人口減少という危機~増えすぎた人口、長くなり過ぎた寿命~

※専門知識のない素人の戯言なので間違い等あろうかと思います。そういう考え方もあるんだな程度でご覧ください。

人口減少が課題だという声をよく聞く。
課題の捉え方が違うのではないかと思う。
問題は人口が減ることではなく、人口ピラミッドの歪さと環境の変化に対応できないことではないか。

まず、あくまで個人的な見解だが、日本の面積に対して人口は多すぎるのではないか。
適切な数に人口を調整する意味で、結婚や出産に前向きな人が減ったり自浄作用が働いているという捉え方もできる。
単純に言えば、国の規模と人口がそもそも見合ってなかったのではないかということである。
そもそも人口が減って何が困るのだろうか。
個人的に思うことはあるが、より正確なものとしてここでは政府の令和3年度情報通信白書の一文を引用する。

少子高齢化やそれに伴う人口減少は、我が国の経済や社会に大きな影響を与える可能性がある。
経済では、需要面と供給面の双方にマイナスの影響を与え、中長期的な経済成長を阻害する可能性がある。そのうち、需要面では、多くの分野において国内市場の縮小をもたらすこととなる。供給面では、経済成長の3要素(労働投入、資本投入、TFP(全要素生産性)3)のうち、労働投入の減少につながるほか、国内市場の縮小に対する懸念を企業が有することで、資本投入にも影響する可能性がある。
社会では、人口構成の変化に伴い社会構造が変化することとなり、地域人口の減少や高齢化率の上昇によりコミュニティ維持が困難になるなど、人と人との結びつきが希薄になることで、社会資本の形成が困難となる。
このような少子高齢化の進展、生産年齢人口の減少により、国内市場の縮小による経済規模の縮小、労働力不足、我が国の投資先としての魅力低下による国際競争力の低下、医療・介護費の増大など社会保障制度の給付と負担のバランスの崩壊、財政の危機、基礎的自治体の担い手の減少など様々な社会的・経済的な課題が深刻化することとなる。また、人口が減少する中で、経済社会水準の維持を図るには、限られた労働力でより多くの付加価値を生み出し、一人あたりの所得水準を高めることが必要となる。

経済面では国内市場の縮小とそれに伴う投資の減少、労働投入の減少が挙げられている。
国内市場の縮小については確かにその可能性は高い。労働投入も減少するだろう。
まず労働投入についてだが、現在AIやロボットの開発により人の仕事が奪われる懸念がされている。
したがって、そもそも必要な労働数が減少するので大きな問題ではないように感じる。
むしろ、そうした最新の技術をいかに開発し取り入れるかの方が課題である。
つまるところ、白書にあるように、「限られた労働力でより多くの付加価値を生み出し、一人あたりの所得水準を高めることが必要となる」のであり、一人あたりの所得が高まれば国内市場の縮小もある程度の水準を保てる。
その時に起こることは、国内市場の縮小というよりは、国内市場の変化ではないだろうか。
生活必需品の量は減るが質が求められる。今以上に嗜好品に費やすお金が増える。
結局、課題は人口減少ではなく、変化への対応なのではないか。

社会面では「人口構成の変化に伴い社会構造が変化することとなり」、その結果、「地域人口の減少や高齢化率の上昇によりコミュニティ維持が困難になるなど、人と人との結びつきが希薄になることで、社会資本の形成が困難となる」と挙げている。
白書で書かれている通り、要因は「人口構成の変化に伴い社会構造が変化すること」なので、これも人口減少が課題なのではなく、人口構成の変化、つまり人口ピラミッドのバランスが悪いことが課題なのではないか。
ところで、現在の人口ピラミッドを見るまでもなく、日本には高齢者が多い。恐らく十数年後、20年後くらいには自然とこの層はなくなっている。
それに伴い「医療・介護費の増大など社会保障制度の給付と負担のバランスの崩壊」は解決はしないが改善はされる。
したがって、特に考えなければいけないことは、高齢化ではなく少子化である。

人口減少が課題と言うが、分解してみれば、検討すべきは時代の変化に対応できるかと少子化対策なのではないだろうか。

個人的にはバランスとして寿命が長くなり過ぎたのだと考えている。
60歳代で寿命を終える社会が構築され運用されてきたが、寿命がそれ以上になるなら社会構造を再構築しないといけない。
言葉で言えばそれだけのことなのではないかと思う。

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