUB4に導いてもらったと言えるサプリを今日もポケットに用意していた。荒川のときは「ザバス完走セット」として購入したのだが、今回は「グリコーゲンリキッド」のみ購入したものである。購入して驚いた。「水180ccに溶かして飲め」だと?荒川のときは、説明書なんてなかったから搾り出して生のまましゃぶった。だからあんなに甘ったるくてまずかったのか!!
 でもマラソン最中の給水所がどこにあるかなんてわかんないから「水に溶かせ」ってなかなか難しい注文だ。結局、今日も搾り出してしゃぶってやった。やっぱりまずい。「良薬口に極端に甘し」ってことで我慢する。

 ここからスタート地点までかなりの勾配の登り。距離も1km近くあるのではないかな?前半の山場である。調子に乗らないよう慎重に進む。頂上で一息ついた。さぁ、これから湖一周20kmだ!今年も湖は雨に煙っている。晴れていたら綺麗なんだろうが3年間で一度も晴れていない。直後の22km通過のこの2kmが11’38。登っていたわりに順調。で、湖畔はしばらく平坦。マイペースで進もうと改めて誓う。25kmまでの3kmを18’29と時計が指している。「え!km6’00超えた?なんで?」って感じ。そんなに失速した感はないのだが・・・かなり落ち込んだ。でも無理には上げない。
 26kmを過ぎたあたりで「ドーン!」と花火の音がする。スタートから230を超過したあたり。「あ!フルのトップがゴールしたんだな」と気が付くのはいいのだが、まだこちらは湖を1/5周程度しかしていない。花火が後ろから聞こえるのが悲しかった。また雨も再び落ち始める。
 27kmまでの2kmが12’22かかった。で30km手前のトイレに寄って放尿。「ふ~、ストレスフリーだ」・・・。このロスタイム(30秒程度)込みで3kmを19’15。この5kmは31’37かかった勘定である。でも今日はもともと5’40程度で走っていたのだから、そんなに落ちているわけではない。引続きストレスフリーを心がけて進む。

 30km過ぎてすぐ給水所が見えた。すかさず ザバスグリコーゲンリキッドをポケットから取り出し、口を切る。ちょっとしゃぶってから給水のカップを受け取る。お!エアサロンパスが置いてある。カップを椅子に置いてエアサロンパスを両膝にブッシュー。で椅子の上でリキッドをカップに絞り落とす。あまり溶けないみたいだ。そのまま指でかき回す。ちなみに放尿後に手は洗っていない・・・で、一気に飲む。やはり溶かせばかなり飲みやすい。生き返った気がするのは気のせいだろうな。

 田沢湖畔で有名な「たつこ像」は32kmあたりだろうか。過去2回は失速して瀕死の状態だったのであまり見物していないが、きょうは確り拝見した。「失速したといっても@7’00は超えていないぞ。このまま走り続けよう」と自らに固く誓う。

 35kmまでの5kmは33’34もかかっていた。それでも遅いなりにリズムが取れている気がする。苦しくはない。
 さッ!35km過ぎの「壁」に挑む。一昨年初めて参加した際、友人に「青梅の坂とどっちがきつい?」と聞いたら「比べ物にならない。断然こっち」と言われ、闘志を燃やしたのだが、残念ながら過去2回はその壁に挑戦することさえ許されなかった。今年は挑戦資格はある。行くぞ!!
 前方に見えているランナーは全員が歩いていた。「俺は登りが得意だ!」と自分に言い聞かせ進む。もはや軽やかには登れない。それでもエッチラオッチラ走って進む。苦しいことは間違いないが、苦しさより「今年は挑戦できている」という喜びの方が強かった。歩いているランナーを何人も追い越した。約4分位かかったと思う。上りきったときにはまさに恍惚の域に達した。「これで『完走』はいける!」と確信をもった。
 そこからの下りがきつい。既に両膝、太腿はレッドゾーン間近である。ブレーキをかけながら降りる。「進む」とは言えない。「下る」というのでもない。まさに「降りる」というのが適切な表現ではなかろうか?
 37kmまでの2kmに14’27かかっていた。初めてkm7’00を超えた。でもあの壁ならしょうがない。落胆せずに進む。残り5kmの看板通過。まわりからランナーがいなくなった。「ドリャ!」、気合を入れた。そこから一歩一歩気合を入れながら進む。次の1kmは6’47で元のペースに戻る。
 気合は単発で終わる。やはりリズムが大事だ!掛け声だ!高校の隣に機動隊があった。機動隊のランニングでは、独特の音頭がリードする。それをイメージしてリズムを刻むことにした。「エッ、コーラ、エッ、コーラ、エッ、エッ、エエ、コーラ」「エッ、コーラ、エッ、コーラ、エッ、エッ、エエ、コーラ」ってな感じ。文字にすると怪しげな呪文のようだが、自分はすこぶる真面目に声を出す。周りのランナーは怪訝に思ったことだろうが、ランナーズハイの自分に怖いものはない。残3kmまでは@6’18に上がる。
 40kmまでの5kmは34’23。歩いていない。あと2kmちょいだ!が、ガクッとなった。
 残2kmまでは@6’57。最後の給水所で水分とナシをちょっと口に含む。
 残1kmまでは@7’19。給水でロスして7’00を超えたがタイムはもうどうでもいい。
 ラスト800m位からは応援が多くなる。さすがに声は出せなくなる。横をラストスパートで駆け抜けていく奴が3人くらい続いた。全くついていけない私は苦笑い。それを見た沿道のオバサンがなんと言ったんだっけな?「笑顔で余裕ね!」だったかな。私は前のランナーを指差して「だってあの人たちスパートなんてかけるんですよ、人が動けないのに!」と返したら爆笑していた。別に受けを取りたいわけではないし、受けても受けなくても通り過ぎるのは変わらない。
 ラスト100m「ゼッケン○○番!ラストだ!」と沿道から声がかかる。「よし!行くぞ!」と声を出してスパート。でもゴール前の下り坂は恐々進む。最後に係員が「ゴールは写真を撮っていますから前を見てゴールしてください」だと。一応満面の笑みを浮かべてゴール。ラスト1kmは6’04まで持ち直して、ゴールタイムはネットで4:18’16。これでも自己歴代2位の記録であった。

