見出し画像

09年2月1日 口熊野マラソン

 14回目のフルは初めての口熊野。45歳。前半登り、後半下りを上手くクリアできてSUB4叶う。SUB4生涯勝敗は4勝10敗となる。

 スタート&ゴールは和歌山県西牟婁郡上富田町。西牟婁郡には、観光地として名高い白浜も属していて、上富田はその隣町。「口熊野」とは「熊野の入り口」という意味だそうである。なんで「熊野口」じゃないんだろう・・・
 2月1日開催のこのレースにエントリーしたのは、2月15日の青梅30kmに出られなくなったから。青梅には29歳のときから毎年エントリーしていて、欠場したのは1度、雪で中止が2度。「今年で14回目の出走だ」と楽しみにしていたのだが、勤務先の仕事旅行と重なってしまった。いまどき仕事旅行なんてやっているところはあるのかね。ま、しょうがない。

 口熊野に話を戻そう。
 このコースは、上富田町から和歌山県新宮市に向かう国道を使用する。紀伊半島の下半分を横断する感じの国道の1/4位を往復する勘定かな?下見ではないが何度も仕事で通過している。折返し地点は「こんなところまで来るのかよ~」って感じ。スタートから川沿いに山に向かうコースで、標高差98m!「ここが山場!」というような劇的に大きなUP&DOWNこそないものの、前半の上りで無理をすると相当なダメージが残るのは明らか。

 前週にハーフを走っている。同じように前週にハーフを走った11月の淀川フルは、28kmから遠足してしまった。そのときは前週のハーフで自己ベストを出してご機嫌だったにも拘らず・・・二の舞は踏みたくない。
 よって休養を最優先と考え、ハーフの後、月~水の3日間は走らず、木曜だけは朝5kmを走る。梅林の花がほころび始めていた。まだ1月なのにやはり南紀は暖かいんだな~。で、金、土も休養にあてストレッチのみ行う。
 前日土曜、朝はチャーハン、昼はウドン、夜はスパゲッティを自炊し、それぞれ大盛りで食す。カーボローディングはバッチリだ。アルコールも抜く。23:00には就寝した。
 当日朝の起床は6:20。天気はいい。しかしながら昨日まで雨を降らせていた低気圧の影響で風が懸念される。前日も当日も、関東、東北は大荒れであったそうだ。
 7:40頃には会場着。河川敷の駐車場から会場までは徒歩5分ほどか?受付を済ませ、上富田文化会館に入る。まだ人もまばらで、更衣室にあてられている会議室のデスクの一角を確保した。温かくて助かる。
 9:00、スタート1時間前のこの時点で給水は終える。あとは温かい館内でストレッチ&準備運動。9:45外に出る。寒い!スタートライン付近にはすでにランナーが集まっている。群集に入ると風がさえぎられるから寒くはない。立ち位置は「3時間~4時間」。

