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6月22日(土)開催 ながくて大学「人口減少社会における小学校の在り方」

先週、私が松下政経塾でお世話になっている「私立新留小学校設立準備財団」の代表の丑田俊輔さんと古川理沙さんが、ながくて大学のゲストとしてお越しくださいました!

なんと嬉しいことに参加者にゲスト級の方が何名かいらっしゃって急遽内容を調整することに‼️💦

超豪華な登壇者の皆様

写真左から
元文部科学省官僚でながくて大学の学長を務めてくださっている寺脇研さん、
フレネ自由教育に基づくフリースクール「ジャパンフレネ」の代表木幡寛さん、
私立新留小学校設立準備財団古川理沙さん、丑田俊輔さん、
私立新留小学校校長就任予定の花山潤治さん、
岐阜県山県市の服部和也教育長です。
花山先生は鹿児島から、木幡寛さんは東京から、服部さんは岐阜県山県市から
愛知県までお越しくださいました。遠方からありがとうございました。

人口減少社会において小学校を統廃合するべきか、存続するべきか」ということが大テーマ。

新留小学校について話をする様子

イベントの内容は、
丑田さんから秋田県五城目小学校の「越える学校」について、
りささんから「新留小学校」について、
服部教育長の小規模校を残しつつ各学校が連携して合同授業を行う「山県モデル」についてそれぞれ話を伺い、
元文部科学省官僚の寺脇研さん、木幡寛さんとのパネルディスカッションであっという間に会は終了。
公立、私立の枠を超えた本質の教育の議論、かなり貴重な時間でした。

さて、人口減少社会に伴う未曾有の少子高齢化の現代において、小学校の在り方はどうなっていくのが良いのか。
予算を効率化するために統廃合という選択を取るべきなのか。
はたまた予算がある程度かかっても小規模校として小学校は存続させるべきなのか。

岐阜県山県市の実践では、保護者が少人数学級で子どもを学ばせたいという声が上がったそうです。
子どもたち一人ひとりに向き合い教育実践を40年以上積み重ねてきた木幡さんは学び舎は12人が最適なサイズだとおっしゃっていました。
先生や保護者の立場からすると小規模のサイズの方が適切な教育を行いやすい場合が多いのかもしれない。私が公立の小学校で教員をしていた時は23,24人のクラスだったが、それでも一人ひとりの子どもたちに本気で向き合っていられたかと思うと今振り返っても難しかったと思います。(教員としてそれほど能力があったわけではないからかもしれないが。)
ましてや30人を越える学級で、個別最適化が謳われる昨今の教育現場の中で、本当に一人ひとりの子どもたちに向き合い伴走ができているのだろうかと常々思っていました。

またここが一番大事だと思いますが、子どもの学びの観点から見てもやはり小規模の方が個別最適化の教育が達成できるケースが多いのではないでしょうか。

小学校を教育以外の観点からも考えてみたいと思います。
会の中で寺脇さんもおっしゃっていた「番組小学校」。明治初期、京都の住民の出資によって設立された番組小学校は地域の様々なコミュニティ機能を持っていました。(こちら以前筆者が「京都市学校歴史博物館」で番組小学校について学んだことをまとめた記事です→ https://note.com/niidome/n/n0a7f944e365b
要するに、地域の「総合庁舎」としての役割を小学校が担っていました。

今、新留小学校で集落の方と関わっていても新留小学校が「子どもの学びの場」としての機能だけに収まらないことを実感します。思い出の共有地として、アイデンティティの拠り所として、地域コミュニティのハブとして機能していたと感じます。
新留小学校が廃校になる時に作成されたマクセルさんのCMの動画を見るとそういうことがひしひしと伝わってくると思います。
(マクセルさんの動画→https://youtu.be/E4ts4_u-thY)
自分の子どもではない子の卒業式に大勢の地域の人たちが集まる光景が物語っていると思います。

筆者は新留小学校設立準備メンバーとして鹿児島に移住し、
地域の方の生活から子どもたちが学べるように、
また地域コミュニティのハブとして小学校が機能するように、

新留集落の方々と共に生活をさせていただいています。

新留小学校は17年前の廃校になる最後の年は在校生3人でした。
「小学校は社会の縮図」とよく言われますが、確かにあまりにも生徒数が少ないと社会の多様性を担保できないでしょう。
しかし、10数人のサイズで個別最適化の学びを実践する。そして山県市のように、体育や音楽など個別以外の学びの場は隣同士の学校が集まって合同で授業をするという工夫もできます。

学校を残すということは建物の維持費、教員の人件費など多分にコストがかかるのは間違いありません。しかし、子どもの学び、教員の働き方、親の願い、地域福祉、地域コミュニティと分野を横断する複合的視点を持ち合わせた上で小学校の意義を今一度問い直す時にあると心底思います。

文科省は「地域とともにある学校」構想し、各自治体にコミュニティスクールや地域学校協働本部の設置を推進をしています。(https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2016/02/08/1365791_2_2.pdf)
適切なサイズの小規模校を残しつつ、形だけではない魂のこもった本当の意味での地域学校連携の実践が広がり、子どもの学び場として、地域コミュニティのハブとして最大限効果を発揮できるような「小学校」が全国に広がるように自分も尽力したい。

そう思った今回のながくて大学でした。

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