 昨夜から振り続けた雨でゴールエリアは泥沼状態。本当はひっくり返って横になりないのだが、それは叶わず、せめて腰掛けられる場所を探す。運良く「血圧測定所」の椅子が空いていた。座ってチップをはずす。完走賞のアミノバリュを一気にあけた。すぐ横が完走証発行所なのだが、「機械の調子が悪いのでちょっと待ってください」とのこと。先に御飯と味噌汁をいただくことにした。パック米と紙コップ汁をもらってテントに潜り込むと店員のオバチャンが「お疲れさんだったにゃ。ここに座って。」とパイプ椅子を広げてくれた。他のランナーもいたのに私にだけ・・・タイミングが良かったんだな。ありがたい限り。
 スタート時は22度程度でそのまま変化はなかったようである。小雨は途中で止んでいたところもあったが、ほぼずっと降り続いてゴール時点ではやや強め。寒くはないが、温かい味噌汁がとてもおいしかった。御飯もペロリ。こっそりと味噌汁だけお代わりしてしまいました。でも今年はお新香はないんだな。
 食べ終わって完走証を貰いに行くと、丁度システム復調。ここでもタイミング良し。また味噌汁をいただいた後に完走証をもらったほうが汚す心配もないので、これも結果オーライ。
 車に戻ったのが14:50くらいだったのかな。濡れたウェアを着替えて時計を見ると、まだ15:00になっていない。即ちスタートから5時間経っていないから道路はまだ封鎖状態だ。しばし待つ。
 15:00をちょっと過ぎて車を進めると、道路は開放されていた。信号待ちをしていると、横をランナーが通り過ぎていく。まだ頑張っていたんだね。道路の封鎖解除はしょうがないが、ゴールへの取り付け道路の前にバリケードが置いてある。「おいおい!そりゃ可哀そうだろ!記録ナシでもいいからせめてゴールさせてやれよ!」と感じた次第。

 そばのホテルで勤務先への土産を買って、田沢湖に感謝しつつ15:20過ぎかな、帰途に着いた。雫石で温泉に入ったのが16:00から20分ほど。車に戻って即サロンパスを両膝に各2枚ずつ貼付。まちがいなく膝には相当の負荷をかけている。労わらねば。幸い、前夜気になった左ふくらはぎは何ともなかった。
 そのまま走り出し17:00に盛岡ICから高速に乗る。盛岡市内を通過するのが面倒で高速で抜けることにした。紫波SAで名物という小岩井ソフトクリームを食す。ソフトクリームは「期間限定1巻サービス中」とのこと。結構結構。おいしくいただく。18:00に高速を降りて19:50帰宅。養老乃瀧に出陣した。生ビール1杯と、チューハイをジョッキと並で各1杯ずついただき、独り打ち上げとした。疲れて22:30に就寝。

 「過去2回のリベンジを果たした」といっていいのかどうか・・・完走したので、しかも22kmあたりからペースが落ちたのに最後まで走り抜いたので満足感は強い。一方で、SUB4には遠く及ばず、またkm6’00ペースの4:13も下回る結果である。タイムは満足できるものではない。まだフルをマイペースで走りきる脚力はないのだろう。ちなみにGさんは4:09台でゴールしていた。結局3kmで抜かれてから後姿さえも一度も拝むことはできなかった。完敗だな。勝負していたわけではないけど。
 振り返れば、8月末から、「真夏で失速した遠野ハーフ」、「涼しかったとはいえ後半ペースアップした玉山ハーフ」、「トライアスロンのリレーというプレッシャーのかかった10km」と3週続けてのレースから、さらに4週目のフルであった。特に遠野は最後にばてており、内臓疲労等もあったはずだが、充分静養を取ったとは言いがたい。
 フルに臨むには準備がお粗末であったかもしれない。

 また、このコースはきっつい。前半20kmはかなりのアップダウン。後半の20kmは湖畔であるから平坦なところが多いものの、35km過ぎの「壁」、およびその下り坂は相当の負荷がかかる。高低差は100m近くもある実に厳しいコースであった。
もし今年完走できなかったら、来年の出場は微妙であるから、相当な悔いを残すところであった。そういう意味ではやはり今年の完走は意義深い。

 次回のフルは10/21の北上。ここも厳しいコース。今回同様、前夜にアルコールを抜き、「ストレスフリー&リズム」を心がけて臨みたい。


【5kmごとのラップ】
00~05km  28’26  順調。抜かれても気にせず。
05~10km  28’37  順調。ストレスフリーを我が身に言い聞かせる。
10~15km  28’58  順調。園児や女子中学生、保母さんのハイタッチで気分上々。
15~20km  27’49  ちょっと4時間を意識して上げてしまった。
20~25km  30’07  前半の山場とも言うべき上りもあるので想定内。
25~30km  31’37  平坦なのに・・・トイレタイム0;30も含むとはいえ。
30~35km  33’34  安定はしていたが遅い。
35~40km  34’23  前5kmとの差は「壁」の有無だけ。遅いなりに安定。
40~GOAL  14’45  最後2kmで失速。それでも歩かずゴールに辿り着いた!
                               以上

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