小さな優しさ
ういろうを食べた。
色んな種類がある中で、焼き芋味を選んだ。珍しいな、芋好きの母が喜ぶかな、と思って買って帰ることにした。
大正解。母はうれしそうに食べてくれた。
やわらかくって、ほど良くもっちりしていて、優しいお芋の味がする。
美味しく食べながら、これを買った時のことを思い出していた。
母へのお土産を探していた時、行列ができているお店を見つけた。
なんのお店だろう、とのぞき込むと、色とりどりのういろうが陳列されていた。美味しそう、ここにしよう、と決めた。
お客さんは二列になって並んでいる。私の隣には小柄なおじいさん。
前のお客さんたちの番になった時、おじいさんが、先に注文してね、と声をかけてくれた。
びっくりして、遠慮しようとしたけど、優しい声で先を譲ってくれる。
ちょっとしたことかもしれないけど、心がポカポカした。
いいな。小さな優しさを、周りに振りまける人は素敵だな。
ういろうがもっと美味しく感じた。
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