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まもなく、昆布漁


すっかりご無沙汰してます。七月七日、広尾町は昆布漁の解禁日一週間前となり、期待感や駆け引き、今年の様子を考察する漁師たち。この時期特有のピりつきを感じつつ、浜は活気付いて来ています🌊

船に船外機を取り付ける先輩の様子



さて、自分にとっての昆布漁とは、この7月15日解禁の船で採る昆布漁のことをイメージしています。(その他、通年操業可能な拾い昆布漁もあります)

黄金道路から眺める昆布漁


限られた期間、天気が良くて波がない凪の時にのみGOサインの出る昆布漁。コンディションが整うのは年間でおよそ10日程度で、一日当たりのウェイトがとても重たい日となっています。

父と自分が本格的に参画して6年程度、互いにキャリアはゼロに近く、どうせ始めるならと最初から船頭を任される事に。どこで採るか、どう段取りするか、ほぼすべて任されているのでこれがまたプレッシャーに…。同時に、自分の意思決定でその年の水揚げ金額が決まり、努力次第でどこまでも伸びる可能性がある。これは働きに行っていると感じられない楽しさもあり、良いも悪いも併せて充実感たっぷりな仕事ですね。

採った昆布は昆布浜へ
老若男女問わず、全員で行う昆布干し作業



この地域の始まりと共にあるとされる、昆布漁。周りを見渡せば、代々続いて100年を超える経験の蓄積を誇る先達に、たかだか数年のキャリアで挑みかかるこの無謀さよ(笑)
そんな昆布漁も、平均年齢は60歳を超え、高齢化や働き手不足が深刻に。互いにライバルであるからこそ、知識の共有もなく、この先の地域の持続性を考えたときに業界の未来はどうなるのか?という不安も尽きません。

操船技術、鉤竿の入れ方やかかる昆布を見ての生息地の特定。品質の良し悪し、風向き、潮の流れ、親父と自分の息の合わせ方、年間10日でどれだけ進歩出来るかなんて、時間はあっても足りなさ過ぎるくらい、学びは多くて複雑です。

竿にかけた昆布の方向から場所の特定をする


それでも、船を替え、道具をグレードアップさせ、ようやくそこそこの仕事ができるようになり。それでもまだまだ雑魚レベル。そこはもう、生涯学び続けるのみ。
いつか胸を張って、この地域と共に誇れる昆布漁に従事する本物の昆布漁師へなれる日が来ることを願いつつ、今年も気合入れてやっていきたいと思います。

お客さんを乗せて緊張気味の自分


人には人の、自分には自分のカラーがある。出来損ないの逆襲2023、今年もスタートです。

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