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【2023年以降、観るかもしれない映画】

今年、2023年は大傑作『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を観てしまったので、これから先に期待してる作品なんて、アニャ・テイラー=ジョイの『フュリオサ』ぐらいしかないな、と思っています。

なぜなら、おととし『マトリックス4』を観てがっかりし、昨年『アバター2』を観てがっかりした辺りから、もうワクワクするようなエンターテインメントの世界は終わってしまったんだと痛感しました。むしろ、私は80年代や90年代の黄金期の映画や音楽を肌で感じてこれた、ギリギリ幸せな世代なんだろうなと思い、残りの人生は過去を懐かしみ慈しみつつ生きようかなと思う次第…。

と、さみしいことをつぶやきましたが、そんな中でも少しは気になる作品がポツポツとあるにはあるので、一応、今後観に行く予定の映画をまとめておきます。

① 6/30公開『インディー・ジョーンズと運命のダイヤル』



上映時間 2時間34分
お爺さんインディには全く興味がないのですが、この映画を観に行く理由としたら、アントニオ・バンデラスが出ていることと、ジョン・ウィリアムズがテーマ曲だけでなくちゃんと音楽を担当していることです。それから監督が近年『LOGAN/ローガン』『フォード vs フェラーリ』など見応えある名作を撮っているジェームズ・マンゴールド監督なので、少しだけ期待はしてます。(初日に観に行きました。感想は別記します。)

② 7/14公開『君たちはどう生きるか』


宮崎駿監督が引退宣言を撤回してから撮り始め、コロナ禍の中作り上げた映画。製作発表があった2016年あたりから、完成まで7年近くかかっています。キャストやインタビュー、予告編など一切情報が無く、昨年、謎の鳥が描かれたポスターが一枚公開されただけです。

最近、鈴木敏夫プロデューサーのスキャンダルのせいで、ジブリは大変なことになっているようで、正直ちゃんと公開されるのかという不安もあります。しかしそういった情報は抜きにして、今、宮崎駿氏が作品を通して何を言いたいのかは、すごく気になります。(※ 米津玄師が声優か主題歌か担当しているのでは、という情報が流れ、ちょっと興味が下がりました…)
上映時間 2時間5分

③ 7/21公開『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』


今年61歳になるトム・クルーズが全力でアクション映画を撮り続けてる、というのはもうなんというか…。『インディ』もそうですが、もうそろそろ休ませてあげなよ…と、思ってしまいます。ただ、トムのプロデューサーとしての手腕は見事で『トップガン・マーヴェリック』の公開日の設定や、『ミッション・インポッシブル』でも撮影現場のスタント映像や予告編を小出しにするなど、盛り上げ方はホントにうまいです。そして近年、トム・クルーズこそが人々を映画館に呼び戻したと言ってもいいくらい、エンタメ界に貢献している人物なのは間違いないですね。そんな訳で心して観に行きます。しかし上映時間が2時間43分で、しかも「パート1」ということは、引っ張りきって完結しない、てことでしょうから、みなさんいろいろ覚悟の上で観に行きましょう。

④ 7/21公開『オッペンハイマー』


上映時間 2時間30分
クリストファー・ノーラン監督の前作『TENET』は設定が複雑過ぎでした。その前の『ダンケルク』はシンプルでわかりやすく、力強いメッセージを持った傑作でした。順番からすると今回は傑作になるハズですが、原爆がテーマ、ということは絶対に重たい映画でしょうし、日本人としては何とも言えない感情があります。正直、空調の効いた快適な空間、快適な椅子に座り、大迫力の画面と爆音で原爆の脅威を味わうなんて、とてもおこがましいと思ってしまうのです。原爆の恐ろしさや悲しみを知るならば、日本には『黒い雨』『この世界の片隅に』などの映画があります。市井の人々の生活が一瞬で奪われる悲しみ、それがしみじみとしっかり伝わる作品であれば意義はあると思いますが、なんとなくアメリカ映画が描く核というのは、どちらかというと爆弾の威力やスゴさを強調して描いていて、人間にフォーカスが当たっていない気がするのです。思えば『インディ4』にも核実験のシーンがありますし『ダークナイトライジング』にも核爆弾が登場しますが、その描き方や扱い方はとても雑に見えます。
『オッペンハイマー』は、戦争の脅威が現在進行形である今だからこそ作られた映画なのでしょうけれど、もし戦争のことを伝えるとしたらクリント・イーストウッド監督の『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』のように日米双方から描く冷静な視点が必要なんじゃないかと思います。果たして、ノーラン監督の最新作はどんな映画でしょうか。

⑤ 7/28公開『さらば我が愛 / 覇王別姫 4K』


上映時間 2時間51分
チェン・カイコー監督の名作が公開30周年ということで、4Kリマスター公開。神奈川県では「109シネマズ川崎」と、何とあの「ムービル」でやるらしいです。横浜駅西口の相鉄ムービルと言えば、私が子供のころからある相当古い映画館で、一時期閉館しましたが、今は東急が引き継いで経営しています。久々に昔ながらの映画館で映画を観てみたいと思っています。

