現代詩

無口な岩波文庫
ページを開かれるのを、待つ
みすぼらしい服で
時代を変えた言葉と論理は
いまでは絶え間なく
出血している

現代のプロレタリア
清潔な身なりと、清潔な顔、清潔なオフィスで
個人ではなく、群れになる
人間の、変わり果てた姿

日替わりで現れる
卑劣なビジネス書を、骨折させよ
そいつらは、きみたちから
季節の推移を奪うだけだ

きみたちは
蜂の翼も、色彩の興奮も、親切な農具も
知らずに
資本に
いのちを差し出すのか

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