InuBouz

ドイツ文学科卒。趣味はカラオケ、ギター、哲学書を読むこと。職業はSEです。

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最近の記事

結末はアウトソーシングで

目標をセンターに入れて、ホップ・ステップ・ジャンプ… 目標をセンターに入れて、ターゲットに入れてホップ・ステップ・ジャンプ… 昔のお前は輝いていた。だのに今のお前と来たらどうだ。光り輝いていた物干し竿は艶を失い、お前の足と来たら、掘り出された遮光土偶のようではないか。 ところで、俺は大都会のうさぎ小屋に住んでいる。 その狭さと言ったら、リングフィットアドベンチャーでプランクをしろと指示をされた日には、諦める他ないほどだ。 カーテンは締め切っているので、部屋に光は入らず、常に

    • にーちゃん

      兄ちゃん、聞いて下さい。 あなたの服からダウニーの匂いがしてきて、家の煙突のチムニーからは煙のにおいがして、スーパーで買ったマロニーちゃんは何の料理に入れていいのかわからない。 兄貴、教えてくれよ。 ウユニ塩湖に映る青い空より、池袋の北にある寂れたホテル街のほうが100倍美しい理由を

      • ちょっと、そこのあなた

         日も傾いた逢魔が時、すれ違った紳士に声をかけられた。 彼は黒のシルクハットにマントを羽織っていた。 「あなたの肩のオドラデク、萎れていますよ」  そう言い残すと紳士は足早に立ち去っていた。 驚きながらオドラデクを見ると、確かに萎れていた。 いまや干からびた椎茸、いや、死にかけのジジイのチ〇ポのようだった。  悲しみのあまり、涙が溢れた。 健やかなるときも、辞めるときも 富めるときも、貧しいときも、 共にいると誓った彼のその姿に。 「元気になれっ…!」  僕は懐から

        • トラよ、トラよ

          おまえは誰だ おまえは誰だ 鏡にそう問いかける おれは誰だ おれは誰だ 鏡にそう問いかける 鏡の中の顔が崩れて形を失う 混沌の境界が音もなく笑う おれは誰であいつは誰だ いや 見たことがある  見たことがあるんだ そうトランプだ あいつこそはドナルド・トランプ 青い鳥が撃ち落とされて 北極の氷が溶けだして 100万年の眠りから目を覚まし ディープステートと戦うために蘇る Oh Make America Great Again Make America Great Ag

        結末はアウトソーシングで

          ジョジョ七部を読み返して。

          突然だが、私はジョジョが好きだ。 特に七部がお気に入りで、よく読み返す。 僕にとっては、一番キャラクターの魅力を感じられた部だからという所があるかも知れない。 基本的にジョジョのキャラクターは皆自分の意志に忠実に動く人間が多く見えるし、善かれ悪しかれ一つ信念を持っているのがデフォルトといってもいいかも知れない。 かっこよくて魅力的なキャラクターはどの部にもいる。 承太郎、ジョセフ、DIO、吉良吉影、露伴先生、康一くん… 七部の主人公の一人である、ジャイロももちろん

          ジョジョ七部を読み返して。

          彼方より

          思えば、遠くまできたものだ。 俺はすべてを捨ててここまで来た。 生業も、友人も、親も一切を捨てたのだ。 ただそうしてもよいということに気づいただけで、深い理由があったわけではない。だが、変わり映えのない日々に飽き飽きとしていたのだろう。 俺は今も一人で当てもない旅を続けている。 ある日、名もない山道を歩いていると、道の真ん中にロバが蹲っていた。 「大丈夫か」 声をかけるとロバは鬱陶しいと言わんばかりに顔を背けた。 「やめろ、やめろ。くだらぬ同情はいらん」 「

          彼方より

          煩わしき太陽と、かわいい子犬

          あまりに運動不足なので、昼休みに外に出てみた。 久しぶりに太陽の下に出た僕は、あまりの眩しさに目を開くことができずに、手を空に向けて「ぐああああ」と唸りを上げた。 さながら、それは陽を浴びた吸血鬼のようであった。 なぜ、陽の光とはこれほどにも煩わしいのであろうか。 昔から僕は、根っからの夜型人間であり、「太陽の光を浴びなければ元気が出ない」という人の気持ちがわからなかった。どちらかというと満月を目にして遠吠えする狼の気持ちの方がよほどわかるくらいだ。 もし、天上から

