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◆ 話のネタ ◆ No.8 『どんな巨大台風でもイージス艦は出撃可能?』

 今から、15年前、中学の大規模な同窓会が、50歳になって、初めて実施されました。 私の中学は、ある地方都市にあり当時は、1学年8クラスで市内で一番大きな中学でした。

 それを契機に、中学卒業後35年ぶりに同級生と連絡をとるようになりました。 そんな友達の1人にK君が、いました。 K君は、中学卒業後、直ぐに、海上自衛隊に入隊していました。 

 東京で、中学の友人と4人で飲んでいて、「K、おまえ、自衛隊行ったんじゃけん、いっぱい車や、戦車や、特殊車両の運転免許持っとろうが?」と聞くと、「いや、車の免許も持っとらん」 「えっ、なんでや、自衛隊行ったら、クレーン車、ブルトーザーとか、いろんな、免許が取得できるんちゃうんか?」 「俺、海上自衛隊じゃけぇ」 「そうか、それなら、何か、免許あるんか?」 「船の免許は、持っとるよ」 「そりゃ、そうじゃな、何を運転できるんや?」 「イージス艦」 「えっ!・・・・・あのイージス艦?」 「そう、そのイージス艦」

「すげぇ! イージス艦ゆうて、何人乗りや?」 「300人」 「いくらするんや?」「3,000億円」 「すげぇーなー、1回見てみたいのぉ」 「ええで、案内したるわ」 「えぇー、ほんま!」 「K、おまえ偉いんか?」 「う~ん、上から5番目」 「すごいじゃん」

 という流れで、イージス艦を、見学させてもらえることになりました。
その時、人財育成部勤務でしたので、その周りの人と私の友人で希望者を募り、26人で見学に行きました。

 当時、日本のイージス艦は、5隻(現在は、8隻)で、2隻が、佐世保で、2隻が舞鶴、残り1隻が、『霧島』で横須賀に配備されていました。

 Kは、見学当日、1時間20分くらいかけて、イージス艦の船内を1箇所を除いて丁寧に案内してくれました。 案内してもらえなかったのは、作戦会議室で、約100畳あり、入り口に写真のように『注意 許可を受けないでこの内に立ち入ることを禁止する。 以上のとおり、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法施行令第5条の規定により掲示する。平成7年3月16日 防衛庁』と掲示されていました。

 イージス艦霧島は、敵機を100km以上先(推定)から検知でき、その機種を判別しどのような武器を積載しているかを察知し、敵機が攻撃したら、こちらも対応できるようにするらしい。よって、お互いの姿は、まったく見えない世界での対応であり、まるで、戦闘ゲームのような感じと驚きました。

 イージス艦の一番の攻撃能力は、写真にある四角いふたが開き、真上にロケット弾が飛んでいき、追撃システムで、真上から360度どの方向にも向きを変えて(海中方向も可能)、追撃が開始されるとのこと。 このミサイル垂直発射装置(VLS)は、甲板の前方と後方に2ヶ所に配置されていました。

また、イージスシステム(多機能レーダー)は、非常に高精度で遠方の敵機を発見できるが、発する磁場も強烈なので、乗組員はもとより、日本の民家の方向に向けては、発しないそうでした。

 イージス艦は、潜水艦に察知されないようスクリューの回転速度は、同じで、速度は、スクリューの角度で調整されるそうです。 スクリューの回転が変化すると、音や、泡が出るからとのこと。

 給油時は、補給艦から燃料を補給してもらいますが、海上では、必ず両艦とも同じ速度で進みながら、給油するそうです。海上で停止して給油すると波の影響でうまくできないそうです。

 「K、例えば、出撃命令が出たとき、とてつもなく大きな台風が来ていたとしたら、やっぱり、『この台風では、出撃は、無理なので延期してください!』 となんの?」 「いや、絶対に出撃する!」 「なんでや、とてつもなく大きな台風だったら、沈むんちゃうんか?」 「実は、イージス艦は、ひっくりかえっても、もとに戻る仕組みになっとる。最もひっくりかえったら、艦内は、ぐじゃぐじゃには、なるけどね」

 ちなみに、トイレは、ウォシュレットでした。 また、艦内になぜが、床屋の椅子があり「イージス艦に床屋さんが乗っちょるんか?」 「まさか、自分らで、お互いを散髪するだけよ」

 その後、北朝鮮が、ロケットを発射したというニュースがあり、Kは、出撃したようで、連絡が一切とれなくなりました。 ニュースで、太平洋にイージス艦が配備されたとあったので、霧島が監視を開始したのだと思っています。

日本の安全を、自衛隊の皆さんが、命がけで守って頂いているとイージス艦の見学以後、感じるとともに、いかに平和が有難く、幸福なことであるか強く感じました。


作戦会議室のドア
ミサイル垂直発射装置(VLS)
イージス艦の船上
パンフレット

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