松田聖子の残した影響〜聖子フォロワーから考察〜
松田聖子が80年にデビューした新風は凄いものであった。
その後約2年に渡って、聖子フォロワーのアイドルが増加したのだから言うまでもない。
百恵や明菜のフォロワーは少数でわかりやすいのに対し、【聖子フォロワー】というのは定義が広く難しいような気がする。
私の考える聖子フォロワーとは…
聖子ちゃんカットであること(大前提)
「あなたについていく」系の恋愛を歌うこと
であろう。
この2つさえあれば、81年と82年デビューアイドルのほとんどが当てはまる気がするような…。
それだけ松田聖子の影響は多大だった。
聖子がアイドル業界にもたらした功績
逆を言えば、聖子の路線はまさに【アイドルとしての基本形】。
基本形であるため、バリエーションも豊富になる。
81年にデビューした伊藤つかさや松本伊代なんかも、(上記の簡単な定義で言えば)聖子フォロワーのはず。
だが、つかさはふわふわした空気感を持つロリータ系アイドル、
伊代はおもちゃ箱をひっくり返したようなキラキラ系アイドル
へと進化を遂げた。
82年デビューの中森明菜も、小泉今日子も、堀ちえみも、みんな最初は聖子を意識していた。
だが、3人ともその後は各々異なる魅力で、アイドルとして輝いたことは周知の事実。
B級アイドルの話になると、北原佐和子や新井薫子なんかも聖子を意識していたと思われる。
が、北原は優等生的、新井は爽やか、と
たとえ売れなくても、各々の個性がわかりやすかった。
いかに聖子が示した、【基本形】の世界がアレンジしやすかったかわかるだろう。
この頃のアイドルたちは、聖子の基本形を軸としながら、個々人の魅力を最大限に活かし、みな羽ばたいていった。
松田聖子の世界の特徴
聖子の明るくてアイドル然とした世界は、
①真似しやすく
②かつその人の持つ特色を活かしやすく
③しかも失敗もしにくい
という、当時の芸能人とスタッフからしたらなんともありがたいブームだったといえる。
この3要素には、聖子ちゃんカットも当てはまる。
真似しやすくて、個々人の良さが活かされて、失敗しにくい髪型。
これには、聖子ちゃんカットが流行ったのも納得!
松田聖子は普遍的な世界を、世の中に提供するのが上手なアイドルだったのだと、改めて感じる。
これはなかなかできることではない。
個性を世に出してインパクトを残すことは簡単にできても、
平和で当たり前のような世界観を、自分のものとして発表し、しかも世に流行らせるのは相当難しいことだ。
そんな難しいことを、聖子は歌手1年目にしてサラッと突破してみせたのである。
松田聖子というアイドルには、誰もを受容するような【真のカリスマ性】が備わっていた。
あとがき
聖子のアイドル像を食べ物にたとえると、そのままでも美味しい食パンだと思う。
聖子の食パンは、食べているだけで幸せな気持ちになる。
しかも、作りやすいレシピで皆から大好評。
さらに、いろいろな具材(=その人が持つ魅力)を乗っけたり入れたりすることで
色んな個性あふれるパン(アイドル)にアレンジ可能だったのだ。
誰もが幸せになり、自分らしく羽ばたいていける。
松田聖子はそんな【平和な世界】を、アイドル活動を通して提案したのである。
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