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一人でただ歩くこと

いつも散歩道を歩く。
時々黒猫さんと会ってしばしの時間を過ごす。

何度となく繰り返す。
歩くだけで怒りが止まらず汚い言葉を吐き出してのしのし歩くこともあったし、手足から気持ち悪いヘドロのような溜まったものを剥がすためにぶんぶん不手足を振り回して歩いたこともある。
うんざりした気持ちやどんよりした気持ちで歩いたり、いろんな気持ちを感じながら延々と歩いてきた。

最近はすっかり落ち着いて、私一人の気持ちを感じながら歩ける。

どうなるのかわからず、ただただ歩くしかなかった。
時間が解決してくれるとカウンセラーに言われても訳もわからず。

あれから三年。
ふと気がつくとなんとも軽やかな気持ちの私が歩いてる。

トラウマのトリガーを探すとか、インナーチャイルドを癒すとか、なんのことやらさっぱりわからなかった。

でも、やっと最近は平和になってきた。

やっと私一人の気持ちだけをみて歩いてる。

時々ふと不安や恐れが立ち上がってきても、それは消えていく。

今 何か起こってる?
今 何か困ってる?

自分に聞いてみる。

今 大丈夫。

それは私の生育の癖。
いつもいつも大人の顔色、機嫌を察していないと恐ろしいことが起こると言う私に染み付いてる恐怖。
誰も助けてくれない。一人でうまくやっていくしかない不安。

そんなものが染み付いてるから。
やっと心の底から嫌だとおもえた。
二度とこんなことをやらないと決めた。

ぐるぐると螺旋階段を登るみたいに同じようなところを回っていると思ってたけどなんとか少しずつ登れたみたい。

今 私は平和だ。
一人でいて、ここにいて本当に何も考えず、ぼんやりのんびり過ごせる。

こんな気持ちで一日が終わる日が来るなんて信じられない。
私にとってはそれくらい、今は気楽。

夫はとりあえずここから動かずに仕事は出来るらしい。
なのでしばらくはこのまま過ごせそう。

決まった場所、決まった店があれば大丈夫。

私は一人でやっていける。
誰のためでもない、自分のために。
自分のためなんかより人のためにしか使えなかった私を私のためだけに使うようになった。

誰の機嫌より私の機嫌を優先できる。
私の嫌を何よりも優先できる。
それに罪悪感なんか抱かない。

それに慣れてきたら、毎日が楽しくなった。
何もない一日が素敵な一日になった。

これまでの日々を思うと、本当に私は病人だったのだと思った。
人には理解されないだろうけど。
それは私にしかわからない。

時間はかかっても、なんとか慣れてきた。
そんな自分とこれからボチボチまたやっていく。

何かあればまた一人でこの道を散歩して、また私に戻る。
大丈夫。大丈夫。
そう呪文を唱えながら。

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