=絶対に観ない映画= 8/18公開『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』



【閲覧注意】上映時間 1時間47分
デビッド・クローネンバーグのめちゃくちゃ気持ち悪い映画なんて、絶対に観に行かないのですが、なぜ気になるかというと、『グリーンブック』ヴィゴ・モーテンセンレア・セドゥが出てるのです。自分の好きな俳優が、え?あれ?なんでこんな映画に出てるの?て時々ありますよね。あと、最近ホラー映画が多くないですか?しかも本気で痛そうで怖そうなやつばかり。最近映画館で予告編を観てて、洋画のホラーが連続で来ると、あ~ぁ何だかなぁ、という気持ちになってしまいます。

⑥ 9/1公開『アステロイド・シティ』


上映時間 1時間44分
ウェス・アンダーソンはお洒落で音楽のセンスもいいので大好きですが、全ての作品がいいというわけではなく、私が好きなのは『ザ・ロイヤルテネンバウムズ』『ファンタスティック Mr.FOX』『犬ヶ島』の3本だけです。前作の『フレンチディスパッチ』は、とっても退屈な映画でした。この監督の映画のヴィジュアルはいつも、とてもお洒落な”絵本”なのです。なので、人形劇のようなストップモーションアニメがぴったりです。実写で豪華キャストを使って人形の様なとぼけた演技をさせても、なんだか物足りません。ウェス監督には是非とも、かわいい人形アニメを作り続けて欲しいと思うのですが、それだと予算がつかないんでしょうかね…。

=絶対に観ない映画=9/1公開 『こんにちは 母さん』


上映時間 1時間50分
山田洋次監督(91歳)の最新作です。巨匠には申し訳ないですが、もうホント早く引退した方がいいです。「男はつらいよ」の50作目があまりに酷く、「キネマの神様」はがっかりするのがわかっているので観てません。この最新作も予告編で言いたいことが丸わかり。あくせく会社でペコペコ頭を下げて生きるよりも、下町のおせんべい屋さんでのんびりご近所さんと楽しく過ごしながら、自由に恋とかしたりして生きようよ、と言っているのですが…。あまりにも時代感覚が無さすぎます。今、令和5年ですよ。もちろん、昭和を懐かしみ、あんな人情の時代があったんだよ、ということを言いたいのはわかりますが、それを今の時代の物語にハメ込むには無理がありすぎます。「男はつらいよ」は、寅さん(渥美清)という自由のアイコンがいたからこそ映画として成り立っていたのです。それもピーク時、というのがあります。寅さんでいったら、15作目~30作目ぐらいが脂の乗った時期でした。「インディ」「ミッション・インポッシブル」の話にも戻りますが、長く続け過ぎるとだんだん寂しくなってくるのです。物語はいつか終わる。巨匠もいつか引退する。それでいいじゃないですか。昔の名作を時々映画館で流してくれる、それだけで十分なのです。

⑦ 9月公開『ジョン・ウィック:コンセクエンス』


上映時間 2時間49分
前3作は、実は観たことがなく、髭げ面のキアヌもあんまり格好良くないなぁ、と思ってるのですが、いつの間にか超大作のシリーズ物になってました。しかも今作ではあのドニー・イェン真田広之キアヌが戦うらしいので、少し楽しみです。楽しみですが、気になるのが上映時間、約3時間…。舐めてますね。アクション映画で3時間て、単純に目が疲れるし、何よりもトイレに行けない、という映画館の観客を無視した配信メインの業界スタンダード、この流れは許せません。

⑧ 9月公開『グランツーリスモ』


テレビゲームの映画化なんて、普通なら絶対に観に行きませんが、これが気になるのは何と、あの名作『第9地区』ニール・ブロムカンプ監督の作品だからです。『エリジウム』『チャッピー』もなかなか良かった。すごく才能のある監督で、その後ジェームズ・キャメロンの太鼓判で「エイリアン2.5」の撮影準備を進めていたのに、リドリー・スコットの妨害にあっておシャカに。その後『デモニック』というホラーがコケて、もう終わりかと思われていた所にこのゲームの映画化の話。どういう経緯かわからないですが、なんとかヒットして彼が次の映画を撮れるようにして欲しいです。

⑨  10月公開『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』


上映時間 3時間26分
マーティン・スコセッシ監督×レオナルド・ディカプリオロバート・デ・ニーロの超大作。apple TV の作品だけれど一応劇場公開されるらしいです。NETFLIXの『アイリッシュマン』も劇場で観てすごい良かったから、ちょっと期待してます。しかしあの時も3時間半休憩なしで、かなり覚悟していったけどなんとか大丈夫でした。映画が面白ければ集中できて、トイレは我慢できるんでしょうけど、しかし頼む、休憩を入れてくれー!