 10:00BANG!何の前触れもなくレースが始まった。ここに立てていることを感謝。
 スタートライン通過は37秒。大混雑だが慌てずに進む。混雑の中では徐行。集団の左端に出ると向かい風が強い。真ん中に戻る。2km通過が11’01(av5’31)。スタートの混乱を加味すれば早いかな?楽なペースに落とす。5kmまでの3kmを16’18(av5’26)、5km通過が27’56。SUB4を目指すには28’25平均で行く必要があるからまずまず。
 7kmまでの2kmは11’14(av5’37)、10kmまでの3kmは16’44(av5’35)、この5kmを27’58。うん、こんなペースだろう。このあたりで100mくらい前を走っていたランナーがぶっ倒れたようだ。何人かが群がって係員を呼んでいた。ただすでに本人が立ち上がっていたようなので私は横を通過した。ちょうど知人と前後していて「大事がなければいいですね~」とあまり心のこもっていない会話をした。
 12kmまでの2kmもav5’37、15kmまでは登りがあってもav5’39、この5kmを28’09。17kmまでは登って下ってav5’44。熊野古道の入り口といわれる滝尻王子付近のトンネルでは救急車とすれ違う。「トンネルだと救急車の音ってこんなにうるさいのかよ!」って感じ。耳にワンワン響きまくっていた。それも相当長い時間・・・・
 20kmまでの3km avが5’38、この5kmが28’21である。無理はしていない。無論流しているわけではない。ハーフ地点を1:58ほどで通過。「登っているはずだからこれで充分」と自らを納得させる。そろそろ折り返しというところで友人Mさんを発見。お互い声をかけてすれ違う。
 折返し手前で、4日前にお目にかかった取引先の方が交通整理をされていた。「○○です」と挨拶して通過。折り返す。
 折り返したら、明らかに前が下っている。なんか嬉しくなって「よ~し!」とスイッチ点火!気持ちペースを上げる。折返し直後の23kmまでは3km av5’31なのに、下り始めた次の2kmはav5’18と跳ね上がる。この5kmは27’07。折り返してからガンガン抜きまくる。たぶん17kmくらいから誰にも抜かれていない。友人Mさんは26.6km給水で抜き去った。こんなに早く追いつくとは思わなかったけど。
 27kmまでもav 5’22、登りのある30kmまでもav 5’36でクリアし、この5kmは27’33。ここの登りは幸いにも追い風。向かい風だったらかなりの難所だったろうが運が良い。30km通過は2:46台。「残り12kmを1:13。6’00ペースでSUB4か!」と先が見えてきた。ただし、失速すれば直ちにkm7’00、8’00までペースが落ちるのだから油断は禁物。
 30km過ぎると大きな下りが待っていた。次の2kmはav 5’16まで再度戻す。32kmから先は1kmごとに計時する。5’17、5’15、5’10と快調に足が伸びる。もう牛蒡抜きと言っていいだろう。35kmまでの5kmは26’13。後から記録をまとめていてわかったのだが、今日の5kmラップは、この区間が一番よかった。下っているとはいえ快挙だな。
 36kmまでは5’17。ここで足の疲労を感じた。残り6km、ガンガン突っ込むほどの勇気と自信はない。気持ちペースを落とし、「腰を高く保ち前を見よう」と心がける。5’35、5’40、5’40とLAPは落ちるがまだ失速状態ではない。今日のシューズはMIZUNO ELIXER。軽くはないがクッション性があるので心強い。これで正解であった。川沿いで時折激しい向かい風も吹くが負けずに進む。次も5’40で40km通過。この5kmは27’51。タイムは3:40台。やっとここでSUB4を確信した。次の1kmを5’34で走り、ラスト1.195km!ペースを気持ち上げて橋を渡る。なんと!この橋の向かい風がエグイ。最後にこの風は残酷だ。それでもガシガシ進む。朝、車を停めて歩いてきたところに出る!さらにペースを上げる。ゴールゲートが見えてきた!最後はダッシュと言っていいだろう。ゴーーーーール!
 最後の1.195kmも6’18(av5’17)で片付け、ネットタイムは3:52’○。自己歴代2位の好タイムであった。

 ゴール後はへたり込むこともなく、直ちにストレッチ開始。体を伸ばしながら回想する。「前半ハーフを1:58だったから後半は1:54台か!いくら下っているとはいえ、後半ペースアップできたなんてスゴイ!」「ベストの3:49は平坦な東京。それに比べたら今日は標高差98mとはるかに厳しいコース!で、このタイムはいいぞ!」「昨年11月の失敗レース2つのリベンジができた!」と賞賛の嵐を我が身に浴びせる。要は「自画自賛満足満足」。
 ストレッチを終え、控え室に戻る。汗を拭い、ゆっくり着替える。会場をあとにしたのはゴールから1時間後であった。
 全然お腹は空いていないが帰り道でラーメンを食らう。まずかった。
 15:30頃かな、スーパー銭湯に立寄る。まず汗をじっくり出して、そこから下半身を水風呂で冷やす。「フルのあとはアイシングでっせ」というアドバイスに従ってみた。サウナも入らずに水風呂というのも体に悪そうだが、確かに火照った脚には気持ちいい。
 帰宅後は、甘いものとしてどら焼きを食して、しばし体を休める。膝養生としてサロンパスを貼付。水風呂と併せてどうなるか!!
 19:00近くになり、一人祝勝会として焼鳥屋に出陣。でもフルのあとでは、さすがの私もアルコールを受け付けない。生ビール2杯、焼鳥8本でお開きとした。
 夜は21:30頃布団に入ったのだが、体が興奮しているのかなかなか寝付けなかった。翌朝は6:00過ぎに自然と目が覚めた。全身がだるいがどこも痛くはない。水風呂&サロンバスの威力は絶大であった。今後もケアしていこう!

 と、書いて完結するはずなのだが、翌月曜日の夕方からどうしようもないくらい体がだるくなった。熱っぽいくらい。やっぱフルはえぐいな~。だから月曜も早く寝た。で、火曜に目が覚めるとナント膝が痛い。やっぱりフルはえぐいんだ~。今後のケアはさらに慎重にやろう!

