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Windowsからの刺客Snapdragon X Eliteは高性能でやっぱりバッテリー寿命が長いらしい


1. Snapdragon XファミリーのArmプロセッサを使用したパソコンが発表された

 Microsoft、Acer、Dell、HP、LenovoからArmベースのSnapdragon Xファミリーのプロセッサを持ちいたパソコンが一斉に発表された。

2. バッテリー寿命が大幅に改善との未確認情報が発表された

 これまで性能を表すベンチマークのリーク情報は多数あったが、バッテリーに関する情報は限られていた。dell XPSの内部資料が流出し、ローカルでのビデオ再生はどうやら20時間以上持つという噂があった。今回正式発表されたことによってバッテリーに関する続報が報告されているので紹介したい。
 tom's HARDWAREのサイトによるとMicrosoftの新しいSurface Laptopは15インチでは最大22時間、13.8インチモデルで最大20時間のバッテリーを謳っているらしい。(https://www.tomshardware.com/laptops/hands-on-with-microsofts-new-surface-and-surface-pro-copilot-pcs)
 同じくtom's HARDWAREの別の記事によると、LenovoはSnapdragon X Eliteを搭載したYoga Slim 7xやThinkPad T14s Gen 6は複数日のバッテリー寿命を達成できると主張しているとのことだ。(https://www.tomshardware.com/laptops/snapdragon-elite-x-windows-ai-pcs-get-official-starting-at-dollar1099-acer-dell-hp-and-lenovo-are-all-onboard-with-some-models-promising-multi-day-battery-life

3. Lenovoから届いた”Yoga Slim 7x 登場”のメール内容

 同じタイミングでLenovoから直接”Yoga Slim 7x 登場”のメールでが届いた。その一部を紹介する。
 以下にあるようにバッテリー寿命が長いことを示唆している紹介がある。ただし現時点での製品仕様書には使用時間の項目には”後日掲載”の文言しかない。バッテリーが実環境でどのくらい持つかは製品レビューを待つしかないようだ。
 ちなみに価格は¥249,700と発表されている。もちろん高価であるがスペックと昨今の円安、Macbookの価格、あくまでも値引き前のものということを考慮すると思ったよりは安いというのが第一印象だった。


Lenovo Yoga Slim 7x Gen 9のWebページより


Lenovo Yoga Slim 7x Gen 9のWebページより


Lenovo Yoga Slim 7x Gen 9のWebページより

4. AMDもArmプロセッサの開発をするらしい

 驚くべきことに、AMDもArmベースのプロセッサの開発を進めているらしい。YoutubeのMoore’s Law is Deadによると、『Sound Wave』というコード名で開発を進めており2026年の市場投入を目指しているとのことだ。
 ARMのレネ・ハースCEOはQualcommがMicrosoftと締結しているArm PC向けWindows用CPUの独占供給契約が2024年に切れ、今後数年のうちにQualcomm以外のArmベースのプロセッサがWindows PCに使用されることを公式に認めていた。それの具体的な事例なのかもしれない。

5. いよいよWindowsの世界でもArmの普及が進むのか

 AMDがArmベースのプロセッサの開発の必要性を感じているということは、特に電力効率が高いことを求められるノートパソコンの世界でArmの技術が有効と認めている可能性が高い。
 また最近発表されたAppleのM4プロセッサは予想以上に高いベンチマーク性能で世間を驚かせたが、その要因としてARMが提供するArmv9アーキテクチャを採用していることが要因ではないかと言われている。つまりARMの技術を用いるとPCの性能を飛躍的に伸ばすこと可能になるということかもしれない。
 ノートパソコンはバッテリー寿命が最重要だと思う。Snapdragon Xファミリー搭載パソコンのレビューが今から楽しみだ。

6. 追記(’24.06.19) 遂に明らかになったバッテリー使用時間について

下表のように製品仕様書に正式にバッテリ使用時間が明記されました。

Lenovo Yoga Slim 7x Gen 9の製品仕様書から抜粋。製品番号は上記と同じ83ED002PJP

前のモデルのLenovo Yoga Slim 6i Gen 8(インテル® Core™i7-1260P プロセッサー)ではJEITA2.0のバッテリー使用時間は約15時間となっている。バッテリー容量が小さい、画面のサイズも14.0と小さいなど厳密には横並び比較できないが、バッテリー時間は伸びるということになりそうだ。

Lenovo Yoga Slim 6i Gen 8の製品仕様書から抜粋。製品番号82WU009HJP

残念なのは、ACアダプター。もっと軽量でコンパクトにだったら良いのに。
でもディスプレイサイズが14.0型から14.5型へと大型化して、製品重量が70g減って、性能も上がってバッテリーの持ちも良くなっているのなら、かなり期待できそうだ。


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