          煩わしき太陽と、かわいい子犬

          今日の見た夢 06/18

          僕が目覚めた一室は、明るい木目の材質で出来たフローリング、壁は真っ白、窓が一つあって緑色のカーテンがおりていた。 よくよく見ると地面には町のジオラマみたいなものがあって、そこに敷かれている線路をひっきりなしに模型の電車がぐるぐると走っている。 「~やっぱ日々はいかんせんこう、そつなくこなしてちゃNONO~♪」 意識が覚醒してきて気づいたが、某バンドの曲が部屋中に大音量で流れている。 「よお」 そこには、TAKUYA∞がいた。 「この部屋は俺の友人の部屋で、借金の返

          今日の見た夢 06/18

          蜘蛛はかわいい①

          蜘蛛はかわいい。 まず足だ。あの四対八本の足は昆虫から仲間外れにされた証でもある。 あれをわさわさと動かす姿の愛らしさったらない。 そしてたまにぴょんっと跳ねると一瞬で僕たちの視界から消える。 彼らは、忍としての後継者たる能力も身に着けているのである。 次に綺麗好きなところだ。 彼らは獲物を食べる時は消化液で溶かしてから液状にして啜って食べるし、またその消化液を以て自らの身体を手入れしている。 僕らが部屋で見かけることがあっても、彼らはちゃんと身ぎれいにしてから

          蜘蛛はかわいい①

          狂人 in 梅田①

          「は…?」 ある言葉が、俺の顔を一瞬で青ざめさせた。 「延長は、できませんねえ」 俺は宿すらも取らずに大阪の梅田に降り立ち、ネットカフェに暫く寝泊まりしていた。特にそうしなければいけない必然性などという物はなく、単に探すのが面倒であったのと、宿代をケチったからに他ならない。 「1400円になりますね」 俺は、真夜中3時にネットカフェから放り出された。 ――――――――――なんということだ。 3時に電車やバスが走っているわけもなく、新宿にもよく似た雑多なこの町にも

          狂人 in 梅田①

          今日見た夢

          家族と飛行機に乗って千葉県の映画館に行った。 映画館の受付でなにやらチケットを渡されて、 「引き渡しは上の階になりま~す」 と言われた。(引き渡しってなんだよ…チケットはもうもらったじゃないか…)と思って上の階に行ってみると、そこには魑魅魍魎が跋扈していて、謎のキラキラした石が地面に散らばっていた。 「落ちているアイテムを拾うのはTキーだぜ!!」 という謎のチュートリアルボイスが聞こえ、(Tキーだったのかぁ)と思いながら脳内のキーボードをとりあえず連打しながら歩いて

          今日見た夢

          リモートワークの近況②

          ところで、リモートワークも常に死と隣り合わせである。 そこで一番気を付けるべき事とはなんだろうか? Zoomを使っている時にマイクをミュートにし忘れていたり、メールチェックを怠って連絡を返せていなかったり、不届きものならば仕事中に酒を飲まない、サボらないようにするなどであろうか? 僕が思う一番気を付けるべきことは"服装"であると思う。 何も「スーツを着ると心が引き締まる」だの「心の乱れは服装の乱れ」といった精神論を言っているわけではない。 例えば僕はパンイチで仕事を

          リモートワークの近況②

          リモートワークの近況①

          リモートワークが始まって変わったことがあるとすれば、酒をほとんど飲まなかった僕が結構飲むようになったことである。 最近ジョニーウォーカーの赤を好んで飲むのだが、友達と通話しながら 「セメント入れてくるわ」 「セメント飲むぜ!」 などと符丁で話す有様なのだ。 言うまでもないが、もし本当にセメントを飲んでしまっていたら、こんなコメントを打っている僕は今ここに存在していないだろう。 ささいな一歩を間違えれば、生命は簡単に失われる。 いわゆる、memento mori

          リモートワークの近況①

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          仕事場では地蔵で通している。 まさに動く地蔵である。