【案内人みなのエッセイ】どんな気持ちも大切なもの
どうぞのへやの案内人、たなかみなです。このコラムでは、どうぞのへやをつくるきっかけとなった出来事をご紹介します。
どんな気持ちも大切なもの。これはどうぞのへやで大切にしたい考えのひとつです。「どんな気持ちも持っていて良いんだよ」。そう私に教えてくれたのは、昭和大学病院内の「さいかち学級」を担当されている副島賢和先生でした。
今でも忘れられない出来事があります。病気のある子どもたちへの教育を学びたいと思っていた私は、副島先生の講演を聴きに岡山へ。その講演会での質問タイム。ある人工呼吸器をつけた男子学生さんが手を挙げました。
「僕よりもっとしんどい病気の人がいるから、僕がつらいとかしんどいとか言うのは違うと思うのですが・・・」。そう話す彼に、副島先生は「周りの人と自分を比べなくて良いと思います。自分の気持ちを大切になさってください」とおっしゃったんです。
その言葉を聞いた瞬間、思わず涙が出ました。これまで私も「もっとつらい人がいるから」と自分の感情を閉じ込めてしまうことがあったからです。
つらいと感じた気持ちは、誰とも比べなくて良い。つらいと感じた気持ちを、もっと大切にしても良い。どんな気持ちも大切だと、副島先生から学びました。副島先生から教わったことを、どうぞのへやでも大切にしていきたいです。