 前後の流れのレポートは完了。ただ、他にもトピックスがある。フルだと、レース展開の記憶が前後する。したがって箇条書きにて列記する。

◆Sさん
 札幌のランナーでは知らない者はいないだろう。7km地点くらいだったか、目の前を特徴のあるフォームで走っている!追いついて「札幌のSさんですよね?」と声をかけた。「あら、どちらでご一緒しましたっけ?」「私1999年から2003年まで札幌に住んでいました。近郊のレースには殆ど出ていて、必ずSさんもご夫婦で参加されていましたよね。今日はご主人は?」「今日は一人」と一応会話は成立。その後5kmくらいは前後して進んでいた。「この人についていけばSUB4は可能だろう」と思ったが、結局10km過ぎて前に出てしまった。Sさんの前に出るなんて札幌時代では考えられないことである。結局Sさんは私の2’28後にゴールしていた。さすがではあるが、私は初めてSさんに勝ってしまった!札幌時代は歯が立たないほどの差があったのに・・・。私もレベルアップはしているが、Sさんはお幾つになられたのだろう。シルバーのタイツを後ろから追いかけているとき、お尻の筋肉が落ちていることには気が付いていた。老化は誰もが進む道とはいえ、なんか寂しいな~。
◆赤鬼
 6km手前位だったか、足元にどでかい頭の影が迫る!「何事か?」と思って振り返ると、赤鬼仮装の中年女性ランナーだ!「影でびっくりしたよ~」と訴えたら「ホンマやな~」とカラカラ笑いつつお友達とおしゃべりしながら走っていた。真っ赤な上下にタイツは寅柄。カツラは真っ赤なアフロに角が立っていた。考えたら、中年女性の仮装ってあまり他では見ない。これが関西のオバハンか?
 ただ、この赤鬼とお友達の二人連れ。侮れない。ここからスーッと前に出て行った。途中、14km地点でコースアウトしている二人を一度抜いたが、またすぐに抜かれた。お友達は格好は普通なのだがマスクをしたまま走っているし、苦しくないのか?ホントに二人で買い物にでも来ているような雰囲気でおしゃべりを続けていた。
 再度追いついたのは34km地点。相変わらずおしゃべりしている。私が追い越す。赤鬼の携帯がなる。ごくごく普通に通話している。相手は家族みたいだ。思わず噴き出して、振り返り笑いながら「すごいね~。一所懸命走っているのがバカらしくなるよ」と訴えると「ごめんなぁ、御飯がどこにあるかわからないって言うんや」だと。すんごいオバサンだ!
 で、直後に応援の人が沿道にいたら、迷わず立ち止まって井戸端会議に花を咲かせている。ホントに買い物気分だよ。それでいて、ゴールは私の3’30後。本当はかなりの実力の持ち主なんだろう、二人とも。
◆Mさん
 ひょんなことでお友達になった。同世代。
 東京マラソンは07年、08年とヒヨコ、メイドの仮装で出場されていたそうだ。100kmウルトラも毎年走られているそうで、スタミナでは全く歯が立たない。スピード(といえるほどのものでもないが)は私が上回っているようだ。
 今日は、スタート直後から先行された。折返しで300mほどの差と認識(あとから1’28差と判明)して、追いついたのが26.6kmの給水所。追いついたら暫くは後ろに付こうと思っていたのだが、私は給水所直前の下り坂で加速度がついており、一方Mさんはサプリメントを給水で飲むために急減速していたので、一気に抜いてしまった。
 今回は私の勝ち。今後よきライバルとして競い合っていけそうである。
◆サプリメント
 福知山ではスタート時間に追われ携行するのを忘れた「ザバスグリコーゲンリキッド」。今回は23km、34km位で確実に摂取した。最後まで走りきれたのはこのサプリに負うところも大きいのであろう。
 また、スタート15分前に一気したゼリー。なかなかエネルギー補給がうまく行った。
◆給水
 今日の最初の給水は9km過ぎ。スタート直前にゼリーを一気していたので問題はなかったが、念のため立ち止まって確り給水した。その後の給水所でも歩くように減速して確実に給水をとった。最後までエネルギー切れを起こさなかったのは給水も成功だったんだろう。今後もフルの場合は確り給水しよう。
◆近藤真彦(マッチ)
 今日のレースに参加していた。お忍びで。しかし、近藤真彦って本名なんだな。しかも住所が「東京都目黒区」でバレバレになっていた。4:20ほどでゴールしたら会場が騒然。「全くのプライベートだから・・・」と言いつつ、壇上に上げられインタビューを受けたそうだ。人気者はつらいね。Mさんから写メをいただきました!!
 しかし世の中マラソンブームだ。マラソンに人気が出るのはいいが、まったく走ったことがない奴が東京マラソンに申し込んだと聞くと腹が立つ。マッチのように確り走ってから、少なくてもせめてハーフくらいは走ってからにしてほしいよな。いたずらに倍率が高くなるのは許せない気持ちである。

 今日の総括。
 5km毎のLAP。5-27:19、10-27:58、15-28:09、20-28:21、25-27:07、30ー27:33、35-26:13、40ー27:51、L-11:52。前記の通り(下りとは言え)35kmのLAPが一番良いのは嬉しい。初めてのネガティブスピリットであった。                                                
                               以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?