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放置宣言

ある日、Xを眺めていたらこんな投稿があった。
「検査の結果、胆のうポリープが大きくなっていた」と。

そして、ふと老女は思い出した。
己の胆のうにも、ポリープがあるという事実を。


見つかったのは、もう15年ほど前になる。
腹痛で総合病院を受診した際、
腹部エコーしてみようということになり、検査すると
数ミリのポリープが1つあるが、まあいいでしょう、
みたいなことを医師が言っていたと思う。
で、そこから現在まで、「放置」しているという始末。


ざっくり調べてみると、ポリープにも色々な種類があって
己のポリープはおそらく、コレステロールポリープといって
多くは良性で悪性化することは少なく、治療は無用とある。

しかし、基本的には胆のうポリープが見つかったら
1年に1度は検査したほうがよい、経過観察と記載がある。
いや、既にもう15年ほど放置しているのだが・・・
特に自覚症状があるというわけでもないが
若い頃から、揚げ物類がすこーし苦手である。
みんな大好きミスタードーナツのあるドーナツを食べて
脂汗が出るほどの腹痛になったり
デパ地下で購入した揚げ物でも、同じく腹が嵐と化した。
なぜ、己の腹は揚げ物に弱いのだろうか。
胆のうポリープと何か関係があるのだろうか、しかし
考えたところで分からぬことは分からない。


揚げ物が苦手とはいえ、たまにはコロッケも食べたいし
たまにはとんかつだって食べたい。
家族が食べているのに、自分だけ同じものが食べられない、
そんな切なさは地味に苦しい。
なので、己を試すつもりで、あえて1ヶ月に1度は
揚げ物を食してみる、そしてその後の己の腹の具合を確認。
老女の老いたバディ、胆のうはどこまで耐えられるのか、
実にドSな実験を、誰にも言わずに実行中。


先月は、とんかつ1枚挑戦、見事成功。
先日は、コロッケ2個挑戦、見事成功。
どちらかが失敗すると思いきや、なんとかクリア。
40年以上も生きてきたのだ、体のどこかは弱るはず。
それでもまだ、コロッケ2個は消化できることに感謝。


本来なら、あれから胆のうポリープがどうなったのか
変化していないか、増えていないか、など
検査に行く方がいいのかもしれない、しかし、
老女は大の「病院嫌い」なのである。
大丈夫かなあ?くらいでは行かない、それが病院。
こんな不真面目な人間の胆のうになってしまった、
罪なき臓器にむしろ同情する。
もっとマトモな主がよかったにちがいない。
しかし、キミには申し訳ないがこれからも老女の体を支え
頑なに検査に行かないという主の良き理解者であってほしい
それでなにかあったとしても、自己責任で受け入れるから、
どうぞよろしく頼む、と
今日も押し黙っている胆のうに放置宣言をしてみると
まったく情けねえ、仕方ねえ、ポンコツ老女め、
そんな声なき声が聞こえるような気がするのだ、不思議だ。




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