⑩ 11/3公開『デューン part 2』


『デューン part 1』が、かなり眠たい映画だったので、たぶん次回は観ない、と言ったのですが、レア・セドゥが出るらしいのでちょっと観たくなってきました。でもこれまた3部作の真ん中だそうで、中途半端なところで終わりそうなので、やっぱり映画館までは行かないかな…。

⑪11/23公開  『首』

北野武監督は、淀長さんが最後に褒めまくっていた日本人監督です。そしてあの黒澤明監督との対談で「ビートさんの映画は、余計な説明が無いのがいいね」と言われた監督です。日本ではあまり評価されているとは言えませんが、海外で評判がいいのは、こだわりの画作りや色使いなど、独特な哀愁を持った感覚があるからでしょう。最近は「アウトレイジ」シリーズでヤクザ物ばかりでしたが、ここへ来て”本能寺の変”を描く時代劇なんて、やっぱり黒澤監督から受けた影響が大きくあるんでしょうね。しかし予告編を観ると、相変わらずエグい暴力シーンがあるのがちょっと苦手ですが。


⑫11/23公開『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』

唯一心の底から楽しみにしている邦画です(笑)
正直、今の邦画界は地獄です。バカなヤンキー映画やアホみたいにむずがゆい女子高校生の青春恋愛映画や、アイドル系のアニメ、ホラー、真面目なジャンルでも貧困、殺人、いじめものなど暗すぎる映画ばかり。もっと気楽に楽しめる映画はないんでしょうか。あります!ここに(笑)
前作『翔んで埼玉』が公開された2019年は、『パラサイト 半地下の家族』『万引き家族』が流行っていた頃ですが、正直、これらの格差社会を皮肉る映画で一番ぶっ飛んでて面白かったのが『翔んで埼玉』です。立ち上がれ!埼玉の民よ!(笑)今回の予告編でも「今ここで戦わなければ、日本全土が大阪になってしまう!」てセリフ、もちろんギャグで言ってる訳ですけど、案外深読みもできませんか?(吉本、維新、ブラックマネーが動いてそうな万博…etc.)そんな訳で、日本人必見のギャグ大作、期待しています(笑)

⑬ 12/15公開『ウォンカ』

『チャーリーとチョコレート工場』という、ティム・バートンの楽しい映画がありました。あの映画でジョニー・デップが演じていたウィリー・ウォンカの若い頃をティモシー・シャラメ君がやるそうです。そんな訳で年末はティモシーくん祭りになる予定。

⑭ 12月公開予定『REBEL MOON』

『スター・ウォーズ』を作り続けるディズニーにはホント辟易しますが、スター・ウォーズではない、新たなスター・ウォーズっぽいSFは、少し興味があります。スター・ウォーズの原点である黒澤の『七人の侍』をベースにして、ザック・スナイダー監督が一から創り上げるスペースオペラなんて、ちょっと面白そうですね。あの『クラウド・アトラス』に出ていたペ・ドゥナが格好良い役で出てるのも気になります。

【2024年1月~3月の「午前十時の映画祭」】

『バベットの晩餐会』


『ショコラ』https://youtu.be/DXTLVmFQ6Fs

『スケアクロウ』 https://youtu.be/qWwZbb-tl_4

『海の上のピアニスト』 https://youtu.be/lkRvi1b4HUE

映画館でじっくり観たい名作ばかり。
特に『スケアクロウ』(1973)は、私が生まれる前の年の映画なので、映画館でゆっくり楽しみたいです。そして、

===2024年公開予定の新作映画===

『メガロポリス』

フランシス・フォード・コッポラ監督が私財を投げうって作っている超大作です。『地獄の黙示録』の時のように撮影トラブルが絶えず難航しているようですが、なんとか完成させて欲しいですね。

『The Movie Critic(映画評論家)』

タラちゃん、10本目の引退作と言われている映画。1970年代に活躍したポーリン・ケイルという女性映画評論家を描くそうです。マニアックなタラちゃんがまた描く70年代、当時の映画や映画館がどんな風に出てくるのか、すごく楽しみです。

『つるばみ色のなぎ子たち』


『この世界の片隅に』片渕須直監督の次回作のアニメは清少納言のお話だそうです。ちょっと高畑勲監督『かぐや姫の物語』の様な、和の雰囲気で面白そうな予感がします。

『フュリオサ』


今年『アラビアンナイト / 三千年の願い』で私たちを楽しませてくれたジョージ・ミラー監督。大ヒット作『マッドマックス / 怒りのデスロード』の女隊長フュリオサの若き日をアニャ・テイラー=ジョイちゃんが演じるなんて、めちゃくちゃ楽しみです。今後の活躍が期待されるアニャちゃんの、きっと代表作になることでしょう。ちなみにアニャちゃんは、『スーパーマリオブラザーズ』でピーチ姫の声をやってるそうですが、そこまでファンじゃないのでマリオは観に行きません(笑)とにかく『フュリオサ』での彼女の雄姿を楽しみに待ちたいと思います。

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