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Netflixドラマ感想「三体」

画像引用:Netflix Freaks

【あらすじ】
1960年代の中国で、物理学教授の父親を文化大革命によって殺された科学者の女性イエ・ウェンジエ。その後、極秘基地に移った彼女は、ある日宇宙から信号を受信する。
時を経て2024年のイギリスでは、相次ぐ科学者の不審死が発生。健康で薬物にも溺れていないはずの彼らには「謎の“カウントダウン”が見える」共通点だけが残されていた。量子研究を行うイエ・ヴェラも「神を信じる?」と助手のソールに問いかけたまま、突然自らの命を経ってしまう。ヴェラの教え子であり、ナノマテリアルの研究と開発を行うオギーの眼前にも「カウントダウン」が現れてしまい……。

1960年代の中国で、イエ・ウェンジエの下した決断が時空を越えて現代に影響を及ぼす。自然の法則では説明のつかない不可解な現象を目の当たりにした有能な科学者たちが、型破りな捜査官と手を組み、人類史上最大の脅威に挑んでゆく。
(引用:Netflix Freaks)

Netflixで視聴ランキング1位になったので知ってる方も多いドラマだと思います。
原作は中国のSF小説で、Netflix版のドラマでは2巻の途中までが描かれているそうです。

原作は未読でドラマを観たのですが、とにかくスケールが大きい!
現代パートはイギリスのオックスフォードが舞台、しかし物語のそもそも原因は1960年代、文化大革命時代の中国でした。
物理学者のイエ・ウェンジェが配属される山の上の研究所には巨大なパラボラアンテナ。
現代イギリスの物理学研究所もまた巨大な施設。
さらに現実と区別のつかないほど精巧なVR空間、あるキャラクターの夢の情景、宇宙空間などなど。
果たしてどこまでが現実のセットでどこまでがVFXなのか……。

ストーリーは一言で表すと異星人侵略モノです。
しかしその異星人が来るのは400年後!(゜Д゜)
侵略予告してくれる親切な異星人さん。
科学的な説明部分はよく分かっていないのですが、地球人になんやかんや干渉してくるのは智子(ソフォン)と呼ばれる陽子らしいです。
もちろん異星人vs.地球人となるのですが、それ以前の異星人を招待(?)する人たちvs.地球を護る人たちの話がこの第1シーズンでした。

SFなので異星人の干渉やハイテクな開発がメインとなりますが、登場キャラクターたちの苦悩や関係性、つまり人間ドラマもしっかり描かれていました。
異星人を受け入れる人々が絶対的に悪というわけでもなく、彼らを殲滅する地球を護る人々の行動も倫理的に正しいのかというジレンマ。
スケールが大きいのでより苦悩が増す感じがします。

第2シーズンの制作はまだ決定していないようですが、物語は途中で終わっているのでぜひ続いてもらいたいです。

さて、Netflix版ドラマ「三体」は原作を大きく改変しています。
原作では中国が舞台で登場人物も中国人ばかりらしいですが、ドラマではイギリスが舞台で主人公の役割をオックスフォードの5人に振り分けられています。
よく批判される「ホワイトウォッシュ」どころではなく、白人、黒人、アジア系、南米系、インド系と様々な人種のキャラクターが出てきました。

原作のように中国を舞台にしなかったことについて批判的なコメントがありますが、的外れのようにわたしは感じます。
なぜなら舞台がイギリスになりメインの言語が英語となったことについて、制作者は以下のように語っているからです。

もう1つ、制約として、私たちは「英語版」の権利しか持っていません。中国語が出てくることは許可されていましたが、あくまで「ドラマを英語版として作る」権利だけです。そうすると、登場人物はみな英語で話すことになる、というのもわかっていたことなのです。
(引用:AV.Watch

原作改変については賛否両論ありますが、原作を読まなくても(むしろ読まない人の方が?)このドラマは楽しめると思うのでお勧めです。

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