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「風景画みたいだけど、読んでて面白い小説」書いてんだよ #風景画杯

白蔵主さんが主催された、なんにも起こらないけど面白い小説杯「風景画杯」。「あんなに月が綺麗なのに今夜は月が出てない」を、栄えある第一回優勝作品に選んでいただきました。

https://note.com/haxose/n/nfa0b424775eb

こちらの、ジュージさんの作品「指を拾う」とダブル受賞でした。なんという、もう、勢いやらクオリティやら。何も起こらないのにドキドキ読める静かにぶっちぎったお話です。

https://note.com/juji_nekogasuki/n/n1ed54cecb4a0

そしてこちら、白蔵主さんによる全作品レヴューがまた、唯一無二な「短編集」になってるんです。レヴュー読んでから作品読んだり、作品読んでからレヴュー読んだりしているうちに、ちょっと気がくるってきます。オススメです。

https://note.com/haxose/n/nc296c67680ee

まさか、こんなうれしい結果になるとはおもってもなかったので、しばらく、ほえ〜っとしてましたが、せっかくだし、レシピ的な記録をしてみようと思います。

この作品は、新作ではありますが、原作は、2020年、はじめての「緊急事態宣言」のもとで、まさにステイホーム。家の中で書かれました。一気に書かれました。世界中でリアルなコロナ禍日記が発表されていますが、あのとき、わたしは、日本の都市のとある家の中で疾走してるひとのフィクショナルな日記を書きたいと思ったのでした。すると、なんと、何も起こっていませんでした。人類が記録的な出来事に見舞われているというのに。まるで、作品の中に出てくる「帰省の風景」のようでした。

「風景画杯」を知って、あ、風景画杯だ!って、思いまして。

じつは、最初はもっとたくさんの断片が繋がれていて長く、そして一人称で書かれていました。風景画杯に応募しよ! と決めてから、距離感を変えたくなって、主人公の名前を考えて、さささっと人称を入れ替えました。小川って名前はかなり気に入りました。自画自賛。そして冗長な断片をざくざく削って半分くらいに。そこらへんは、あっという間にできました。

実体験によるものなのか、否か? と白蔵主さんが書いてくださってますが、おそらく、これはよくあることで、9:2くらいで、フィクション:リアル。なぜか11。計算したわけではないのですが、だいたいそんな割合になるタイプのようです。で、願わくば「ぜんぶフィクション」と読ませたいという算段です。すげ〜〜性癖とか書いてる小説家が、死ぬまで、自作はすべてフィクションと言い張ってて、後に、いろんな人が証言して、やっぱり実体験やったんちゃうん?? みたいなこともよくあることで、黙っときたかったですが、なんで書いてるの? w

最後に、白蔵主さんが選評に書いてくださった『このタッチで、いま、この風景画が描かれた、ということをわたしは覚えておきたいと思いました』ということばに、わたしは、驚いて、このうえなくよろこびました。『何のためってわけではないけど描いといたほうがいい気がする』という衝動がスタートでしたから。

この記事のタイトル『「風景画みたいだけど、読んでて面白い小説」書いてんだよ』は、白蔵主さんからいただきました。歴史的な新ジャンル企画を、ありがとうございました。

たのしかったです〜。

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